
発進の鋭さ、ごく低速度域からのUターンのしやすさ、ブレーキの調整のしやすさなど、日常の速度域を想定したコースを設定。参考タイムを計測して分析した。
■登場マシン_その1【ホンダ・リード125】

参考計測タイム:14秒44
誰が乗っても怖くない! “王道感”が際立つ万能ハンドリング
実にオーソドックスなハンドリングは、さすがホンダと言うべきか。セルフステアの効き方がとても自然で、どんなスキルのライダーが乗っても安心感が途切れない。ビギナーがハンドル主体で曲がってもいいし、ベテランが下半身でコントロールしても応えてくれる懐の深さがある。まさに“王道実スク”と呼びたくなる乗り味だ。
前12/後10インチというタイヤサイズも絶妙で、小回り性と安定感を高次元でバランス。ジムカーナ的な低速旋回でも自然に寝てくれるので、とにかく扱いやすい。実用スクーターらしい安心感と上質感をしっかり両立しているのが、リード125最大の強みと言えるだろう。
軽い力でスッと掛かる! センタースタンドも優等生


サイドスタンドはアームがショートタイプで払い出しやすく、センタースタンドも踏み面が広くて縦長形状。スタンド掛けにほとんど力がいらず、小柄なライダーでも扱いやすい。こういう“毎日効く部分”の完成度の高さも、リード125らしい美点だ。
■登場マシン_その2【ヤマハ・ジョグ125】

参考計測タイム:13秒56
95kgの軽さは正義! “原チャリ感覚”で走れる軽快ハンドリング
ジョグ125は5台の中でもっとも“原チャリ感”が強いモデルだった。前後10インチの小径ホイールにコンパクトな車体、さらに95kgという軽量ボディを組み合わせたことで、クルクル回るような軽快なハンドリングを実現している。今回のジムカーナでも13秒56というベストタイムを記録し、その俊敏さを証明してみせた。
特に面白いのは切り返しの軽さ。少し入力するだけで車体がスパッと向きを変えてくれるので、狭い交差点やUターンでも扱いやすい。まるで昔の50ccスポーツスクーターを思わせる感覚で、ベテラン世代にはどこか懐かしさすら感じさせる。
ただしライディングポジションの自由度はやや低め。大柄なライダーだと窮屈さを感じる場面もありそうだ。それでも“軽さこそ最大の武器”というキャラクターは非常に分かりやすく、都市部のストップ&ゴーでは抜群の機動力を発揮してくれる。
小さな車体を活かした軽快感! 駐輪時も扱いやすい


サイドスタンドはライダー目線から見ても突き出し量が大きく、探しやすい形状。センタースタンド掛けも95kgの軽量車体を活かして非常に軽快で、街中での駐輪や押し歩きでも“軽さの恩恵”を強く感じられる。
■登場マシン_その3【ヤマハ・アクシスZ】

参考計測タイム:15秒01
ワイドタイヤで安定感アップ! “ゆったり系”の快適実スク
ジョグ125と同じ前後10インチホイールを採用しながら、アクシスZのキャラクターはかなり異なる。前後100mm幅のワイドタイヤと長めのホイールベースによって、全体的に落ち着いた乗り味へ仕上げられているのだ。
ハンドリング自体は意外なほど軽快。車体サイズから想像する以上にヒラヒラ感があり、街中でも扱いやすい。ただしジョグ125のような“瞬間的な軽快感”というよりは、安定感と快適性を重視したセッティング。ゆったり乗れるロングシートも含め、“毎日ラクに移動したい人向け”という性格がかなり明確だ。
いっぽうで、極低速時にクラッチがやや早めに離れる特性は好みが分かれる部分。ジムカーナでは少し不利に感じたというMCシモのコメントも興味深い。それでも37.5Lトランクをはじめとする実用装備を考えれば、“生活密着型125”としての完成度は非常に高い。
スタンドの質感も好印象! 毎日使いを意識した作り込み


サイドスタンドは視認性が高く、払った時の音にも質感がある。センタースタンドの引き起こしも軽く、車体のライトさも相まって扱いやすさは良好。派手さはないが、“毎日使う道具”としての作り込みがしっかり感じられる一台だ。
■登場マシン_その4【スズキ・バーグマンストリート125EX】

参考計測タイム:15秒02
最長1290mmなのに軽快!? ギャップが楽しい快適系スクーター
5台の中で最長となる1290mmのホイールベースを持つバーグマンストリート125EX。しかし実際に走らせると、その数字から想像するほど重々しさは感じない。むしろ少し入力するだけで自然にリーンし、切り返しも軽快。見た目とのギャップがかなり印象的だった。
快適系スクーターらしい余裕あるポジションと、意外なほど素直なハンドリングの両立。大柄な車体ながらフロント周りの反応が自然で、街中でも扱いにくさを感じにくい。前後12インチタイヤによる安定感も高く、通勤からちょっとしたツーリングまで幅広く対応できそうだ。
また、スクリーンや広いフロア周りなど、バーグマンらしい快適装備も魅力。単なる“移動用スクーター”ではなく、ラクに長く乗れる一台として完成度を高めている印象だった。
車格のわりに扱いやすい! スタンド操作は“いたってノーマル”
サイドスタンドは扱いやすく、たたんだ時の音も良い! センタースタンドの踏力も車格を考えると軽め。極端にラクというタイプではないが、重さを感じにくく“毎日使い”で不満の出にくいバランスに仕上げられている。
■登場マシン_その5【ホンダ・ディオ110】

参考計測タイム:15秒15
前後14インチが生む安心感! “自然に曲がる”実力派
ディオ110最大の特徴は、前後14インチの大径ホイールがもたらす安定感だ。実用スクーターでは珍しいハイホイール構成によって、路面からの情報量が多く、リーンした際の接地感も非常に分かりやすい。ハンドルで強引に曲げるというより、車体を自然に寝かせながら旋回する感覚がしっくりくる。
特に印象的だったのはフロントブレーキの扱いやすさ。ディスクブレーキの効き方が素直で、ジムカーナでも安心して握り込めたという。14インチタイヤによる直進安定性の高さもあり、初心者でも安心感を得やすいキャラクターだ。
軽い踏力で扱いやすい! 大径タイヤ車とは思えない扱いやすさ


褒めたいのはセンタースタンドの掛けやすさ。軽い踏力でスッと引き起こせるうえ、剛性感もしっかりしている。14インチホイール採用車は重たく感じることも多いが、ディオ110はそうした印象が少なく、日常での扱いやすさにも配慮されていた。

実用スクーターって、燃費と収納だけで選ばれがち。でも実際は、曲がり方も、乗り心地も、取り回しもぜんぶ違う。だからこそ面白いし、毎日乗る相棒として愛着も湧いてくる。通勤も買い物も休日のチョイ乗りも、まずは“自分に合う実スク”探しから始めてみるのもアリだと思うぞ! この記事のほかにも、テーマ別・車種別に紹介しています。
※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】





