スバルは近年、モータースポーツ活動で培った技術を市販車へ積極的にフィードバックする体制を強化している。その中核を担うのが新設された「スポーツビークル企画室」であり、今後登場するスポーツモデルの開発を主導するとみられている。

スバル MTモデル ティザーイメージ

スバル・パフォーマンスB STIコンセプトの市販モデル

今回の計画で最も注目されるのは、新型5ドアハッチバックだ。若年層やMT初心者をターゲットに据えたエントリースポーツとして位置付けられ、2025年のジャパンモビリティショーで公開された「Performance-B STIコンセプト」の市販版となる可能性が高い。

スバル パフォーマンスB STIiコンセプト

軽量ボディと水平対向エンジンを組み合わせることで、扱いやすく軽快なハンドリングを実現。価格は250万円前後からに設定される可能性があり、近年価格が上昇しているスポーツカー市場では比較的手が届きやすいモデルとなりそうだ。ライバルにはトヨタGRヤリスのエントリーグレードやホンダ・シビックRS、マツダ3のMT仕様などが挙げられる。

次期型WRX

2車種目は次期WRXである。
世界的にAT比率が高まる中でも、WRXはスバルのモータースポーツブランドを象徴する存在であり、MT仕様は継続される見込みだ。パワーユニットには改良型2.4L水平対向4気筒ターボエンジンを採用し、最高出力は300ps前後まで向上する可能性がある。電子制御AWDとの組み合わせにより、従来以上の運動性能を実現すると予想される。

スバル WRX STI Sport#

BRZ後継モデル

3車種目はBRZ後継モデルである。
トヨタとの共同開発体制を維持しながらも、スバル独自のセッティングを強化し、FRスポーツとしての魅力をさらに磨き上げる方針とみられる。軽量・低重心という基本コンセプトは継承され、MT仕様も引き続き設定される可能性が高い。

スバルBRZ STI スポーツ タイプ RA

一方で、一部ではハイブリッド化も噂されているが、「運転する楽しさ」を重視するスバルだけに、ドライバーとの一体感を重視したモデルになることが期待される。将来的にはSTIによる高性能仕様の投入も予想されており、2.4L水平対向ターボやAWD化を期待する声も少なくない。ただし、これらについては現時点で正式な発表はなく、今後の動向に注目したい。

「走る歓び」を提供するブランド

世界の自動車メーカーがEVやハイブリッド車へ急速にシフトする一方で、MT車のラインアップは年々縮小している。しかし、運転そのものを楽しみたいというユーザーは依然として多い。

スバル 6速MT イメージ

スバルは水平対向エンジンとシンメトリカルAWDという独自技術を軸に、「走る歓び」を提供するブランドとしての個性を維持する考えだ。

もし新型ハッチバックが計画どおり投入されれば、若い世代がMT車に触れる新たな入口となるだけでなく、国内スポーツカー市場にも新たな選択肢をもたらすことになるだろう。2027年に向けて展開されるスバルのスポーツ戦略から目が離せない。