第一に確認すべきはサングラスの透過率

運転用のサングラスには状況に応じて視感透過率に下限が設けられており、規定を下回るサングラスでの運転は交通違反になりかねない。日中に使うサングラスの可視光透過率は15〜30%が使いやすいとされている。

運転用サングラスを選ぶうえでもっとも重要な項目は、どれだけの光を通すかを示す透過率だ。なかでも、実際に装着したときに感じる明るさを示す視感透過率に着目したい。

視感透過率が低い濃いサングラスは、周囲の視認性を低下させるため路上での使用が禁止されており、晴天の日中は視感透過率8%以下、薄暮や夜間の場合は視感透過率75%未満のレンズは運転に使用できない。

外からほとんど目元が見えない濃さが、おおよそ視感透過率10%のサングラスだ。規定を下回るサングラスを装着しての運転は安全運転義務違反に該当するため、場合によっては警察に検挙される恐れがある。

運転中は日陰やトンネルなど大きな明暗差が生まれるシーンも多く、濃すぎるサングラスは視界悪化により事故のリスクが高まってしまう。また、濃すぎるサングラスを装着すると目に入る光量が減ることで脳への覚醒刺激も弱まり、長時間の運転では眠気を誘いやすい。

一方で、強い日差しや西日に対して透過率が低いサングラスでは眩しさを十分に抑えられないため、運転用サングラスは使うシーンに応じた適切な透過率の製品を選ぶ必要がある。

ただし、装着時の明るさや見えやすさはレンズカラーによっても大きく変わってくる。日中に使用するサングラスの視感透過率は15〜30%が使いやすいとされており、この数値を目安にしつつ、どのようなシーンで使うかを想定して透過率やレンズカラーを調整するとよいだろう。

視界確保と運転のしやすさにも関わるレンズカラー

周囲や路面の凹凸をより正確に見極める必要があるラリー競技ではブラウン系やイエロー系のレンズカラーが好まれる。グラベルやスノーラリーではイエロー系、ターマックラリーではブラウンといったように走行ステージや天候によって使い分けられるほか、ドライバーの好みによるところも大きい。

選ぶレンズカラーによって目に入る光の波長が変わる。それにより周囲の見え方も大きく変わってくるため、走行環境に合わない色を選んでしまうと快適性や安全性が損なわれる結果になりかねない。

グレーやグリーン系のレンズは特定の色を強調せず、自然な見え方を保ちながら光量を抑えられる点が特徴であり、幅広い条件に合致するもっとも汎用的なレンズカラーと言えるだろう。

一方でブラウンやアンバー系は、眩しく感じやすい青色の光を抑えることで視界のコントラストを高める効果があり、曇天や薄暮時など光量が不安定な場面でも路面の凹凸や対向車の存在を際立たせてくれる。雪の照り返しに対しても強く、路面状況を正確に捉えたい雪道走行にもブラウンやアンバーは適した色だ。

薄いイエローは視界のコントラストを高めつつ青色光を効果的にカットしてくれるとともに、周囲を明るく見せてくれる色となる。加えてイエローは、青色光を多く含むLEDヘッドライトの眩しさも緩和してくれるため夜間走行に最適な色と言えるだろう。そのほか吹雪による視界不良に対してもイエローは有効だ。

以上の色のほかにも、アンバーとイエローの中間色となるオレンジや、ブラウンとアンバーの間の色となるコパー(カッパー)など、細かな色選びによっても最適な環境は微妙に変わってくる。

ブルーやレッド、パープルなども特定条件下では視界をクリアにしてくれる色だが、これらの色は信号や標識の色と干渉しやすいため注意が必要だ。

運転用のサングラスを選ぶ際は、レンズの色や濃さ、歪みなどを含めて厳格な安全基準をクリアしたJIS規格(日本産業規格)の製品を選んでおけば安心と言えるだろう。そのなかでも運転時の装着に特化した“ドライビンググラス”として販売されている製品を選んでおけば間違いない。

一方で、安価なファッショングラスはJIS規格を満たしていないサングラスが多いため、運転用として使うには信頼性不足と言わざるを得ない。

偏光レンズや調光レンズのドライビンググラスにも注目

偏光レンズや調光レンズは見え方や透過率変化の過渡特性、車載機器との相性チェックなどが欠かせない。高価なサングラスほどネット通販ではなく、店舗でマッチングを確認して購入したい。

レンズの機能性にも注目したい。運転用サングラスとして特に注目を集めるのが偏光レンズと調光レンズだ。

偏光レンズは特定方向の光だけを透過するレンズであり、ボディの照り返しやフロントガラスへの映り込みを軽減してくれるため、同じ透過率や色のレンズだとしても外界がよりクリアに見える特徴がある。

加齢とともに眩しさを感じやすくなったというドライバーも多いはずだ。この症状は眼球の水晶体が濁ることで光を乱反射しやすくなることに起因する。偏光レンズはこうした目に入る乱反射や雑光を抑えてコントラストを際立たせてくれるためシニアドライバーにもおすすめだ。

ただし偏光フィルターを通す構造上、デジタルメーターやヘッドアップディスプレイ、デジタルインナーミラーなどとの相性によっては画面が黒く潰れたり、歪みや滲みが生じたように見えることもある。そのため偏光レンズのサングラスを使う場合は、使用する液晶画面などとの相性チェックが必須だ。

一方の調光レンズは、周囲の明るさに応じてレンズの濃度が自動で変化するレンズであり、1本で幅広いシーンに対応できるメリットがある。一般的な紫外線感応型の調光レンズは、UVカットガラスを装備するクルマではほとんど濃度が変化しないため、運転に使うなら可視光線に感応する可視光調光レンズを選ぶようにしよう。

ただし、調光レンズは濃度の変化に一定の時間を要するため、日陰やトンネルのように明暗が急激に変化する場面には対応できないデメリットがあることは頭にとどめておきたい。

現在は、より短時間で色が切り替わる瞬間調光レンズや、調光機能と偏光機能の両方を備えたレンズも登場しているが高機能なぶん価格は高めだ。

こうした高機能なサングラスを選ぶ際にも、安価なファッショングラスではなく信頼性が確保されたドライビンググラスを選ぶことが重要となる。

偏光レンズや調光レンズのサングラスは、周囲の見え方や色や透過率の変化特性など、実際に使ってみなければわからないことも多い。可能であれば店舗に足を運び、見え方や車載機器との相性をしっかりと確認したうえで購入するのが望ましい。