中古コペンはATを買ってMT化もアリ!?

10月から変わった改造自動車届出制度をチェック

初代L880Kの誕生から24年、LA400Kの登場からも12年。長く乗り続けられているコペンだけに、大規模なリフレッシュを検討するオーナーも増えてきた。そんな中、新たな選択肢として注目したいのが、AT/CVT車のMT化だ。その追い風となりそうなのが、2026年10月1日から適用された改造自動車届出制度の見直しである。

今回の見直しでは、指定自動車等に対して、同一型式内に設定されている装置を取付方法などを変更せずに使用する一定の改造について、改造自動車の届出対象から除外された。対象には動力伝達装置も含まれ、従来の「事前書面審査+現車審査」から「現車審査のみ」へと手続きが簡略化。つまり、条件を満たす純正MT仕様への変更であれば、これまで必要だった事前の改造自動車届出が不要になるわけだ。

そんな制度変更も踏まえ、改めて注目したいのが、コペンチューンのスペシャリスト「モファク」が手掛けるMT換装プランだ。

「当初は家族も乗るからとATやCVTを選んだものの、年月が経って自分しか乗らなくなり、やはりMTに乗りたいと相談される方が実際に増えていたんです。10万kmを超えてリフレッシュを考えるタイミングで、思い切ってMT化したいという人が本当に多くて驚いています」と森本さん。

換装にはミッション本体やシフター、ペダル、配線など、純正パーツを中心に使用する。ただし、単純に部品を揃えれば完成するほど簡単な作業ではない。

特にLA400Kでは、バルクヘッドの溶接部分やブラケット形状がMT車とCVT車で異なるため、クラッチペダルをそのまま装着することができない。そこでモファクでは、これまでの換装経験を活かし、純正部品をベースにしたブラケットをボルトオン装着できるよう加工。クラッチワイヤーの取り回しも見直すことで、大掛かりな分解作業を避けている。

さらにLA400Kでは、CAN通信への対応もポイントとなる。従来はMT化に伴い、メーターなどの関連部品もMT用に変更する必要があったが、プロバイル製CVTキャンセラーを活用することで、メーターを交換せずにMT換装を可能としている。

ミッションは新品を基本とし、シフターやリンクケーブルなどもMT用へ変更。クラッチは純正品だけでなく社外品も選択でき、エンジンチューンを同時に進める場合は、強化クラッチを組み合わせることも可能だ。

こうしたノウハウの積み重ねによって、作業日程は最短2泊3日を実現。実作業そのものは約1日で完了するというが、作業前後のチェック時間を確保するため、2泊を基本としている。遠方のユーザーでも、短期間の宿泊で愛車をMT化できる体制を整えているのだ。

そしてMT化には、運転する楽しさ以外にもメリットがある。

L880KのATは100ps程度のチューニングにも対応できる耐久性を持つものの、年式を考えればオーバーホールが視野に入る個体も増えてきた。一方、LA400Kでタービン交換以上のチューニングを狙うなら、駆動系のキャパシティという面でもMT化は有力な選択肢となる。

さらに重量差も大きく、MTへ換装することで約20kgの軽量化が可能。しかも、重量物が集中するフロントセクションを軽くできるため、クルマの動きにも好影響を与えるという。

モファクが提示する換装プランは、L880Kが50万円〜、LA400Kが70万円〜。良質な中古ミッションを確保できれば費用を抑えられる場合もあるが、基本的には新品ミッションを使用するため、部品の在庫状況によって着工時期は変わってくる。

LA400Kの生産終了によって、これからコペンを手に入れるなら中古車が中心となる。程度の良いMT車だけに絞ると選択肢はどうしても少なくなるが、「程度の良いAT/CVT車を購入し、あとからMT化する」という方法を知っていれば、クルマ選びの幅も広がるはずだ。

長年乗ってきた愛車のリフレッシュとしても、中古コペン選びの新たな選択肢としても面白いAT改MT。制度の見直しが適用された今、改めて注目したいチューニングメニューと言えそうだ。

※なお、すべてのAT→MT換装が無条件で手続き不要になるわけではない。使用部品や取付方法、車検証記載事項の変更などによって必要な手続きは異なるため、実際に換装する際は施工ショップや管轄の検査機関への確認が必要となる。

●取材協力:も。ファク 兵庫県川西市東畦野2-1-8 TEL:072-791-5559

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