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1959 Porsche 718 F2 Type547
1.5リッターF2規定のスタートと同時に進出
1953年に登場したポルシェ初の純レーシングスポーツ、550 スパイダーは、1956年に新設計の鋼管スペースフレーム・シャシーと改良を加えたリヤ・スウィングアクスルをもつ550A スパイダーに発展。さらに1957年には軽量化されたスペースフレームと安定性に欠けると不評だったリヤサスペンションをウィッシュボーンに変更した718 RSKが登場する。
その後もレギュレーションの変更に合わせ、エンジン背後にトランクスペースを設けるためにシャシーを延長。ウインドスクリーンを大型化するなどの改良を施した1960年型の718 RS60、1961年型の718 RS61へと進化を遂げ、ポルシェのスポーツカーレース活動の屋台骨を支えていく。
ポルシェ名義では初のモノポスト・フォーミュラ
一方、1957年から1.5リッターF2規定がスタートすると、ポルシェはフォーミュラレースにも進出するようになる。というのも当時のレギュレーションではオープンホイールでなくてもセンターコクピットのシングルシーターであれば参加が可能だったからだ。
そこで彼らは718 RSKをセンターコクピットに改造。クーパー勢が席巻する1958年のF2選手権では、190psにチューンされた1498ccの空冷フラット4 DOHCを搭載したジャン・ベーラの乗る718 RSK F2がランスとアヴスで優勝する快挙を成し遂げた。
1959年からF2がオープンホイールに限定されると、718をベースとしたType547という形式名のモノポスト・フォーミュラ(ポルシェ名義では初)を製作。F1との混走となったモナコGPではヴォルフガング・フォン・トリップスや女性レーサーのマリア・テレーザ・ディ・フィリップスがドライブしたほか、1960年にはワークスからジョー・ボニエ、ハンス・ヘルマン、グラハム・ヒル、ダン・ガーニー、ジョン・サーティース、イギリスのロブ・ウォーカー・レーシングからスターリング・モスといった面々が出走。ニュルブルクリンクでボニエ、インスブルックでヘルマンが優勝する活躍をみせた。
F2では数々の栄冠を獲得したが・・・
その後1961年からF1が1.5リッター規定に変わり1.5リッター時代のF2が廃止されると、ポルシェは718 F2にクーゲルフィッシャーの機械式インジェクションを備えた787 F1を製作し参戦。しかしながらトラブルが頻発したため、718 F2をF1マシンとして投入されるようになるが、全輪ドラムブレーキと大きく重いシャシーは時代遅れで、1963年のドイツGPでの4位以外、思ったような成績を残せずに終わった。
【SPECIFICATIONS】
ポルシェ 718 F2 Typ547
年式:1959年
エンジン形式:空冷水平対向4気筒DOHC
排気量:1498cc
最高出力:190hp
最高速度:250km/h
TEXT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
COOPERATION/ポルシェ ジャパン(Porsche Japan KK)
投稿 【ポルシェ図鑑】「ポルシェ718 F2 Type 547(1959)」フォーミュラカーに生まれ変わった718。 は GENROQ Web(ゲンロク ウェブ) に最初に表示されました。