ジムニーは、1970 年に軽自動車唯一の四輪駆動車として発売されて以来、悪路走破性とコンパクトな車体による取り回しの良さにより、様々な作業現場や山間部、積雪地の重要な交通手段としてと、日々の生活からレジャー用途まで、全世界194 の国と地域で幅広く活躍してきたスズキの、いや日本を代表すると言ってもいいコンパクト4WD車です。
現在最新のジムニーは2018年に発売されたJB64型で、これは初代から数えて4代目にあたります。現在、「No.14 スズキ ジムニー」として発売されている「トミカ」は、この最新の4代目をモデルとしているようです。
この4代目ジムニーはジムニーの伝統であるハシゴ型に組んだ頑丈なラダーフレーム構造、エンジンを縦置きに配したFRレイアウト(車両前方にエンジンを置き、後輪を駆動させる方式)、悪路走破性に優れる機械式副変速機付きパートタイム4WDシステム、一般的な乗用車の独立懸架式サスペンションに比べ、凹凸路で優れた接地性と大きな対地クリアランスが確保された3リンクリジッドアクスル式サスペンション、機能に徹した飾らない潔さを追求したデザインなどが継承されています。
もちろんこれらの優れた特徴は継承されただけでなく、ラダーフレームにはX(エックス)メンバーと前後にクロスメンバーが加えられて、ねじり剛性が先代モデルより約1.5 倍向上、車体とラダーフレームをつなぐボディマウントゴムが新設計されて乗り心地が改善され、優れた操縦安定性が実現されています。
また、機械式副変速機付きパートタイム4WDシステムは路面状況に合わせて2WDと4WDとを任意に切替えて走行できることはもちろん、4WDでは4H(高速)と4L(低速)のモードに切替えが可能で、4Lは、通常の約2 倍の駆動力を発揮し、急な登坂路や悪路の走破性を高めますが、4代目ではブレーキLSDトラクションコントロールを全車標準装備としたことで、4Lモード走行時、エンジントルクを落とすことなく、空転した車輪にだけブレーキをかけることでもう一方の車輪の駆動力を確保し、高い脱出性能を実現しています。
さらにエンジンは専用チューニングが施されたR06A型ターボエンジンが採用され、動力性能を進化させるとともに、被水や雪、飛び石などへの対策が施されて信頼性が向上しています。
さらに衝撃を効率よく吸収・分散する軽量衝撃吸収ボディ『TECT』、歩行者の頭部・脚部へのダメージを軽減する歩行者傷害軽減ボディをはじめとする、万が一の衝突被害を軽減する衝突安全技術が採用されていることに加え、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を搭載するなど安全装備が充実。経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「セーフティ・サポートカー」の「サポカーSワイド」に該当しています。
ジムニーには1977 年に発売された、エンジン排気量0.8ℓのジムニー8を原点とする、軽自動車のジムニーをベースに小型車用エンジンを搭載した小型車版のジムニーシエラという兄弟車があります。ジムニー同様に本格的な走行性能を備えて、日々の生活の道具からレジャーにいたるまで幅広く活躍し、世界中で愛されています。
■スズキ ジムニー(JB64W型・XC・5MT) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1725
ホイールベース(mm):2250
トレッド(前/後・mm) :1265/1275
車両重量(kg):1030
エンジン形式:型 R06A型 直列3気筒インタークーラーターボ
排気量(cc):658
最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク:96Nm(9.8 kgm)/3500rpm
トランスミッション:5速MT
サスペンション(前/後):3リンクリジッド
ブレーキ(前/後) :ディスク/ドラム
タイヤ:(前後):175/80R16