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ロータス エミーラ GT4
エミーラに早くもレーシング仕様「エミーラ GT4」が誕生!

ロータスの最後の内燃機関搭載モデルとして今年7月6日にデビューしたロータス・エミーラ。そのレーシングモデルであるエミーラ GT4が発表された。
ロータスは現在、エミーラのロードモデルの生産を軌道に乗せるため大忙しの日々を送っている。だがこれと並行してレーシングモデルも計画していたのである。といってもエミーラ GT4の製作は外部のスペシャリストに委託されている。イギリスのレーシング専業メーカーとして知られるRML(レイ・マロック・リミテッド)グループである。
近年、日本でもスーパー耐久に参戦するクルマに見られるようになったGT4。このカテゴリーはおもにジェントルマンドライバーのために誕生したものだった。かつてはアマチュア用という位置づけだったGT3が盛り上がり、プロドライバーが参入、コスト上昇という流れを受け、GT4はより改造範囲の少ないクラスとして2006年に始まっている。
搭載エンジンはトヨタ製V6スーパーチャージャー

ロータスは2011年にエヴォーラ GT4をデビューさせており、ブリティッシュGT4チャンピオンシップやドバイ24時間、セパン12時間、ピレリワールドチャレンジといったGT4界のビッグレースで活躍してきた。
エヴォーラ GT4の後継ともいえるエミーラ GT4。ロードモデルのエミーラにはトヨタV6とAMG直4という2種類のエンジンが搭載されることになっているが、今回のGT4にはエヴォーラ GT4で実績のあるトヨタの3.5リッター V6(2GR-FE)が選ばれた。もちろんロードカーと同じくハーロップ製のスーパーチャージャーが組み合わされており、最高出力は400bhpと発表されている。ギヤボックスはXトラックの6速シーケンシャル+パドルシフトのシステムが組み込まれる。
随所にGT4専用アイテムとデザインが施される

今回発表されたエミーラ GT4のボディワークで目立つのはフロントのカーボン製エアスプリッターやリヤの大型ウイングである。またフロントのボンネットも穴が追加されたGT4専用のパーツのようだ。ボディパネル自体が軽量化されているとのことなので、FRPの積層を薄くしているか、カーボンで作り替えている可能性がある。
ロールケージやレーシング用の96リットルの燃料タンク等を含んだエミーラ GT4の車重は1260kg。これはロードモデルのエミーラの目標車重である1405kgよりも軽量化された数値となっている。
元F1パイロット、ジェンソン・バトンが開発に参画

今回のリリースでエミーラ GT4のテクニカル・パートナーとして紹介されているのが、F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンだ。すでにロータスとバトンはエクストリームE(EVによるラリーレイド)でパートナーシップを結んでおり、その関係がエミーラ GT4にまで拡大しているらしい。
エミーラ GT4は、ロータスのファクトリーの敷地内にあるヘセルのテストトラックにおいて現在精力的に開発が行われている。2022年シーズンには少数のエミーラ GT4が製作されレース参戦を開始。続く2023年には世界中のカスタマーに供給されることになるという。
もともと少量生産のレーシングカーを起源とするロータスにとってレースカーの存在は欠かせない。その最新モデルであるエミーラ GT4のステアリングをジェンソン・バトンが握るかもしれないし、また日本のチームが購入してスーパー耐久で走らせるということも物理的には可能なのである。レーシング・ロータスの新展開に期待したい。
【SPECIFICATIONS】
ロータス エミーラ GT4
ボディサイズ:全長4410 全幅1664 全高1290mm
乾燥重量:1260kg
エンジン:3.5リッターV型6気筒DOHC+スーパーチャージャー
最高出力:400bhp/7200rpm
トランスミッション:6速Xトラック
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ:前265/645 18 後305/680 18