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長距離ツーリングに向いてるか? スーパースポーツだって街乗りしたい! タンデム時の楽さ、狭さを知りたい。押し歩きは苦手? 燃費はどれくらい? そんな疑問をズバッと解決すべく、たっぷり1000km試乗して、バイクのキャラクターを分析していくのが、モーターファンBIKESの人気企画でもある、「1000km試乗記」です。
たとえば、1000ccクラスのスーパースポーツモデルは、サーキットでこそ本来の性能を発揮するが、サーキットまでの距離を自走することだってあるだろうし、ツーリングや街乗りに使うことも多いかもしれない。
あくまでも日常での使い勝手に着目し、1台のバイクでたっぷりと走り込み、丁寧に解説しています。
01 カワサキKLX230/2020.05 公開
オフロードライディングの入門機としても人気のモデル。エンジンは空冷4スト単気筒。最高出力は19PSと控えめの数値ながら、136kgという比較的軽量な車体と相まって、扱いやすい。
「爆発的に売れている気配はないけれど、カワサキが2019年10月から国内販売を開始した、KLX230/Rに対する業界内の評価はすこぶる良好である。もっとも、雑誌やWEBで展開されるKLX230/Rの記事を読んだ人の中には、多くのテスターが記した“セローではない”という言葉に、引っかかりを感じた人がいるのではないだろうか。やっぱりセローではないと言われると、街乗りやツーリングには向いていない気がするからなあ……。そのあたりの実情を確認したくなった筆者は、カワサキから広報車を10日間借用し、自分のフィールドでKLX230をじっくり乗り込んでみることにした」
02 ホンダCBR1000RR-R SP/2020.07 公開
先代+26PSとなる最高出力218PSの水冷4スト並列4気筒DOHC 4バルブエンジン(排気量999cc)を搭載。試乗したSPは、電子制御サスペンション(第2世代OHLINS Smart ECシステム)やクイックシフターなどを装備する。
「一般公道での乗り味を語ることに、果たして、意味はあるんだろうか? 車名のRが1つ増えた新世代のファイアブレード、CBR1000RR-Rを体験した僕は、思わず、そんなことを考えてしまった。ただし、どんなにサーキットに特化したキャラクターでも、このバイクには保安部品が付いているのだ。となれば、市街地走行やツーリングでの印象を語ることに、意味がなくはない……だろう。そんなわけで、一般公道における新世代RR-Rの素性を探るべく、約1000kmの距離を乗り込んでみることにした。」
03 ヤマハYZF-R1M/2020.08 公開
車両概要:クロスプレーンクランクを採用した水冷4スト4気筒997ccエンジンを搭載するヤマハのフラッグシップスーパースポーツモデル。上位グレードとなるR1Mは、 足回りにオーリンズ製電子制御サスペンション・ERS(エレクトリックレーシングサスペンション)を搭載する。
「全面新設計のCBR1000RR-Rを牽制するかのように、マイナーチェンジを行ったものの、最高出力は先代と同じ200ps。とはいえ、独創的なクロスプレーンクランクを採用するYZF-R1/Mは、ライバルに勝るとも劣らない速さと、ライバルとは一線を画する柔軟性を備えていた」
04ヤマハ・テネレ700/2020.10 公開
車両概要:専用設計の軽量フレームに、Φ43mmインナーチューブの倒立式フロントサスペンション(ストローク210mm)、新設計リンク式モノクロスサスペンションを採用した本格アドベンチャーモデル。エンジンは水冷DOHC直列2気筒4バルブ270度クランク。排気量は688cc。
「抜群の悪路走破性を備えているものの、乗り手の体格と技量をある程度問うバイク。7月から国内販売が始まったテネレ700は、そういうキャラクターである。ただし低車高仕様のローは、敷居を大幅に下げているようだ」
05 カワサキNinja ZX-25R/2020.12 公開
車両概要:249cc並列4気筒エンジンを搭載する、現行のラインナップでは唯一のモデル。最高出力は45PS(ラムエア加圧時46PS)、18,000rpm以上回る甲高い排気音が特徴。
「2019年秋の東京モーターショーで発表されて以来、多くのライダーが発売を待ち望んでいたニンジャZX-25R。とはいえ僕自身は、久々の250cc並列4気筒車の登場に、そこはかとない不安を感じていたのだった……」
06 ホンダCBR250RR/2021.01 公開
車両概要:250ccスーパースポーツカテゴリーにおいて、カワサキNINJA ZX-25Rと双璧をなすモデル。搭載エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒、2020年9月のマイナーチェンジで、最高出力は最高出力は38ps(12,500rpm)から41ps(13,000rpm)へと引き上げられた。
「正直言って、あまり大きな期待はしていなかった。とはいえ、パワーユニットを中心とする緻密な仕様変更を受け、二代目に進化したCBR250RRは、同時期に登場したカワサキZX-25Rに勝るとも劣らない魅力を備えていたのだ」
07 スズキVストローム250/2021.07 公開
車両概要:エンジン、車体など多くの主要パーツをGSX250Rと共有。アドベンチャースタイルながら、実質的にはオンロードバイクとしての特性が強い。エンジンは水冷4スト2気筒SOHC・2バルブ、排気量は248cc。
「スペックや装備に特筆すべき要素はないものの、2017年のデビュー以来、コンスタントに好セールスを記録しているVストローム250。ライバル勢との比較を念頭に置きつつ、その理由をじっくり考えてみたい」
08 ホンダ・レブル500/2021.10 公開
車両概要:国内では250、500、1100の3モデルが展開されているレブルシリーズの中間排気量(471cc)モデル。エンジンは水冷4ストDOHC4バルブ直列2気筒。足つきに優れる低めのシート高とミドルポジションのステップ位置がクルーザーらしいカジュアルな乗車姿勢としている。
「大人気の兄貴分や弟分とは異なり、日本市場ではいまひとつ人気が獲得できないレブル500。とはいえ、昔から中間排気量好きの僕は、自分にとってのベストレブルは500かもしれない……と、感じているのだった」
09 カワサキNinja ZX-10RR/2021.11 公開
車両概要:スーパーバイク世界選手権で6年連続タイトルを獲得したNinja ZX-10Rのレースにおける優れた性能をフィードバックした量産モデル。搭載エンジンは水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ/998cc。最高出力は204PS(ラムエア加圧時214.1PS)。
「2015~2020年のSBKで6連覇を達成しているものの、サーキットのみに特化しているわけではなく、ツーリングユースやビギナーにとっての扱いやすさも考慮。それが、ZX-10R/RRシリーズのスタンスである。もちろんその姿勢は、2021年型でも変わっていないようだ」
10 ホンダGB350/2022.02 公開
車両概要:「GB」の名を冠し誕生したGB350。ヘッドライトから燃料タンク、シートにかけての水平基調のシンプルデザインが、往年の名車GB250の雰囲気を醸し出す。独特の鼓動感が味わえる348ccの空冷直立単気筒エンジンも魅力の一つ。
「2021年4月の発売以来、絶大な人気を獲得しているものの、旧車好き、あるいはシングル好きの視点で見ると、何となく物足りなさを感じるGB350。もっとも実際にこのバイクをツーリングに使ってみれば、どんな趣向のライダーだって、唯一無二の資質に魅了されるはずだ」