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マツダ CX-30と1泊2日 “ものづくり” の旅 老舗・松本民芸家具とマツダの共通点とは|MAZDA CX-30試乗記

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ご縁をいただき叶った工房見学

 2日目は民藝運動を牽引してきた池田三四郎氏の創設した「松本民芸家具」の工房を特別に見学するご縁をいただきました(工房は一般見学の受付をしておりません)。

 松本民芸家具って? と思われるかたも、その代表的家具であるウインザーチェア(44A型)を見ると、ああ、となるかもしれないですね。また、インダストリアルデザイナーの柳宗理(SORI YANAGI)と聞いて「お!」と思うかたもいるでしょうか(キッチンツールも多くデザインしているので女性に多いかしら)。池田氏と一緒に民藝運動の指導者として活躍してきた柳宗悦氏は宗理氏のお父様です。

こちらが有名なウインザーチェア。その姿は初期より変わらず、いまも日々職人のかたの手によって日々作り続けられている。こちらは店舗に飾られた、40年間使い込まれてきたチェア。長い年月を経ても、使い続けることができる

 松本市内の一画に非常に古く味わい深い建物、松本民芸家具の工房があります。お仕事中にお邪魔して、いろいろとお話を訊くことができました。

工房入り口には素材の木がずらり(奥)。素材にはミズメザクラを主用材として、けやき・なら・せん・とち・かえでなど、すべて国産の落葉高木を使用。木材は厚みにあわせ野外(こことは別の場所です)にて天然乾燥させるとのことで、その期間は最低でも1年、長いものでは5年、なんと10年野積みしてあるものも珍しくないのだとか! すごい……
木取職人のかたが吟味した材料を組み立て職人がその技術・道具によって責任をもってひとつの家具を作り上げます
家具の裏には、その家具を作り上げた職人の銘が彫られている。「長く使って欲しい」という想いと、「仕事に責任を持つ」という誓いなのだという

 家具は何十年も(もしかしたら自分よりも)長く使われるもので、修理の依頼も多いのだとか。もちろん組み上げた職人さんが在籍していれば自分で修理を請け負いますが、何十年と使い込まれたときには職人さんが在籍していないことも。裏の銘で誰の仕事かが一目瞭然なため、その際には、弟子がその任を引き継くことになります。
 修理はすべてバラしてから再度組み立てとなるため、作ったときの仕事度合いがすぐにわかるのだとか。自分の弟子に恥ずかしい姿は見せられない、銘には、職人さんのプライドもかかっているのですね。
 見学をしているときに、誰かが発した「ワンマン・ワンエンジンだ!」という言葉に一同「だねぇ~」と深く納得。クルマ業界ならではの脳内満場一致の瞬間があったことが、とても楽しかったです。

工房内にある、ため池。松本は湧き水が豊富なことでも有名で、こちらも自然に湧き出る水を利用したため池。素材の木は、この水と蒸気で「曲げ」られます

 また、職人の皆さんの使う道具のひとつである「かんな」は、すべてオリジナル。仕事を始めてすぐは道具が揃っていないため、まずは師匠のものを使わせてもらう、使用後に返すと「研いでから返せ」と言われる。だが、頑張って何時間もかけて研いで師匠に差し出しても「全然ダメだ」と言われ、その場で師匠がチャチャっと研いだ、完璧に整った刃先を見せられるのだという。

 弟子入りしてすぐの仕事は、師匠のかんなを研ぐことから。

 その師匠の研ぎ仕事を覚えるところからが職人仕事の勉強。そして仕事を覚えていくと同時に、自分の手の延長ともいえる道具がどんどん増えていくのです。

絶妙なカーブを描くかんな。もちろん職人さん個々のオリジナルです
ウインザーチェアを組み立てる職人さん。お話をうかがっている最中にもどんどんと組み上がっていきます
職人さんは建物内に個々に自身の工房を持っています。天地関係なく並ぶ、素材と道具は圧巻
道具への思い出を語ってくださった職人さん、かんなへの眼差しがやさしい……
組み上がった家具は、その後塗装職人さんの手に委ねられ、最後の仕上げを施されます。長年の使用でさらに味わい深くなるよう手塗りで8回以上(!)塗り重ねられます
塗装工程はこんな感じで色の変化が見られます(上下は染料の違い)
ウインザーチェアと並び代表的な家具である「ラッシ編み椅子」。伝承されてきた技術でフトイ(太藺)を編んでいく職人さん(フトイ/カツヤリグサ科の多年草)
一本のフトイは、じつはこんなに細いんです(冗談っぽい文になってしまいましたが)。これを束にしてしっかりとねじり編んでいきます。その技術がすごい

 松本民芸家具は工業製品ではなく「工芸」製品、「作り上がったところが完成ではなく、いったんの完了をむかえるだけ、何十年と使い込まれて輝きが増したときが完成のとき」と長期の使用を考えて作られています。かたや、クルマはというと、残念ながら長期間大切に乗るほどに税金がかかってしまい、なかなか古いクルマを所持し続けることは難しくなっているのが現状です。

 そういう意味では松本民芸家具とマツダは作っているものの性質が異なっています。ですが……。

ブランド価値を象徴する「100-1=0」

「クルマ100台のうち、1台でも不良があればすべて無に帰す。なぜなら、お客さまにとってその1台は100分の1ではなく、唯一無二の1台だから」
 これは、お客さまの1台に100%の品質を目指す強い思いが込められたマツダの言葉です。

 性質が異なるマツダと松本民芸家具ですが、見学を通じて、ひとつひとつに手を抜かず、真剣に向き合うことという「ものづくりに対する真摯な姿勢」という共通点があると感じました。異なっているようで同じ。どちらもとても好感が持てました。

松本民芸家具・中央民芸ショールームの前でパチリ。そのクオリティの高さから100年使いたいと言われる家具。ああ、時間が足りない。お金も(まったく)足りない……

さて、アタマ横浜へ向けます!

 松本民芸家具の工房の見学が終了したのちは、諏訪湖畔でランチ、ビーナスラインを経由して横浜のマツダを目指します。
 ディーゼルはXのじわーっと、そしてねっとりと加速する乗り味とは違い、少し踏むとディーゼル特有のトルキーさを体感できる。ディーゼルの乗り味に慣れていることもあり、こちらは実家のCX-5をドライブしている感覚がそのままスライドです。

コレ、ウチのクルマだっけ? と錯覚をするドライブ(笑)。欲を言えば、ビーナスラインをXでドライブしてみたかった(また乗れる機会を楽しみに待つとしよう)
復路道中にオススメされたポイント「たてしな自由農園」に立ち寄り。クルマだからいいよね! と、しこたま新鮮な野菜などの食材を買い込む(大きなエコバッグしっかり持参)
真剣に味噌を選ぶナコ。ちなみに、このたてしな自由農園、ナコの実家よりほど近い場所にございます……(両親から、アホなの? と笑われました)なにを購入したかは、すべての写真におまけでつけていますので、そちらもご覧ください

裏目的! 実家愛車CX-5をCX-30に?

 冒頭にも触れさせていただきましたが、ナコの実家愛車はマツダCX-5(ディーゼル)。大変個人的な話を持ち出し恐縮ですが、今回の旅には「実家の愛車を5からCX-30に変えることは是か非か」という大いなる裏目的もありました。

 そしてその結論は、「是」(ただし、ディーゼル)。Xは、とてもいい。とてもいいのですが、もう高齢の両親には間違いなく猫に小判となると考えると、やはりいまと同じくディーゼルがいいという結論に至りました。サイズはもちろん小さくなるがCX-30の室内空間は広く感じるため、違和感はなさそう、もちろん乗り味も同じく。

 そんなわけで、次回帰省時に営業マンよろしくカタログを持って家族会議に臨むつもりです。

ビリッケツ、でも一番愉しみました(自慢にならない)!

「返却ですが、20時くらいまでにお戻りください」と広報のかたからお昼に言われておりました。もちろん覚えておりましたとも。
 最後の最後まで満喫しなくては! といま何時? そうねだいたいね~♪ などと、いまやもう恥ずかしいギャグを口にしながら海老名のサービスエリアに到着したのは19時。

 海老名を出てからは、さすがに焦りながら走行し、19時58分、横浜のマツダR&Dセンターへ到着。もちろん、ビリ。「そろそろお電話をしようかと……」と笑われてしまうオチがついてしまいました。関係者の皆さま、遅くまでお待たせし、申し訳ありませんでした。

 クルマは時間に縛られず、フルに使い、いろんな場所へ行き愉しむことができるもの。「自動車は自動で動くクルマではなく、自分で動かすクルマ」の意、ということをこの2日間で痛感。寄り道しようが道に迷おうが、荷物が重かろうがなんのその! なのだから。
 願わくば、そのクルマは自分の意を汲んでしっかりと走ってくれる、そして、デザインの優れたものがいい。

 そう、マツダのCX-30のようにね……。

<b>マツダCX-30 X Lパッケージ(2WD)</b>
全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
ホイールベース:2655mm
車両重量:1490kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1997cc
エンジン最高出力:132kW(180ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:224Nm/3000rpm
モーター最高出力:4.8kW(6.5ps)/1000rpm
モーター最大トルク:61Nm/100rpm
トランスミッション:6速AT
タイヤサイズ:215/55R18 95H
乗車定員:5名
燃料:無鉛プレミアム(51ℓ)
WLTCモード燃費:16.8km/L
市街地モード燃費:13.7km/L
郊外モード燃費:17.2km/L
高速道路モード燃費:18.3km/L
車両本体価格:353万2100円
試乗車価格(オプション込):374万5480円

<b>マツダCX-30 XD Lパッケージ(4WD)</b>
全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
ホイールベース:2655mm
車両重量:1530kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1756cc
エンジン最高出力:85kW(116ps)/4000rpm
エンジン最大トルク:270Nm/1600-2600rpm
トランスミッション:6速AT
タイヤサイズ:215/55R18 95H
乗車定員:5名
燃料:軽油(48ℓ)
WLTCモード燃費:18.4km/L
市街地モード燃費:15.5km/L
郊外モード燃費:18.5km/L
高速道路モード燃費:20.0km/L
車両本体価格:353万2100円
試乗車価格(オプション込):374万5480円

【公式】マツダ(外部サイト)

【公式】信州木曽ふるさと体験館(外部サイト)

【公式】奈良井宿観光協会(外部サイト)

【公式】松本ホテル花月(外部サイト)

【公式】松本民芸家具(外部サイト)

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コロナ禍収束の目処がなかなか立たないなか、7月には多くのメーカーが感染予防を徹底しつつ試乗会を再開し始めました。いま、すべてのメーカーは例年と同じような試乗会・発表会の開催ができず、試行錯誤しながらも徐々に私たち(メディア)へ取材機会を提供してくださっています。メーカー(そして開催に当たっての関係者)の皆さまのお力でこうして記事を掲載することができることに、心から御礼を申し上げます。もちろん参加者側としても感染予防を徹底して取材にあたらせていただいております。文中使用写真においてはマスクを外しておりますが、撮影時のみであることをご了承ください。

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