
お話しを聞かせてくれるのはこの方!
元ホンダの名物広報!
高山正之さん
Takayama Masayuki
1974年、本田技研工業入社。狭山工場勤務から本社に異動し、94年に本田技研工業国内二輪営業部の広報に就任。2020年7月に退職するまで、二輪メディアを支えてきたホンダマンだ。スーパーカブの知識で、右に出る者はなし!
モトチャンプ
歴史あるスーパーカブ50は2024年12月発売のファイナルエディション(受注期間限定モデル)をもって、60年以上の歴史にピリウドが打たれました。

高山さん
とても残念ですが、最終モデルは受注期間限定で2,000台の計画台数に対し、約1万1,000台の注文が入ったそうです。凄い人気です!
モトチャンプ
限定販売の中には、「台数限定」と「受注期間限定」がありますね。
高山さん
ホンダの製品リリースを紐解くと、初めての台数限定モデルは1980年のCB750カスタム・エクスクルーシブで1,200台でした。

モトチャンプ
台数限定モデルは、希少価値がマニアの心をくすぐりますね。
高山さん
やっぱり「限定」という言葉には特別なものを感じますよね。
モトチャンプ
でも、例えば500台限定と発表して800台の注文があった場合、メーカーは何台作るんですか?
高山さん
基本は500台ですね。カタログ撮影用とか、モーターショー展示車などで500台プラスαになると思いますが、明らかに多いと不正行為になるわけです。
モトチャンプ
たしかに、ユーザーミーティングなどで限定台数以上のオーナーが集まっていたら大事件です!
高山さん
台数限定はリスクがあるわけです。計画以上に注文が殺到したら、抽選会を行うなどメーカー側も大変なことになり、外れたお客さまにはガッカリさせてしまいます。
モトチャンプ
50cc最後のモンキーは、青山で抽選会を行うことになりましたね。
高山さん
そういう事情もあり、お客さま、販売店、そしてメーカーにとってリスクが少ない受注期間限定が多くなりました。
モトチャンプ
そうすると、計画よりたくさん注文がきても対応できますしね。ところで、カブシリーズの中で台数限定の最初のモデルってどれです?
高山さん
公式リリースで調べると、98年のリトルカブ50周年アニバーサリースペシャルの3,000台限定でした。それまでのスーパーカブには88年の30周年記念車がありましたが、限定車ではなかったのです。


モトチャンプ
スーパーカブはビジネスモデルですから、趣味性の高いリトルカブのほうが限定車を設定しやすいのはなんとなく理解できます!
高山さん
スーパーカブで初の限定モデルは、2008年のスーパーカブ50の50周年スペシャルです。これは受注期間限定モデルでした。リリースベースでは、スーパーカブの台数限定モデルはなさそうですね。

モトチャンプ
台数限定から受注期間限定に移っていったのはいつ頃からです?
高山さん
ホンダのリリースでは、05年12月のモンキーリミテッドが初めてのようです。この頃は、インターネットの普及でお客さまが情報を早くキャッチできるようになったタイミングですから、環境の変化も背景にあったと思います。これ以降は、ほとんどが受注期間限定になりました。

モトチャンプ
そんな中、17年の50ccモンキーの最後は、500台限定でした。たぶん、3,000台限定でもいけると思いましたよ。

高山さん
あのモデルは、500台しか作ることができない事情があったと聞きました。予想通り、購入希望が殺到しましたね。
モトチャンプ
スーパーカブシリーズで限定モデルは何台あるのでしょう?
高山さん
スーパーカブが10車種、リトルカブが8車種、クロスカブが1車種で、合計19車種ですね。うち、台数限定が6車種です。
モトチャンプ
その中で、高山さんのイチ推しモデルは何でしょう?
高山さん
あえて決めるなら00年に限定3,000台で登場したリトルカブスペシャルです。レッグシールドが当時流行したスケルトンになったモデルで、カフェカブイベントでもめったにお目にかかれません。私にとっては幻に近い限定車なのです。

モトチャンプ
あのモデルは、編集泣かせでもありました。透け透け具合を誌面で紹介するのが難しくて……。
高山さん
そういう意味でも、スペシャルなカブなんです(笑)
※この記事は月刊モトチャンプ2025年10月号「広報人生、負けるもんか」で連載されたものを加筆修正しています。

