尿素水補充に伴うランニングコストとメンテナンスの手間を大幅に低減 キャタラーのNOx浄化触媒「HC-SCRシステム」は尿素水なしで平成28年排出ガス規制をクリア![人とくるまのテクノロジー展2018横浜]
- 2018/05/23
-
遠藤正賢
自動車技術会主催の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」が5月23~25日の3日間、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催されている。開幕前の23日早朝、プレスブリーフィングツアーで展示内容をいち早く披露した5社のうち、自動車排ガス浄化触媒国内最大手のキャタラーを紹介する。
大半の商用車向けおよび大排気量の乗用車用ディーゼルエンジンには、NOx低減装置として尿素SCRが用いられているが、このシステムでは尿素水を噴射するため、定期的にその尿素水を補順する必要があるうえ、尿素水タンクを燃料タンクとは別に搭載しなければならない。
2017年4月にフルモデルチェンジされた日野の小型トラック「デュトロ」に採用されているキャタラーの「HR-SCRシステム」は、HC-SCR触媒の前に軽油のインジェクターを追加するとともに触媒と軽油との反応効率を向上。尿素水とそのタンクを不要にしつつ尿素SCRと同等の浄化性能を維持し、最新の平成28年排出ガス規制に適合することを可能にしている。
この「HC-SCRシステム」があれば、保有台数の急増で尿素水の供給網整備が追いついていない新興国にも排ガスがクリーンなディーゼル車を投入できるうえ、ユーザーにとっても定期的に尿素水を補充する必要がなくなるためメンテナンスの手間とランニングコストを大幅に低減できる。特に運送業者にとっては、架装の自由度が上がり実質的な積載量も拡大できるというメリットも見逃せない。
そして今後、尿素水の使用量が多い中・大型トラック・バスにも採用が拡大されれば、ランニングコスト削減とリアルワールドでの大気汚染防止効果は非常に大きい。乗用車にも採用されれば、これまでディーゼル車を敬遠していた一般ユーザーを振り向かせることができるかもしれない。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
「自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ

バルチラジャパン株式会社 フィールドサービスエンジニア(Field Service Engineer)
年収 | 350万円〜640万円 |
---|---|
勤務地 | 東京都千代田区大手町2-6-1朝日生命大手... |
世界的な船舶用ディーゼルエンジンメーカーの日本法人 開発エキスパート<ゴム>
年収 | 570万円〜850万円 |
---|---|
勤務地 | 富山県富山市 |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費が劇...
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復...

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に洗練...
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこそ光...
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4とリフ...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?
