まるで戦車のようなミリタリー世界観をペイントテクニックで再現。樹脂パーツ中心とは思えないリアルな鉄感とサビ表現で、1/1スケールのプラモデルのような存在感を放つ。

エージング塗装で“戦車感”を徹底追求

レッグシールドを標準装備する初代クロスカブは、今も万能ツアラーとして人気の高いモデル。この車両も長距離ツーリングを前提に製作されており、基本シルエットや実用性は極力崩さない方向でカスタムされている。

そんな中で圧倒的な存在感を放っているのが、外装のオールペイントだ。

購入して9年というクロスカブは、当初からこのカラーリングにカスタム。リメイクのたびに全塗装しないと違和感が出るため、これまで3〜4回は全部バラして塗り直されている。

ハルカブさんは、購入から9年前の時点ですでにODカラーへ全塗装。当時としてはかなり珍しい“ミリタリークロスカブ”だったという。その後もリメイクを繰り返し、現在はリベット風ディテールまで追加され、さらに完成度を高めている。

塗装のこだわりはとにかく細かい。サビ表現にはレッド、オレンジ、ブラックを使い分け、樹脂パーツにはスポンジを叩きつけるような塗装技法で金属感を演出。まるで戦車のプラモデルを仕上げるような感覚で、1/1スケールのミリタリーカスタムを作り込んでいる。

スチール製のフロントキャリアは、どこまでが本物のサビなのかわからない状態。実際には、ほとんどがエージング塗装というテクニックには脱帽する。ウインカーレンズは本当にヤレた曇り具合とのこと。

“本物のサビ”すら味になる世界観

面白いのは、この車両が“綺麗に維持する方向”ではないこと。

基本的に洗車はせず、乗りっぱなし。実際にサビている部分もあるそうだが、それすら世界観の一部として成立している。

ミラーの調整ネジのエージング処理は見事な……と思ったら、これはリアルにサビているポイントとか。リアルとフェイクの混在に違和感を感じないとは、巧みなペイントテクニックだ。

ただし、リメイク時だけは全バラ状態まで分解して再塗装。今回はリベット風ディテール追加のみだったが、「部分的に塗ると違和感が出る」とのことで、結局すべて塗り直したというから凄まじい。

また、どこまでエージング加工を施すかのバランスにもかなり気を使っているそうだ。やりすぎるとクドくなるため、マットブラックで抑える部分や、あえて塗り込まない部分も残しながら全体をコーディネートしている。

見た目だけでなく“旅仕様”としても本気

見た目は完全にミリタリーだが、中身はかなり実戦的。

長距離ツーリングを快適にこなすため、エンデュランス製ボアアップキットで125cc化。さらにYSS製リヤショックやBRD製マフラーなど、走行性能や快適性もしっかり強化されている。

樹脂製のボディカバーやレッグシールドは、塗面の上からスポンジを押し当ててエージング塗装。リベット風のパーツは100均のラインストーンで、貼ってから全体を再塗装した。

つまりこのクロスカブ、“見せるだけのカスタム”ではない。長距離を走り込みながらヤレ感を深め、さらに塗装で育てていく——そんな独特すぎる楽しみ方を体現した一台なのだ。

ディテールチェック!

長距離専門で乗る車両のため、YSS製リヤショックを装着して乗り心地を改善。マフラーはBRD製で、あえてガードをつけずにステンレスの素材感や溶接の焼け具合を見せる。
もともと黒い純正シートは、ブラウンに塗装してからエージング塗装を実施。長く乗って汚れたのか、エージング塗装なのか判別できない。ちなみに、全塗装する時以外に洗車することはないらしい。
純正の樹脂製フェンダーにもリベット風メイクを施し、エージング塗装でメタルっぽい質感を追求。三角マークも再塗装してヤレ感を演出する。こだわれば、際限なく塗り込んでしまうという。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.20」
■日時:2026年5月10日(日)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!
イベントのレポートはこちらから!

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【モトチャンプ】