カスタムベースは 「スーパータクト」こと三代目タクト

1980年に登場したホンダ・タクトは、角型ヘッドライトを採用した先進的なデザインと扱いやすさで、“街の足”として大ヒットした原付スクーター。その後も改良を重ね、1984年登場の三代目モデルでは、サイドカウルやテール形状に厚みを持たせた、男性を意識したスポーティなフォルムへ進化。スクーターフリークの間ではスーパータクトと呼ばれ愛されている。

今回はそんな“三代目タクト”をベースに製作された1台。ライトカウル、アンダーカウル、テールカウルには社外製パーツを採用し、もともとのスクエアなスタイルを活かしながら、ヤンチャで懐かしい旧車テイストへ仕上げられている。外装はインナーカウルまで徹底的にツルツル処理&ペイント済み。白×黒を基調にしたシンプルなスタイルながら、細部までしっかり作り込まれているのが印象的だ。

エンジンは、スーパーディオAF28型へスワップして、マロッシ製キットによって71.8cc化まで排気量アップ。社外製テールカウルによってヤンチャ感満点。ウインドジャマーズ製チャンバーが只モノではない雰囲気を醸し出す。

シンプルなスタイルながら徹底した作り込みによって強烈な存在感を放つ。

1984年に登場した三代目タクトは、初代から続く角型ヘッドライトを継承しながら、よりボリューム感のあるフォルムへ進化。今回のカスタム車両も、このスクエアなシルエットを活かして製作されている。

スーパーディオAF28エンジン換装で “走れる旧スク” へ!

外装はシンプルでも、中身はかなり本気なのが、オーナーのこだわり。三代目といえど年式でいえば1984年式になるのだから、すでに40年以上前のモデルだし純正パーツは廃盤だらけ。オリジナルにこだわる手法もあるが、オーナーは「しっかり走らせたい派」。そのため、エンジンはスーパーディオAF28型ユニットをスワップし、さらに71.8cc化まで排気量アップしているのだ。

そんなAF28型エンジンの吸排気系は、吸気系にKOSO製Φ26mmキャブレター+KN企画製エアファンネルで直キャブ仕様に。KN企画製アイドルアジャスターを組み合わせ、紫アルマイトのアクセントによって見た目にもレーシーだ。対する排気系には、ウインドジャマーズ製ユーロチャンバーを採用。AF28型ディオエンジンならば、補修用パーツもまだ入手しやすいし、こうしたチューニングの許容も広いのである。駆動系カバーはオーナーの手によって大胆な穴あけ加工&ポリッシュ仕上げを施工。内部クラッチまでカラー塗装され、普段は見えない部分まで魅せる作り込みも見どころとなっている。

ウインドジャマーズ製ユーロチャンバーを装着。管長を稼ぐためUターンする独特なレイアウトがレーシー。リヤタイヤはダンロップTT93GPの100/90-10サイズを履く。

駆動系カバーは穴あけ加工&ポリッシュ仕上げを施工。内部クラッチも塗装され、“魅せる駆動系”として丁寧に仕上げられている。リヤショックはリジッド。

足周りもドレスアップもシンプルだけどかなり濃い目!

足周りには社外製9本スポークアルミホイールを装着し、フロントショックにはKN企画製を採用。クリアウインカーレンズや懐かしい赤いアクセルワイヤーなど、小物まで抜かりなく仕上げられている。フロントフォークごと高年式モデルに換装する手もあるが、三代目タクトらしいフロント周りをあえて残しているのものニクイ。

ハンドル周りは、クリアグリップ内にマーシャルステッカーを仕込むという遊び心もポイント。KN企画製レバーと合わせて、“当時っぽいのに古臭くない”独特な空気感を演出している。さらに目を引くのが、エナメル調の段付きシート。白パイピング入りのデザインによって、1980年代スクーターカスタムらしい雰囲気を強烈に演出しながら、全体の白黒カラーとも絶妙にマッチしている。シート下にはドリンクホルダーも追加され、街乗りでの実用性もしっかり確保。懐かしさだけで終わらせず、“今乗ってカッコいい旧スク”として成立させているのが最大の魅力なのだ。こんな遊び方もいいでしょ?

社外製9本スポークアルミホイールを装着し、フロントショックはKN企画製へ変更。ブラック仕上げのフォークカバーや赤アルマイトの差し色によって、シンプルな白ボディの中にもスポーティな雰囲気をしっかり演出している。タイヤはダンロップTT93GPの90/90-10サイズを履く。

角型ヘッドライトを採用した1984年型タクトらしいフロント周り。クリアグリップ内部にはマーシャルステッカーを仕込み、KN企画製レバーや赤いアクセルワイヤーなど、小技の効いたカスタムが詰め込まれている。

エナメル調の段付きシートは白パイピング入り。低く構えた車体との相性も抜群で、80年代スクーターらしいヤンチャ感を演出する。

純正メーターはあえてノーマル感を残したスタイル。ブラック仕上げのハンドルカバーとの組み合わせによって、80年代スクーターらしい空気感を色濃く演出している。

※この記事は月刊モトチャンプ2023年6月号を基に加筆修正を行っています