流麗なボディにロングシート。ゆったり乗れるスタイルへ

ロングセラーモデルの「タクト」がフルモデルチェンジ。まず大きく変わったのが、外観と乗りやすさに関わる部分。デザインは、フロントからリヤまで曲面をつなげた流麗なフォルムへ変更。高級感とやさしさを意識した外観に、座り心地の良いロングシートと広々としたフラット形状のフロアを組み合わせ、余裕のあるライディングポジションを実現している。
ちなみに初代タクトの登場は1980年9月。1987年のタクト・フルマークでは、シート下にヘルメットを収納できるメットインスペースをいち早く採用するなど、いつの時代も使いやすさを意識しながら進化してきた。1998年型もそんな流れを受け継ぎつつ、外観から装備まで大きくアップデートされたモデルとなっている。

真横から見ると、長いシートとフラットフロアの位置関係がよくわかる。日常で乗り降りしやすい、実用モデルらしいパッケージだ。
2ストのまま排ガス規制へ対応。白煙は従来の10分の1以下に

49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは、最高出力5.2ps/6500rpm、最大トルク0.59kgm/6000rpmを発揮。キャブレターセッティングを見直し、マフラー内部には酸化触媒を採用することで、1998年10月から施行される二輪車排出ガス規制に先駆けて適合した。マフラー内部構造の変更によって騒音規制にも対応し、暖機後の白煙は従来モデルの10分の1以下まで低減されている。※ホンダ社内テスト値。
使い勝手もしっかり進化した。燃料タンク容量は従来の5Lから6Lへ拡大し、航続距離を伸ばしたほか、Dioやリードシリーズで採用されていた「コンビ・ブレーキ」を新採用。左ブレーキレバーの操作で前後輪へ制動力を配分する前後連動式とし、扱いやすさを高めている。フロントには油圧式ディスクブレーキを備え、センタースタンド・ロックイン機構や強化タイプのコンビネーション&ロックスイッチなど、盗難対策にも配慮されていた。

マーズデューンベージュメタリック。1998年型の通常タクトには全4色が用意され、好みに合わせて選べる幅も広かった。
【SPECIFICATIONS】
年式:1998年モデル
総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:5.2ps/6500rpm
最大トルク:0.59kgm/6000rpm
全長×全幅×全高:1665×625×1020mm
ホイールベース:1170mm
重量:73kg
シート高:695mm
タイヤ:3.00-10 42J・3.00-10 42J
燃料タンク容量:6.0L
発売当時価格:16万6950円(税込)
スイッチを押せばスタンドが持ち上がる! 「スタンドアップ」仕様も進化

通常仕様と同時に「タクト・スタンドアップ」もラインアップされた。オートスタンド機構は1989年3月発売のタクトで世界初採用された装備で、電動でセンタースタンドを作動させ、駐車時のスタンド掛けを楽にするというもの。1998年型では操作方法をメインスイッチからハンドルグリップ横のスイッチへ変更し、より使いやすくなった。
さらに、スタンドの収納が不完全な場合には自動的にエンジンを停止させる機構も採用。重量は通常仕様より3kg重い76kgとなるが、センタースタンド掛けの負担を軽くできるというギミックはタクトならでは。買い物帰りに荷物を抱えているときなど、「これ便利!」と思った人も少なくなかったはずだ。

通常タクトとの外観差はごくわずか。スタンドアップ仕様の重量は76kg、価格は18万3750円(税込)だった。
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】
![by Motor-Fan BIKES [モーターファンバイクス]](https://motor-fan.jp/wp-content/uploads/2025/04/mf-bikes-logo.png)