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【最高に運転が楽しいクルマ|ケータハム・セブン160】スズキ製660ccエンジン搭載。峠道では「ランナーズハイ」状態に!(伊藤梓)

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老舗自動車雑誌の編集者を経てモータージャーナリストに転身した伊藤梓さんが選んだ「運転が楽しいクルマ」の第1位は、ケータハム・セブン1600。屋根なし、パワステなしというスパルタンなモデルだが、乗りこなした時には脳内にアドレナリンが充満するほどの楽しさだ。

TEXT●伊藤梓(ITO Azusa)

「史上最高に運転が楽しいクルマ」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、愛車のマツダ・ロードスターですが、以前にも紹介しているので、今回はあえてそれを外して運転が楽しいクルマを選びました。

私自身、自動車業界に来てから約7年ほどで、ジャーナリストの先輩方と比べると、試乗台数は少ないのですが、その中から記憶を総動員して、楽しかったクルマをベスト3を決めました。「自分と同世代や若い世代の人たちが憧れを持てるクルマになっているか?」もポイントに置いて選定しています。

第3位:ポルシェ911(992型)「自分が成長して、そのすごさがわかるようになった!」

若造が語れるようなクルマではないことを重々承知の上で、「楽しいクルマだったら外せない!」と思い、ポルシェ911を選びました。

自動車業界に入りたての頃、初めて911に乗った時には、「スピードは速いけど、めちゃくちゃ乗り心地硬いし、みんなが絶賛するほど良いクルマだとは思わないな...」というのが正直な感想でした。それが、日々クルマの勉強をしたり、サーキットでもある程度走れるようになり、自分が成長して初めて、「なんて良いクルマなんだろう」と理解できるようになったモデルです。

特に最新の992型はすごい! ボディこそ大きくなっていますが、その研ぎ澄まされたドライビングプレジャーは健在。がっちりとした剛性感から生まれる、一切無駄のないクルマの動きは、まさに911随一。リアエンジン、リアドライブから生まれるトラクションと、コーナーにスッと鼻先が入っていく感覚も、極限まで洗練されていると感じました。

992型は乗り心地も優れているので、毎日普段使いするのも億劫にならなそうですし、より気軽に乗れるクルマになっているところも◯。今は自分の家財を売り払っても買えないモデルなので(笑)、もっと大人になっていつか乗れるようになりたいなぁと思っています。

8代目にして最新のポルシェ911が992型だ。代を重ねるごとにパフォーマンスを高める一方で、(一応)後席も備えており日常使いもこなせる万能性もキープ。販売面ではカイエンやマカンといったSUVが主力となっている現在のポルシェだが、911はブランドの精神的支柱として今でも強い存在感を発揮し続けている。

第2位:ホンダNSX(2代目)「スピードが出ていなくても、交差点を曲がるだけで楽しい」

写真で見た時には、「デザインいかつすぎない?!」と思っていたのですが、実際に目の当たりにしてみると、鋭いナイフのように触れたら切れそうなデザインにハッとさせられました。一目見て、誰もが「スーパーカーだ」と視認できるデザインというのは、子供たちの憧れにもなると思いますし、なにより乗り手がワクワクします!

体全体が包み込まれるようなコックピットに座って、スタートボタンを押すと、ハイブリッドにも関わらず獣のような咆哮でエンジンが目覚めます。そこから生まれるパワーは、「無限なのでは」と思わせるほど強力。そして、ミッドシップの回頭性の良さが抜群に発揮されています。街中で乗るのが何より気持ちいい。交差点やちょっとしたカーブでもスパリと曲がるので、「スピードが出ていなくても楽しい」と感じるのは、「ロードスターか、NSXか」というほど。

これだけスーパーカー然としているのに、乗り心地がよく、視界も良好という、実はとても運転しやすいモデルだというのも高ポイント。個人的には、改良前のNSXの方が尖っていてより楽しいモデルだと感じたので、あえてそちらをおすすめします!

2016年に登場した2代目のホンダNSX。車体中央に3.5LのV6エンジンを搭載し、モーター3基とともに前後輪を駆動する。18年の改良では足周りや制御系を中心に変更が加えられ、走行性能がブラッシュアップされた。

第1位:ケータハム・セブン160「峠道では、4つ足の小動物のごとく自由自在に駆け回れる」

これまでは車重がそれなりに重くて、パワーもたっぷりあるクルマを紹介してきましたが、「軽いクルマこそめちゃくちゃ楽しい!」とはっきり気づかせてくれたのが、このケータハム 160。なんと車重は490kg! 本当に鉄板にエンジンとタイヤをくっつけただけのようなクルマです。

しかもエンジンは、スズキ製の軽自動車用の660cc。実際に乗り込んでみると、運転する部品以外は何もついておらず「簡素」としか言いようがありません。フォーミュラマシンのように、寝そべって足を投げ出すような体勢でハンドルやペダルを操作する感覚。しかも、パワステではないので、とにかく走り出してスピードが乗るまでハンドル操作をするが一苦労! この感覚に慣れるまで少々時間がかかるのですが、その訓練もまた楽しい。

四苦八苦しながら、セブンを運転しているうちに、ふと自分が「いつの間にか自然に運転できてる」と気づく瞬間が訪れます。そうなってからは、どんな道でもヒラヒラと走っていける楽しさが病みつきに。幌を外していると、風がゴーゴーと顔を叩いて来るのですが、それすら気になりません。

峠道など走れば、自分が4つ足の小動物になったかのように、跳ねるように、そして自在に走れるので、楽しいを通り越して快感が襲ってきます。「ランナーズハイ」というものとちょっと似ているかもしれませんね。現代にこんなシンプルな楽しいクルマが存在することを感謝したいですし、これからの若い世代の人たちにも是非乗って欲しいなと思います。

ケータハムのラインナップで最も身近な存在となるセブン160。2014年に日本販売が開始された。
ケータハム・セブン160のエンジンは、スズキの軽自動車用660cc。最高出力は80psを発生する。
走るためだけの空間、といった趣。トランスミッションは5速マニュアルだ。

『運転が楽しいクルマ・ベスト3』は毎日更新です!

クルマ好きにとって、クルマ選びの際に大きな基準となるのは、
「運転が楽しいかどうか」ではないでしょうか。

とはいえ、何をもって運転が楽しいと思うかは、人それぞれ。「とにかく速い」「速くないけど、エンジンが気持ち良い」「足周りが絶品」などなど、運転を楽しく感じさせる要素は様々です。

本企画では、自動車評論家・業界関係者の方々に、これまで試乗したクルマの中から「運転が楽しかった!」と思うクルマのベスト3を挙げてもらいます。

どんなクルマが楽しかったか。なぜ楽しいと感じたのか。それぞれの見解をご堪能ください。

明日の更新もお楽しみに!

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