基本情報

Super-ONEは、ホンダが2026年5月に発売したAセグメントの小型EVである。
グランドコンセプトは「e: Dash BOOSTER」。日常の移動を、刺激的で気持ちの高ぶる走行体験へ変えることを目指して開発されたモデルだ。
外観は、ブリスターフェンダーによってロー&ワイドな印象を強めたスタイルが特徴である。軽自動車ベースの扱いやすさを残しながら、全幅を拡大することで小型車登録となっている。
走行面では、専用開発の「BOOSTモード」を搭載する。通常モードでは最大出力47kWだが、BOOSTモードでは70kWまで出力を拡大。さらに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールを組み合わせることで、EVでありながら有段変速機を備えたエンジン車のような走行感覚を演出する。
現行タイプは「Super-ONE」の1タイプ構成である。駆動方式はFF、乗車定員は4名、メーカー希望小売価格は339万200円に設定されている。
代表グレード例
| 項目 | Super-ONE |
| 車名・型式 | ホンダ・ZAA-JG6 |
| 駆動方式 | FF (前輪駆動) |
| 乗車定員 | 4名 |
| 全長×全幅×全高 | 3,580 × 1,575 × 1,615 mm |
| ホイールベース | 2,520 mm |
| 最低地上高 | 140 mm |
| 車両重量 | 1,090 kg |
| 電動機(モーター)型式 | MCF7 (交流同期電動機) |
| 最高出力 | 70 kW [95 PS] |
| 最大トルク | 162 N・m [16.5 kgf・m] |
| 一充電走行距離 (WLTC) | 274 km |
| 交流電力量消費率 (WLTC) | 114 Wh/km |
| 動力用主電池 | リチウムイオン電池 (容量:82.7 Ah / 総電圧:358 V) |
Super-ONEは、サイズや価格だけを見ると日常使い向けの小型EVに見える。しかし、車両重量1,090kgの軽量な車体、ワイドトレッド、BOOSTモード、仮想シフト制御などを組み合わせることで、走りの楽しさを前面に出したモデルとなっている。
Super-ONE 変遷
Super-ONEは、2025年のJapan Mobility Showでプロトタイプが公開されたことから注目を集めた。
当初から、軽EVをベースにしながらも、走りの楽しさを強く打ち出した小型EVとして紹介されていた。ブリスターフェンダーを備えたワイドなスタンスや、かつてのホンダ・シティターボIIを思わせるデザインによって、発売前から「現代版ホットハッチEV」として話題になった。
2026年4月には、全国のHonda Carsで先行予約を開始。この時点で、BOOSTモードや仮想有段シフト制御、アクティブサウンドコントロールなど、Super-ONEならではの走行演出が明らかになっている。
その後、2026年5月21日に正式発表され、翌5月22日に発売された。発売時点でのラインアップは「Super-ONE」の1タイプのみで、駆動方式はFF、乗車定員は4名である。
Super-ONE 販売状況
Super-ONEは、発売直後から売れ行きの好調さが報じられている。
発売時点での予約は約7,000台とされており、コンパクトEVとしては大きな反響を得た。2026年5月の登録台数は1,736台となり、乗用車ランキングで31位に入った。
ただし、5月22日発売のため、5月の販売台数は実質的に月末の短い期間に限られる。また、発売直後の登録台数には販売店の試乗車登録なども含まれる可能性があるため、単純に一般ユーザーへの納車台数だけで評価するのは早い。
売れ行きが好調とされる理由は、いくつか考えられる。
まず、補助金の適用条件を満たす場合、国や自治体の補助により実質負担額を抑えられる点である。車両本体価格は339万200円だが、CEV補助金や自治体独自の補助金を活用できる場合があり、価格面での購入ハードルを下げている。こうした購入しやすさも、好調な受注を支える要因と考えられる。
次に、EVでありながら「走る楽しさ」を前面に出している点である。国内のEV市場では、実用性や環境性能を訴求するモデルが多い。一方、Super-ONEはBOOSTモード、仮想有段シフト、サウンド演出などにより、運転そのものを楽しむEVとして差別化されている。
さらに、デザイン面の個性も、好調な売れ行きを支える要因のひとつである。ブリスターフェンダーを備えたワイドなボディや、かつてのホンダ車を想起させる雰囲気は、単なる新型EV以上の話題性を生んでいる。特に、シティターボIIのイメージを重ねるユーザーにとっては、懐かしさと新しさを同時に感じられるモデルだ。
最後に、コンパクトなサイズ感と実用的な航続距離である。WLTCモードで274kmの一充電走行距離を確保しており、日常の移動や近距離ドライブであれば扱いやすい。小型EVとしての使いやすさと、趣味性の高さを両立している点が支持につながっている。
Super-ONEの魅力
一般的にEVは、静粛性や滑らかな加速、環境性能が注目されやすい。しかし、Super-ONEはそこに「音」「変速感」「視覚演出」「加速感」を組み合わせ、ドライバーの感性に訴えるモデルとして仕立てられている。
最大の特徴は、専用開発のBOOSTモードである。BOOSTモードでは、最大出力が70kWまで高められ、力強い加速を味わえる。さらに、仮想有段シフト制御によって、あたかもエンジン車のギアチェンジのような感覚を再現する。ステアリングのパドル操作による変速演出も可能で、EVでありながら積極的に運転へ関わる楽しさがある。
デザインもSuper-ONEの大きな魅力である。丸みのある親しみやすいキャビンに、張り出したフェンダーや専用エアロを組み合わせることで、かわいらしさと力強さを両立している。小型車でありながら、見た目の存在感は強い。
室内では、専用スポーツシートや水平基調のインストルメントパネルにより、運転に集中しやすい空間が作られている。Hondaの小型モデルとして初めてBOSEプレミアムサウンドシステムを標準装備している点も特徴だ。走行音の演出だけでなく、日常の移動時間そのものを楽しむための装備としても価値がある。
安全装備では、Honda SENSINGを標準装備する。衝突軽減ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援システム、トラフィックジャムアシストなどを備え、日常使いの安心感も高められている。
また、充電・給電機能を備えている点もEVならではの魅力だ。ディーラーオプションのAC外部給電器「Honda Power Supply Connector」を使用すれば、最大1,500Wまでの電気を取り出すことができ、アウトドアや非常時の電源としても活用できる。
趣味性の高いコンパクトEVでありながら、生活に寄り添う実用性も持っている。
Super-ONEは、単に「小さなEV」ではない。軽快なサイズ、実用的な航続距離、独自の走行演出、個性的なデザインを組み合わせた、HondaらしいFUNを感じられるEVである。
まとめ
Super-ONEは、ホンダが提案する新しい小型EVである。
全長3,580mm、全幅1,575mmのコンパクトなボディに、274kmの一充電走行距離、70kWの最高出力、BOOSTモード、仮想有段シフト制御などを備え、日常使いと走る楽しさを両立している。
発売直後から予約約7,000台を集め、2026年5月には1,736台を販売するなど、販売面でも好調なスタートを切った。補助金による価格面の後押しに加え、EVでありながら運転する楽しさを強く打ち出した点が支持を集めている理由といえる。
Super-ONEは、EVを単なる環境対応車としてではなく、運転を楽しむためのクルマとして捉え直したモデルである。コンパクトEV市場において、実用性と趣味性を両立する存在として、今後の販売動向にも注目したい。
