第4世代EVプラットフォームは、車体構造/駆動ユニット/電気電子(E/E)アーキテクチャを単一のシステムとして協調設計している。その中でも特に、LMR角形バッテリー、部品点数を4割削減した電動駆動ユニット、空力設計の統合により、1kWhあたりの航続距離(電費)を約20%向上させたという。

バッテリーには、テネシー州スプリングヒルのUltium Cells合弁工場で生産されるLMR(リチウム・マンガン・リッチ)化学組成の角形(Prismatic)セルを採用する。LMRセルとはマンガン組成の比率を大幅に高めた方式で、非常に高価なコバルトを使わずに正極材を組成することができる。一般的にLMRとは、低コストな「LFP(リン酸鉄リチウム)電池」と、高エネルギー密度な「高ニッケル系三元(NMC)電池」の中間に位置する性能・コストバランスとして位置付けられていて、GMによれば、現在普及している低コストなLFPセルと比較して、同等のコストでありながらエネルギー密度を33%向上させることが可能で、LFPに対してより小さく、より軽いバッテリーパックでより長い航続距離を確保できる。

ミシガン州ウォーレンにあるGMのバッテリーセル・イノベーションセンターにおける、バッテリーのプロトタイプ開発プロセス内部。

一方で、LMRは正極の金属(ニッケル、マンガン)だけでなく、材料内部の「酸素」も酸化還元反応(エネルギー貯蔵)に活用することで高容量化を達成していることから、充電時に酸化された酸素が放電時に元に戻りきらないと、セルの内部構造が崩壊して容量低下(劣化)や深刻なガス発生を引き起こす。LGエネルギーソリューションとソウル大学の共同研究チームが2026年9月に発表した研究では、充電上限電圧と放電下限電圧の双方を最適化する電圧制御、および低温フォーメーションプロセスの適用により、40Ah級の大型セルで883サイクル後も92.2%のエネルギーを維持することに成功している。運用や製造プロセスには高度な設計・制御技術が不可欠といえる。

車両構造に搭載されるGMの中央演算装置(CCU)

E/Eアーキテクチャには、車体構造に直接マウントされるセントラル・コンピュート・ユニット(CCU)を中心とした集中型アーキテクチャを採用。制御モジュール数を削減し、ワイヤーハーネス(配線)を現行比で30%削減した。また、AI対応機能のための処理能力を現行比で40倍に向上している。これにより、Super Cruiseなど既存機能の継続的な改良も容易になるという。

開発プロセスにおいては、設計、エンジニアリング、製造を並行して進める新オペレーティングシステムを導入し、従来の5年間の車両開発期間を半減させる見込みだ。