ライブディオZXをベースに“三輪化”という発想

90〜2000年代スクーターカスタム全盛期、多くの若者たちから支持を集めていたホンダ・ライブディオZX。シャープなスタイリングと高いカスタム性によって、ロンホイやオーディオ仕様、レーシングスタイルなど、さまざまな方向性へ進化していった。

そんなライブディオZXをベースにしながら、このマシン最大の特徴となるのが配達業務等のビジネスユースで使われているホンダ・ジャイロX用ユニットを使った“三輪化”だ。一般的なロンホイ仕様とも違い、左右に極太タイヤを履かせたスタイルはインパクト抜群。停まっているだけでも圧倒的な存在感を放っている。しかも単に三輪化しただけではなく、リヤホイールには10Jサイズのダグラス製ホイールをセット。タイヤサイズは235/30-10という極太仕様で、フロント90/90-10とのアンバランス感も含め、このマシンならではのキャラクターとなっている。

ライブディオZXをベースに、ジャイロX用ユニットを組み合わせた超個性派カスタム。235サイズの極太タイヤと10Jホイールの迫力はまさに規格外だ。

左右に張り出した極太タイヤが最大の見どころ。トライクとも違う独特なシルエットで、停まっていても圧倒的な存在感を放つ。

極太ホイールに負けないボリューミーな外装

ここまでインパクトの強いリヤ周りになると、ライブディオZXのノーマル外装では完全に迫力負けしてしまう。そこで投入されたのが、Mデザイン製フロントフェイス&フェンダー、そして紫紋製サイド&アンダーカウルだ。滑らかつボリューム感のあるラインを作ることによって、低くワイドなシルエットをさらに強調し、ラメ入りキャンディパープルも相まって、良い意味でギラギラとしたショーモデルらしい独特な存在感を演出している。ストリートでは特に夜間の走行ではド目立ちだ。さらに通常なら黒樹脂のままで済ませがちなインナーカウルまでしっかりペイントされ、細部まで統一感を持たせることで、完成度を大きく引き上げているのだ。

そして重量級を支えるフロントの足周りには、社外製フロントフォークに加えて、Φ200mmフローティングディスクやステンレスメッシュブレーキホースを装備。ブレーキ周りもしっかりと強化済み。

Mデザイン製フロントフェイス&フェンダーを装着。さらにシモン製エアロでボリュームアップ。深みのあるラメ入りキャンディパープルが強烈なインパクトを演出する。

見た目だけじゃない! 中身も本気仕様

強烈なルックスに目を奪われるが、中身もかなり本格的。ベースとなるジャイロX用エンジンには、三輪(スリーター)乗りの間では定番メニューのマロッシ製ボアアップキットを投入。キャブレターはノーマル(ライブディオ中期純正)ながら、エアファンネル仕様とし、見た目にもレーシーな雰囲気を演出している。

駆動系には社外製トルクカムを組み合わせ、点火系にはNGK製プラグコードを投入して安定化。マフラーはリバイブ製チャンバーをベースにメッキ加工を施工。リヤショックはYSS製を採用することで、迫力ある見た目だけでは終わらない“きちんと走る三輪カスタム”へと仕上げられている。

ジャイロX用エンジン&駆動ユニットをベースに三輪化。エアファンネル仕様でレーシーな雰囲気も強調している。

リバイブ製チャンバーをベースにメッキ加工を施工。極太235サイズタイヤとの組み合わせによって、ショースクーター的な空気感を演出する。

“普通じゃ終わらせない”現代スクーターカスタム

近年のスクーターカスタムはシンプル路線が主流だけれど、このマシンは真逆。極太10Jホイールに三輪化、ワイド外装、ラメ入りキャンディカラーと、“やれることを全部盛り込む”方向で仕上げられているのが特徴だ。特にジャイロXユニットを使った三輪化は、2000年代以降のカスタムシーンで注目を集めたスタイルのひとつ。そこへライブディオZXらしいスポーティさや、90〜00年代的な派手さを融合することで、この車両ならではのキャラクターを生み出している。しかも、ただ目立つだけでは終わらないのがオーナーのSさんらしいところ。インナーカウルまでしっかりペイントし、足周りまで抜かりなく作り込むことで、全体に高い完成度を与えているのだ。

「普通のライブディオじゃ物足りない」。そんなオーナーの遊び心を全力で形にした一台なのだ。

インナーカウルまでしっかりペイントを施工。細かなところまで徹底的に作り込むことで、車体全体の統一感を高めている。

しっかり走れることもこのマシンのポイント。社外製フロントフォークにΦ200mmフローティングディスク、ステンレスメッシュホースを組み合わせ、抜かりなく仕上げられている。

※この記事は月刊モトチャンプ2023年6月号を基に加筆修正を行っています