国内外の根強い需要が支える高リセール、プレミアム相場には変化の兆しも

新車を購入すれば、登録した時点から価値が下がり始める。一般的なクルマでは当たり前とされる現象だが、その常識が通用しないモデルがある。トヨタ『ランドクルーザー250』だ。

ランドクルーザー250

愛車買取オークション「セルカ」を運営するクイック・ネットワークが、2025年1月から2026年6月までに取り扱った2024年式ランドクルーザー250を調査したところ、発売から約2年が経過した2026年の取引でも、新車価格を上回る残価率を記録していたことが分かった。

ランドクルーザー250

なかでも注目したいのが、通常グレード「VX」の高いリセールバリューだ。

ガソリン車の平均残価率は2025年に108.9%を記録し、2026年も101.2%を維持。ディーゼル車では2025年の108.0%に対し、2026年も107.0%という高水準だった。

つまり、2024年式の車両が2026年になっても、購入時の新車本体価格を上回る水準で取引されていたことになる。

ここでいう残価率とは、新車価格に対して売却時にどれだけの価値が残っているかを示す指標だ。今回のセルカの調査では、新車本体価格に対するオークション最高入札額の割合を使用している。

一般的に中古車価格は、年式が古くなり、走行距離が増えるほど下落する。しかし、ランドクルーザー250はなぜこれほど高い価値を維持できるのか。

その背景には、ランドクルーザーシリーズが持つ国内外での根強い需要がある。

ランドクルーザーは日本だけでなく海外でも高い人気を誇り、歴代モデルも中古車市場で高値を維持してきた。セルカも、国内外からの需要が高いリセールバリューを支える要因として挙げている。

ただし、今回の調査結果には、ブランド力だけでは説明できない興味深い傾向も見られた。

それが、限定車よりも通常モデルの方が高い残価率を記録しているという点だ。

ランドクルーザー250は2024年4月の発売時、通常モデルに加えて特別仕様車「First Edition(ファーストエディション)」を設定した。ZXとVXを合わせて8000台限定で販売されたモデルである。

一般的には、生産台数が限られる特別仕様車の方が中古車市場で高い評価を受けると考えられがちだ。しかし、セルカの調査では異なる結果となった。

2025年1月から2026年6月までの全期間平均を見ると、ガソリン車の通常VXが残価率106.0%だったのに対し、VXファーストエディションは102.4%。

ディーゼル車でも通常VXが107.4%、ファーストエディションは100.7%となっている。

ガソリン車では3.6ポイント、ディーゼル車では6.7ポイントの差が生じた計算だ。

つまり、ランドクルーザー250の中古車市場では、限定モデルであることが必ずしも高い残価率につながっていないのである。

ただし、この結果だけで通常モデルの方が中古車として人気が高いと断定することはできない。新車価格や装備内容、出品車両の状態などが異なるためだ。

さらに興味深いのが、走行距離と残価率の関係である。

通常VXのガソリン車では、走行距離3000km未満の平均残価率が105.8%、3000〜5000km未満では109.7%、5000〜1万km未満でも106.8%を記録した。

そして、**1万km以上走行した車両でも平均残価率は102.0%**に達している。

ほとんど走っていない低走行車だけがプレミア価格になっているわけではないことが分かる。

一方、こうした数字を見て「ランドクルーザー250を購入すれば、2年後に必ず新車価格以上で売れる」と考えるのは早計だ。

今回の調査は、特定期間にセルカで取り扱われた2024年式車両を対象としたもの。実際の売却価格は、ボディカラーやメーカーオプション、走行距離、車両状態などによって変わる。

また、残価率が100%を超えていても、購入時に支払った税金や登録諸費用、維持費などを含めれば、必ずしも利益が出るとは限らない。

中古車相場が常に変動している点にも注意が必要だ。

2026年9月19日時点の別の買取相場データでは、2024年式ガソリンVXの2年落ちは約504万円、残価率93%。ディーゼルVXも約618万円、残価率98%となっている。

調査対象や算出方法が異なるため、セルカのデータと単純比較することはできないものの、ランドクルーザー250の残価率が常に100%を超えているわけではないことを示している。

さらに、残価率を比較する際には、基準となる新車価格にも注目したい。

ランドクルーザー250が2024年4月に発売された当時、ガソリンVXの価格は545万円、ディーゼルVXは630万円だった。

その後、2026年4月にはガソリンVXの一部改良が実施され、安全・運転支援機能や盗難防止装備などを強化。価格は577万9400円となった。

つまり、同じVXでも購入時期によって新車価格が異なるため、残価率を比較する際には、どの時点の価格を基準としているかを確認する必要がある。

それでも、発売から約2年が経過した2024年式ランドクルーザー250が、新車価格と同等、あるいはそれ以上の価値を維持していたことは注目に値する。

特に、1万km以上走行した通常VXでも残価率100%を超えていたことや、限定車より通常モデルの方が高い残価率を記録した点は、ランドクルーザー250の中古車市場における特徴といえるだろう。

もっとも、ガソリンVXの残価率が2025年の108.9%から2026年には101.2%へ低下したように、発売直後のプレミアム相場には落ち着きも見え始めている。

今後、供給状況や中古車需要が変化すれば、相場がさらに変動する可能性もある。高いリセールバリューを維持してきたランドクルーザー250だが、その価値が今後も続くかどうかは、市場の動向を見極める必要がありそうだ。