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今日は何の日?■シャリオグランディスの後継グランディス

2003(平成15)年5月17日、三菱自動車は3列シート6人/7人乗りのミニバン「グランディス」を発売した。1997年10月にデビューした「シャリオグランディス」の後継であり、“Japanese Modern”をデザインコンセプトにした伝統的な和のエッセンスを取り入れた現代風デザインが特徴だった。
グランディスの源流は、多目的乗用車を謳ったシャリオ

グランディスの源流は、1983年2月に誕生したミニバン「シャリオ」である。1982年8月にデビューした日産自動車の「プレーリー」とともに、乗用車ベース・ミニバンの先駆的なモデルとされている。
シャリオは、背の高い広い室内空間を持つ1.5ボックスのハイトワゴンボディに、2-3-2の7人乗り3列シートを収めたミニバンで、広い室内空間を生かした2列目と3列目を向かい合わせるシートバック反転機構や、フルフラットシートなど多彩なシートアレンジが魅力だった。三菱は、発売当初は“FF多目的乗用車”と呼んでいた。
パワートレーンは、最高出力92ps/最大トルク13.8kgmを発揮する1.6L、105ps/15.0kgmの1.8L 直4 SOHCの2種エンジンと、3速ATおよび5速MTの組み合わせ。同年7月には、135ps/20.0kgmの1.8L 直4 SOHCターボ、翌1984年には110ps/16.7kgmの2.0L 直4 SOHCと副変速機付4速MTスーパーシフトを搭載したフルタイム4WDが追加された。
多目的乗用車という謳い文句通り、レジャーなど様々な用途に対応できるシャリオは、RVブームの後押しもありヒットモデルとなった。

その後1991年5月に、シャリオは初めてのモデルチェンジで2代目となった。基本的には初代のキープコンセプトだが、初代よりひとまわり大きくなり、機能性がさらに向上した。
3ナンバーサイズとなった3代目のシャリオグランディス
1997年10月には、シャリオは3代目「シャリオグランディス」にモデルチェンジ。3ナンバーサイズとなってゆとりある室内空間を確保したシャリオグランディスは、これまでの7人乗りに加え新たに6人乗りを設定し、上級ミニバンであることをアピールした。


スタイリングは、フロントコーナーを大胆にカットしたデザインで力強さと高級感を演出。広くなった室内には、シートにリクライニング、チップアップ、ロングスライド、タンブルなど多彩な機構を採用することで、乗員人数や目的に応じたフレキシブルなアレンジが可能だった。
パワートレーンは、最高出力165ps/最大トルク23.5kgmの新開発2.4L 直4 DOHC GDI(直噴)エンジンとINVECS-IIスポーツモード4速ATの組み合わせ。駆動方式は、FFとVCU(ビスカスカップリング)センターデフ式フルタイム4WDが選べた。2年後の1999年10月には、215ps/30.5kgmの3.0L V6 DOHC GDIエンジンを搭載した豪華な「ロイヤルシリーズ」も追加設定された。

さらに安全強化ボディ「RISE」の採用をはじめ、運転席と助手席のSRSエアバッグシステムなど充実した安全機能も誇った。ただし、リアドアはスライド式でなく、一般的なヒンジドアだった。
力強く高級感あふれるスタイリングのシャリオグランディスは、発売から1ヶ月で1.2万台を受注し好調に滑り出した。が、熾烈なミニバン市場で徐々に販売台数は減少していった。
スポーティかつエレガントを目指した4代目グランディス

そして2003年5月のこの日、4代目となったモデルはシャリオの冠をはずして、「グランディス」の単独名となって登場した。先代同様、チップアップ&ロングスライドが可能なセカンドシートと、分割して収納可能なサードシートの組みあわせにより、多彩なシートアレンジが特徴の上質のミニバンだった。
スタイリングは、“スポーティ&エレガンス”をテーマに、フロントグリルからボンネット、Aピラーからリアエンドまで切れ目のない線で構成される連続したフォルムと、フロントマスクに設置された大き目のスリーダイヤモンドマークが個性を発揮した。

パワートレーンは、新開発の最高出力165ps/最大トルク22.1kgmを発揮する2.4L 直4 SOHC MIVECエンジンとINVECS-IIスポーツモード付4速ATの組み合わせ。駆動方式は、引き続きFFと4WDが用意されたが、4WDは電子制御カップリングを備えたマルチセレクト4WDが搭載された。

また、衝突安全強化ボディの“RISE”や新開発ストレートフレームプラットホーム、さらに1~2列目シートのカーテンエアバッグを含む6エアバッグシステムなどの採用により、高いレベルの安全性も確保された。


車両価格は208.3万~268.3万円(2WD)/232.3万~292.3万円(4WD)で比較的リーズナブルな設定だった。
グランディスも好調に滑り出したが、当時は三菱自体の経営不振が続き、十分な商品力強化ができなかったこともあり人気は長くは続かなかった。

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2000年代に入って三菱は経営不振に陥り、2002年11月の「コルト」と2003年5月発売の「グランディス」は、経営再建計画“ターンアラウンド”での重要な役目を担ったモデルだった。両モデルとも完成度は高く最初は好調だったが、リコール問題などの悪影響で足を引っ張られた不遇のクルマだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


