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安全のために半世紀。ボルボ・カーズの事故調査チームが誕生から50年という節目を迎える

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10月30日、ボルボ・カーズは社内の事故調査チーム「ボルボ・カーズ・アクシデント・リサーチ・チーム」が、誕生から50年を迎えたことを報じた。同チームの事故現場調査員は、ボルボ・カーズが実際の事故から学び、常にクルマを改善していくために、24時間体制で待機。彼らは社内の“刑事”として知られている。

収集されたすべてのデータと知識はボルボの製品開発チームと共有され、次期型車の新技術の開発と実装に活用

ボルボ・カーズ・セーフティ・センターで責任者を務めるマリン・エクホルム氏は、次のように語っている。
「事故調査チームの努力と研究のおかげで、ボルボ・カーズは悲惨な交通事故から何かしらの改善点を学び取ることができると確信しています。事故の各段階で何が起こったかを綿密に分析することで、ボルボ・カーズのクルマを改善するための重要な情報を提供しています」

このチームは1970年から活動を開始。スウェーデンのイェーテボリ周辺でボルボが関係する事故が発生すると、昼夜を問わず通報を受けて現場に駆けつける。到着すると調査を開始し、一連の出来事を可能な限り詳細に記録する。記録内容は衝撃の強さ、アクティブセーフティシステムの介入タイミング、乗員の様子、そのほか天候や事故発生の時間帯、路面標示の状態等が挙げられる。

作業はオフィスに戻ってからも続く。チームは一般に公開されている警察の報告書を要求し、運転手に連絡を取り、可能な場合は事故車両を調査。また、ボルボ・カーズ・セーフティ・センターの行動科学者を交えて、運転手がどのように事故を経験したかについての理解を進める。

そして最後に、チームは事故に巻き込まれた人々に医療記録の共有を求める。これらのカルテは、物理学者と協力してバイオメカニクス(生体力学)の専門家が分析し、怪我の正確な原因を特定する。

収集されたすべてのデータと知識はコード化され、個人が特定されないように配慮する。この研究から得られた結論は、ボルボの製品開発チームと共有され、次期型車の新技術の開発と実装に活用していく。また、このチームは、現在解決できない問題を特定し、ボルボ・カーズが安全開発の最前線に立ち続けることを可能にしている。

毎年、チームは約30~50件の事故を直接調査しているが、事故は世界中で発生しており、現場に駆けつけることが難しい場合もある。そのような場合には、ボルボのスタッフや現場に近い救急隊のサポートを受けながら、可能な範囲で事故の把握に努めている。加えてチームは、世界各地の公的な事故データベースなど、ほかの情報源を利用して、必要な措置が取られているかどうかを確認している。

ボルボ・カーズ・セーフティ・センターで責任者を務めるマリン・エクホルム氏

「事故調査チームは、当社の安全専門家にとって唯一の調査データ源ではありませんが、詳細を理解するうえで重要な役割を果たしています。事故は今でも起きますが、最近では以前に比べて結果はずっと穏やかで、重傷を負うこともめったにありません」(エクホルム氏)

ちなみに、「ボルボ・カーズ・アクシデント・リサーチ・チーム」の事故現場調査員は「Crash Scene Investigators」と称されており、その頭文字が海外ドラマ『CSI:科学捜査班』と同じことから、スウェーデンの自動車メーカーのCSIチームと呼ばれることもあるという。

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