モン太
なんか、今までも出てきた言葉だけどなんとなく聞き流していたモン。一体なんなの?

損 保太郎
某損保サービスセンターに勤務。今回は知っているようで知らない、保険用語についてレクチャーします。

「契約者」と「被保険者」は同じ人とは限らない!

モン太 ぶっちゃけ保太郎さんが、その時の気分によって言い分けてただけだと思っていたモン。なにがどう違うモンか?

損 保太郎(以下、保太郎) ……気分で使い分けていたわけではないよ。簡単に言うと、契約者は保険を申し込んで保険料を支払う人。被保険者は、その保険で補償を受ける人のことなんだ。

モン太 それって一緒じゃないモンか?

保太郎 たしかに契約者と被保険者が同じ人というケースは多い。だけど、別になる場合もあるんだよ。モン太君のバイク保険の契約者は誰?

モン太 ボクのバイク保険の契約者はボクだモン。でも、そういえばママのクルマの自動車保険はパパの名義になっていたモン。あ、これモンか!

保太郎 そう。その場合、契約者はパパ。でもそのクルマを主に使っているのがママなら、記名被保険者はママになっているケースが多いんだ。

モン太 記名? また新しい言葉が出てきたモン! なんやねんソレ!

保太郎 記名被保険者というのは、被保険者の中でも契約しているクルマを主に使う人のこと。保険の補償範囲や保険料などを考えるうえで、基準になる大事な人なんだ。

つまり整理すると、

契約者=保険を契約して保険料を支払う人
記名被保険者=そのクルマを主に使う人
被保険者=その補償の対象になる人

というイメージだ。

家族ならみんな補償される? 被保険者の範囲をチェック

モン太 被保険者というけれど、どこまでが含まれるモン?

保太郎 そこが次のポイント。ここでは一般的な対物賠償責任保険を例に見てみよう。被保険者の範囲は、記名被保険者を中心に決まっているんだ。

【図】被保険者の範囲(対物賠償責任保険の例)

主な対象は、【記名被保険者/配偶者/同居している親族/別居している未婚の子/記名被保険者の承諾を得てクルマを使用管理している人】などだ。このほかにも、責任無能力者の監督義務者や記名被保険者の使用者などが対象になるケースがある。

モン太 漢字ばかりでよく分からないモン。

保太郎 そう言うと思って、モン太君のママの保険に置き換えてみようか。

ママが記名被保険者なら、

記名被保険者:モン太ママ
配偶者:モン太パパ
同居親族:モン太
別居の未婚の子:ひとり暮らし中のモン太の妹
承諾を得て運転する人:ママがOKした友人・知人など というイメージになる。

モン太 パパ、ママ、同居してるボク、ひとり暮らしの妹……って、え? 友人・知人まで!? ママがOKしてたら誰でも良いモンか?

保太郎 運転者を限定する条件などが付いていなければ、記名被保険者の承諾を得て運転する人が補償対象になるケースはあるよ。ただし、ここは契約内容や補償の種類によって変わるから、「誰でも絶対OK」という意味ではないんだ。

「本人・配偶者限定」や年齢条件が付くと補償範囲は変わる

モン太 じゃあ、こんなややこしい書き方しなくて良いモン!

保太郎 ところが、そうとも言えないんだ。たとえば運転者を「本人・配偶者」に限定する条件が付いていれば、基本的に補償対象は記名被保険者本人とその配偶者に絞られる。さらに、運転者年齢条件が設定されている場合もある。

モン太 ママのクルマに「26歳以上補償」みたいな条件が付いていたらどうなるモン?

保太郎 たとえば同居している21歳のモン太君なら、年齢条件の対象になって補償されないケースがあるよ。

モン太 なら、ひとり暮らししている18歳の妹は?

保太郎 一般的な個人向け自動車保険では、別居の未婚の子には運転者年齢条件が適用されない場合がある。だから、18歳の妹が補償対象になるケースもあるんだ。

モン太 同じ家族なのに、同居か別居かでも扱いが変わるモンか。

保太郎 そういうこと。だから「家族のクルマだから大丈夫」と思い込まずに、誰が記名被保険者なのか、運転者限定や年齢条件がどうなっているのかを確認するのが大切なんだ。

「被保険者」の意味は保険の種類によって変わる

モン太 だいたい分かってきたモン。これで全部モンか?

保太郎 最後にもうひとつだけ。主に説明しているのは対物賠償責任保険の被保険者についてだけど、「被保険者」の範囲は補償の種類によって変わるんだ。たとえば、車両保険では一般的に契約車両そのものが補償の対象となり、人身傷害保険ではケガをした人など、補償内容によって考え方が変わる。

モン太 ひぇ~、まだあるモンか? 今日はもうお腹いっぱいモン。

保太郎 そうだね。じゃあ、その話はまた別の機会に。

「契約者」「記名被保険者」「被保険者」。似た言葉ではあるけれど、それぞれ役割は別モノ。とくに家族のクルマや、普段とは違う人が運転する機会があるなら、誰まで補償される契約になっているのか、一度確認しておくと安心だ。

※ここでは一般的な自動車保険について解説しています。各社の約款や個別の事情により内容が異なる場合があります。実際の被保険者の範囲、運転者限定、運転者年齢条件などは、保険会社や契約内容によって異なります。詳しくは保険会社または代理店へご確認ください。

※この記事は月刊モトチャンプ2025年2月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】