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50周年記念・三菱デリカの歴史を振り返る! 三菱『歴代デリカのすべて 連載第5回』D:5の「D」は「DELICA」の「D」!「5」は五代目の「5」!

  • 2018/06/16
  • MotorFan編集部 大橋 俊哉
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待望のディーゼルエンジン搭載……拡大するデリカバリエーション

2WD車のデリカD:5「C2 G-NAVI PACKAGE」(2007)
 2.4ℓガソリンエンジンと4WDのみでスタートしたデリカD:5のラインアップは、まず2007年5月に2WD車「C2」とエアロモデル「ローデスト」を設定。2010年のマイナーチェンジでは、2WD車のエンジンを2.4ℓから4B11型DOHC16バルブMIVECの2.0ℓに変更するとともに、これまで4WD車と異なっていた2WD車の各種仕様を4WD車と統一している。さらに、2012年には2WD車のエンジンを同排気量ながらより高効率な4J11型SOHC16バルブMIVECに載せ替えている。

4N14型コモンレール式DI-Dクリーンディーゼルエンジン(2015)
 2013年1月(発表は2012年12月)には遂に待望のディーゼルターボが4WD車のみではあるが設定された。これでデリカD:5はミニバン市場で唯一のディーゼルエンジン搭載車となり、ディーゼルターボ+4WDというデリカの伝統を受け継ぐことになったのである。

 搭載されるエンジンは欧州向けアウトランダーでも採用している2268ccの4N14型直列4気筒DOHC16バルブMIVECで、ピエゾ式コモレールDI-Dに VG(可変ノズル)ターボを組み合わせるクリーンディーゼル。148ps/3500rpmの最高出力と36.7kgm/1500-2700rpmの最大トルクを発揮しながら、13.6km/ℓの燃費性能を実現。ディーゼルならではの力強い動力性能(牽引能力750kg)と優れた環境性能を両立した新世代のエンジンである。組み合わせるトランスミッションはINVECS-IIスポーツモード付き6速ATで、CVTを搭載するガソリンエンジン車とは異なっている。

アクティブなデリカは冬も!夏も!砂漠でも!?

二代目デリカから設定される伝統の冬季特別仕様車「シャモニー」がD:5にも登場。デビュー同年中という驚くべき早さでのリリースとなった。
シャモニーの専用エンブレム。これまでのモデルに比べ外観でのアピールは控えめとなっていた。

2017年にデリカD:5「シャモニー」は登場10周年となり、特別なデカールとインテリアロゴを配した。
 デリカシリーズの特別仕様車といえば冬仕様の「シャモニー」が2007年12月に早くも投入されており、この特別仕様車への期待が窺い知れる。「シャモニー」は2011年までと、2014年から2017年まで合計9度も設定されている。2007年に初登場した「シャモニー」では、デリカD:5では初めて2列目キャプテンシートの7名乗車仕様となっており、その後通常グレードにも設定されるようになった。2017年の「シャモニー」には、デリカD:5発売10周年を記念して「10th Anniversary」のデカールとインテリアにロゴを配してる。

2017年に設定された特別仕様車「アクティブギア」(画像は2018年モデル)。オレンジのカラーアクセントが印象的なモデルで、2017年の販売台数では全体の2割を占めるほどの人気を集めた。
 そのほかの特別仕様車では「EXCEED」「EXCEED II」「ROADEST Limited Edition」「ROYAL EXCEED」「M-Limited」などの充実装備系を展開してゆき、2017年にはオレンジのアクセントカラーが印象的な「ACTIVE GEAR」を設定。2017年の販売グレード比率で2割を占めるほどの人気モデルとなり、2018年も引き続き設定された。

デリカD:5の「ジャスパー」は2018年が初登場となった。
 さらに2018年の一部改良に合わせて、春夏のアウトドアレジャーをターゲットにした特別仕様車「ジャスパー」を設定。こちらも「シャモニー」ほどではないにせよデリカでは定番の特別仕様車で、専用のボディカラーとエクステリアデザインに加え、撥水加工シートなどインテリアにも実用的な専用アイテムをおごる。さらに、アウトドアでの使い勝手を高める専用アイテムも用意されている。

「ユーロミルホー・リスボン~ダカール2007」では「チーム・レプソル三菱ラリーアート」のペテランセル選手が、自身3度目の総合優勝を果たしチームの7連覇と通算12勝目を達成した。
 デリカD:5は2007年1月6日から1月22日にかけて開催された「ユーロミルホー・リスボン~ダカール2007」において、三菱チームのサポートカーとして導入。パジェロと共に砂漠を疾駆し、その走破性を遺憾なく発揮した。ラリーアート所属の田口勝彦選手がステアリングを握ったのも大きなトピックであった。

え!? D:5の「5」は何の意味? 兄弟が増えてサブネームを再定義

 デリカD:5の「D」は「DELICA」を、「5」は「五」代目……というのは冒頭に述べた。しかし、この定義が揺らぐことになってしまったのだ。それは……

二代目デリカD:2(2017)は四代目スズキ・ソリオのOEM車。
 2010年12月、三菱はスズキから三代目「ソリオ」のOEM供給を受けることが発表された。2011年2月にこのOEM車の車名を「デリカD:2」と発表し、同年3月から発売を開始した。2015年に供給元のソリオのモデルチェンジと合わせてデリカD:2も二代目となり、これが現行モデルとして販売されている。

日産NV200バネットのOEM車となるデリカD:3。
 2010年12月はさらに大きな発表があった。三菱と日産の協業の合意である。その一環として、三菱は日産からNV200バネットのOEM供給を受けデリカD:3として販売することになったのだ。デリカD:2に遅れること8ヶ月。10月のデビューとなり、ほぼ同時にデリカバンも登場している。

 さて、ここで冒頭の疑問である。D:5の「5」が「五」代目なら、D:3とD:2は先祖返りになってしまう。そこで車名の再定義が行われた。数字は三菱のミニバンのクラスを表すものとして、D:2は軽自動車を最小として2番目のサイズ(というのであれば、eKスペースはデリカD:1でも良いのではないだろうか?)。D:3はその次の小型5ナンバーサイズ。そして最大サイズがD:5というわけだ。今のところ「D:4」は欠番となっているが、実際のところD:5とD:3の間にもう一車種追加する余地はないと思われる。あるいは、トヨタの直噴エンジンの商標名と被るから避けているのかもしれない(あちらは「D-4」)。

フルモデルチェンジはあるのか?ないのか? ……結びに代えて

 デリカD:5は現行モデルなので、今もってなお生産が続けられているが、2017年までの登録台数を見ると合計で17万509台であり、2万5717台を登録した2007年が最大となっている。面白いのは2017年でも1万3303台を登録しており、10年目を迎えてもコンスタントに売れ続けているのだ。

 そして、2018年は登場から11年目。二代目の7年を除けば(バンを含めば15年だが)デリカのモデルサイクルが10年を超えるのはいつものこと(初代=11年、二代目=7年、三代目=13年、四代目=13年)だけに、D:5が特段モデルチェンジが遅いわけではない。とはいえ、昨今のクルマの先進安全装備の充実を考えれば、現状の装備では物足りないのは確かだ。2018年の一部改良では先進安全装備の追加はなかったので、2019年以降に搭載されることになるのか、あるいはフルモデルチェンジが予定されているのか、今のところはまだよくわからない。少なくとも、ユーザーが先進安全装備が充実した“デリカ”を心待ちにしているのは間違いないだろう。

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