ステア・バイ・ワイヤシステム「Libuddy」
ジェイテクトは、1988年に電動パワーステアリング(以下、EPS)の量産を世界で初めて開始した。EPSにおいて安全・環境に配慮した性能向上に加え、快適性向上による将来のモビリティ社会を見据えて、操舵ユニットと転舵ユニットの機械的な接続構造のないリンクレスのステア・バイ・ワイヤシステムの開発が進められた。開発されたステア・バイ・ワイヤシステムは、安全第一で構成されたシステムの冗長化、新しい制御技術を実装し、車両への搭載可能なシステムとなった。
そして、電動化技術で操作系を拡げ、ワインディングでの直感的な操作フィーリングや低速域での取り回し性において、LEXUSが大切にしている「人とクルマとの対話」をより加速させ、従来のコックピットに大きな変革をもたらすと認められ、搭載された。ステア・バイ・ワイヤシステムは機械的な接続構造がないため、搭載性がよく、その他機器のレイアウトの自由度が高まる。また、車両衝突の際でも、その構造によりハンドルからの突き上げがなく、運転手の安全確保にも寄与している。
Libuddyは、ジェイテクトのEPSシステムの補助電源用高耐熱リチウムイオンキャパシタとして開発されたが、現在では、様々な設備・装置のエネルギーマネジメントなど、自動車以外の用途でも提案が進められている。Libuddyをバックアップ電源にすることで、万が一、車両電源トラブルが発生した際、路肩に寄せるなど安全な位置まで車両を操作できる電力を供給し、車両、運転手、同乗者、周囲の環境への安全性向上に寄与している。
