往年のS-ROCを思い出させる外装を製作中
中身は現代の最新技術で再構築!
2027年、日本のチューニング業界を牽引してきたトラストが創業50周年を迎える。その記念事業の一環として、来年の東京オートサロンへの出展を目標に進められているのがBCNR33のデモカーの開発だ。

古くからのオプション読者なら、トラストのBCNR33デモカーと聞いて思い浮かべるのはGReddy RX S-ROCだろう。S-ROCとは“ストリートロケット”の略。ナンバー付きストリートマシンとして位置付けられ、パーツ開発車両という役割も兼ねた一台だった。当時は、谷田部高速周回路で行なわれていた0-300km/h加速トライアルへの参加を始め、極限の状況下で度重なる実走テストを実施。その結果、劇的な性能アップを約束し、耐久性にも優れる数々のチューニングパーツが世に送り出されることになった。

もう一つ付け加えるなら、S-ROCが発表されたのは1996年の東京オートサロン。つまり、今年が30周年のメモリアルイヤーでもあるのだ。

日本のチューニング史を振り返ると、パーツの品質や耐久性はもちろん、チューニング技術そのものが飛躍的に向上したのは第二世代GT-Rが現役だった時代。S-ROCは、その最前線を駆け抜けたメモリアルチューンドと言っていい。
現役時代から30年が経とうとしている今、そんなS-ROCに敬意を表し、現代のパーツとチューニング技術で新たなS-ROC(という名称になるかどうかは検討中とのこと)を創り出そうとしているのが、トラストの直近の動向というわけだ。
「企画自体は2年ほど前に立ち上がり、今年に入ってから動きが本格化しました。デモカーの製作に合わせて、RB26用の新たなパーツも開発しています」とは、プロジェクトリーダーを務める開発部の小野さん。

今回取材したのは、まずボディ。塗装ブースにて最終的なクリア仕上げの最中だったが、往年の名チューンドを彷彿させるラメ入りブルーのカラーは健在だ。むしろ、この色だけで、「S-ROCが再び…」との思いが湧いてくる。
ちなみに、ボディ補強は開口部のスポット溶接増しと要所へのプレート追加のみでロールケージは装着されない。というのも、クローズドコースで走らせるマシンではなく、基本はストリート仕様だから。それがトラストの伝統的な考え方であり、かつてのS-ROCに倣ったものでもある。
エンジンについては鋭意開発中で、残念ながら、今の段階で詳細は伝えられないとのこと。トラストにはS-ROCで開発されたRB26用2.7Lキットがかつて存在し、今でも86.5φ鍛造ピストンと強化コンロッドがラインアップされる。が、製作中のデモカーにそれらが使われる可能性は極めて低い…というのが編集部の読み。そう思える大きな理由は単純に、インパクトに欠けるからだ。創立50周年という大きな節目にお披露目されるデモカーだけに、東京オートサロン会場で目にした来場者がアッと驚く仕様であることをトラストには期待したい。


一方、ここ数年のトラストでの取材を思い返してみると、エンジンの仕様に関して推測できることもある。まず、電動6連スロットルの採用。これは昨年の東京オートサロンに展示されたGReddy 34RX(BNR34)にはすでに装着され、実走可能な状態にまで仕上がっていた。また、タービンも新作のT519Zがツインで組み合わされると予想。風量的に800psオーバーを狙えるモノだ。

今回エンジン関係のパーツで唯一、撮影できたのはエキマニ。かつてS-ROCで使われていたものをベースに小改良を施すことで排気効率の向上を実現している。

形状の最適化や肉抜き加工が施されたフランジ部。パイプ接合部のクラック発生を防いで耐久性を高めるため、コの字型プレートによる補強が行なわれる。パイプ径は42.7φを採用。

集合部とウエストゲートの分岐部。排気ガスの温度を維持して流速を稼ぎ、ブーストをできるだけ低い回転域から立ち上げる他、高回転域でもスムーズに排気させるよう設計される。

それから、CAD図面の状態だったが、新たにサージタンクを開発していることも確認。タービンを始めとした補機類の進化により、さらなるパワーアップが可能になったことを見越して設計される。
まだ公開できる情報が少なく詳細に迫れないのがなんとも歯がゆいが、それでも開発は着々と進行中。小野さんいわく、「秋口にはだいぶ見てもらえるようになると思うので、また連絡します!!」とのこと。トラストの続報を待ちたい。
●問い合わせ:トラスト TEL:0479-77-3000
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