新色「ジンクグリーン」が映える! 熟成のND型が魅せる新たな世界観。

マツダの象徴であり、世界のライトウェイトスポーツの指標であり続ける「MX-5(日本名:ロードスター)」。その2027年モデルが独マツダから発表された。

2014年のデビュー以来、2018年、2024年と段階的にポテンシャルを磨き上げてきた現行ND型。今回の改良は一見すると小規模だが、中身を開ければ新色の追加や安全装備の強化だけでなく、マツダらしい“執念”とも言えるエンジン出力の向上、そして物欲をそそる特別仕様車「YAKUDO(ヤクド)」の設定など、中身の濃いアップデートが敢行されている。

マツダ ロードスター yakudo

独自のモダンを纏う、特別仕様車「YAKUDO(ヤクド)」の中身

今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックが、ソフトトップ専用に仕立てられた特別仕様車「YAKUDO(ヤクド)」の追加だ。

その名の通り、マツダのデザイン哲学である「魂動(こどう)-Soul of Motion」の系譜を感じさせるこのモデルは、派手な加飾を抑えた“洗練された大人のスポーツカー”としての佇まいが特徴。エクステリアにはシルバーのアクセントパーツやシルバー塗装のブレーキキャリパー、ブラックの専用ホイールを組み合わせ、足元から上質感を漂わせる。

マツダ ロードスター yakudo

インテリアに目を移すと、贅沢にもアルカンターラを使用した専用トリムやステッチが施され、タイトなコックピットの密度感をさらに高めている。ロードスターの美点である軽快なフットワークはそのままに、プレミアムテイストへと駒を進めた仕様だ。

なお、海外市場で定評のある上級グレード「KAZARI(カザリ)」、そして16インチのブラックRAYS製アルミホイールやレッドのブレンボ製キャリパー、ビルシュタイン製ダンパー、フロントストラットブレースを奢る武闘派グレード「HOMURA(ホムラ)」も引き続きラインアップされる。

まだ伸び代があった! 1.5L「SKYACTIV-G」のファインチューニング

メカニズム面でのサプライズは、1.5L直列4気筒ガソリンエンジンへの改良だ。高回転まで綺麗に吹け上がるこのユニットにさらなる手が加えられ、最高出力は従来型から約4hp(3kW)上乗せとなる136ps(100kW)へと向上。

単なるパワーアップに留まらず、欧州の厳しい環境規制を見据えてCO2排出量を139g/kmへ、WLTPモード燃費も6.1L/100kmへとそれぞれ微小ながら着実に改善させている。さらに、エンジンサウンド自体にも調律が施されたというから、アクセルを深く踏み込んだ際の「人馬一体」の官能評価は確実に高まっているはずだ。

マツダ ロードスター yakudo

ビジュアルはキープコンセプト、しかし中身は着実に進化

2024年の大幅改良で話題を呼んだ8.8インチのセンターディスプレイは継続採用され、コックピットの利便性は健在。一方で、安全装備には新たにドライバーアテンションアラート(DAA)が標準化されるなど、現代のスポーツカーとして全方位でのアップデートが抜かりなく行われた。

また、カラーパレットには2027年モデルの「CX-30」にも採用される新色「ジンクグリーンメタリック」を追加。英国調のクラシカルな雰囲気をモダンに解釈したようなアースカラーは、オープン時のスタイリングをいっそう引き立てるだろう。

ドイツ市場では2026年10月から生産が開始される予定だが、現時点で日本仕様へのアナウンスはない。とはいえ、これまでも欧州仕様のアップデートは時期をずらして国内へとフィードバックされてきただけに、日本のファンにとっても見逃せない情報だ。

次世代型(NE型?)の登場は2029年頃と噂され、軽量性をキープしたまま何らかのハイブリッド技術が載るのではと囁かれるロードスター。しかし、純粋な内燃機関のフィールをここまでストイックに磨き上げてくるあたり、マツダの「走りの血流」は今なお熱く脈打っている。

マツダ ロードスター 改良新型