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名車再考 トヨタ2000GT Chapter 1 実車確認 名車再考 トヨタ2000GT Chapter 1 実車確認 日本を代表する名車をディテールまで撮り下ろし

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トヨタ2000GT(1967) シャシーNo.MF10-10154 Aピラーの根元が車両全体のちょうど中央にあるというロングノーズだが、間延び感はまったくない完璧なプロポーション。

発売されたばかりの新型車をテストコースに持ち込み、さまざまな角度からの性能試験を行なった「Road Test」はモーターファン誌のアイデンティティともいえる看板企画だった。そのテストデータを改めて現在の視点で振り返ってみよう、というこの企画第一回は日本を代表する名車、トヨタ2000GTだ。Chapter1で2000GTを豊富な写真で確認し、Chapter2で2000GTのロードテストを再録する。Chapter3は、福野礼一郎さんと現役自動車エンジニアが、ロードテストデータを現在の視点で読み解く。Chapter3は、9月6日発売の書籍『福野礼一郎のクルマ論評3』に収録する。

フロントフェンダー横にあるサービスリッドは、2000GTの大きな特徴。左側にはエアクリーナーとウォッシャータンクが、右側にはバッテリーが収められる。エンジンルーム内に置き場がなくなったため、というのが理由のようだが、重量物をホイールベース内の低い位置に搭載できるというメリットも、当然開発陣は考えたことだろう。ちなみにこのリッド部分はFRP製で、簡単に取り外せる。
フロントコーナーには簡素なバンパーがあり、その下にはウインカー。今回の個体である前期型(1967~69)は白色点灯だが、後期型(1969~70)はカバー全体がオレンジ色となり、形状も大型化される。
マグネシウム製ホイールは、センターロック式。その後もセンターロック式を採用した日本の市販車は現れていない。ロックナットのように見える5つのボルトは応力負担はせず、位置決めのような役割を果たす。
砲弾型のフェンダーミラーは、眩惑防止のために内側のみがつや消し塗装されるという凝ったもの。後期型は全体がつや消しとなる。
フロントミッドに搭載される3M形エンジン。1998cc6気筒DOHC2バルブのエンジンは150ps/6600rpm、18.0kgm/5000rpm(グロス)をマーク。バルクヘッド側にはトヨタとヤマハのプレートが貼られる。2000GTの中でヤマハの文字があるのはこの部分だけである。
逆三角形のエンブレムは七宝焼で作られている。現代の樹脂製エンブレムとは質感もコストもまるで違う。
メーターの数が多いほどスポーティ、と思われていた時代の最高級スポーツカーらしく、メーターの数は7 個。ローズウッド製のインパネは、後期型ではつや消し仕様を選ぶこともできた。
上からAMラジオ、時計&ストップウォッチ、ヒーター操作ノブと並ぶセンターコンソール。右下から飛び出ているステッキ状のものはサイドブレーキだ。後期型ではストップウォッチが廃止され、ラジオはFMも受信できるようになる。また、ATやクーラーも選択できるようになる。
メーター下にはキーシリンダーとワイパーやチョーク等のスイッチが並ぶ。スイッチひとつひとつの美しさにも注目。
ペダルはすべて吊り下げ式。X形バックボーンフレームのために足下はやや狭い。
両側のドアそれぞれに灰皿とシガーライターが備わるのが時代を感じさせる。灰皿の場所を見れば、いかに着座位置が低いかがわかるだろう。
センターコンソール後方にはローズウッドの蓋が付いた小物入れがある。X形バックボーンフレームの空間を利用したもので、深さは10cmほどある。
平板に見えるが意外とホールド性の良いシート。調整は前後スライドとリクライニングで、いずれも手動だ。3点式シートベルトは標準装備。後期型ではヘッドレストが加えられる。
リヤサイドウインドウは前側を軸にして開閉可能。実はガラスは平面ではなく、フォルムに合わせた三次元曲面となっている。
グリル内にはT形バーとバンパーが備わる。バンパーはふたつのオーバーライダーで済まされている。
グリル下には後ろに向かってルーバーが開けられているが、空気の流れがあまり良くないということで、後期型では前側に向かって開くように変更された。
グリル両脇はフォグランプだが、この車両のオーナーはHIDライトに交換してヘッドランプとして使用している。このフォグランプは後期型ではグリルと同じ上下幅に小型化される。
リトラクタブル式ヘッドライトは、北米の前照灯高さ基準をクリアするために採用されたもの。ライト周囲にカバーは付いているが、後ろはリンクが剥き出しになっている。モーターにより作動するが速度が遅く、スイッチONから全開になるまで約5秒もかかる。「ライトが上がる頃にはトンネルが終わっている」と言われ、後期型では開閉速度が速められた。
前期型ではノーズ中央の微妙なプレスラインがそのままボンネットの途中まで伸びているが、後期型ではボンネット部分にプレスラインはない。
繊細な細いバーで構成されるワイパー。右ハンドルだが、ワイパーの向きは通常と逆になっている。
外側のスモール&ブレーキランプがウインカーも兼ねる。白いのはバックランプだ。テールレンズは当時のトヨタ製バスからの流用品。
フロントと同じく、リヤバンパーもふたつのオーバーライダーのみ。内側にナンバー灯が装着される。
かなりコストが掛かっていると思われるセンター2本出しのマフラー。排気はX形バックボーンフレームの中央部分を通して導かれるため、センター出しが最も効率が良い。
充実の標準積載工具。外側のスモール&ブレージャッキにちゃんと2000GTのイラストが入っているのがすごい。ホイールのセンターロックは左にあるスピナーを装着して銅製ハンマーで叩いて回す。

福野礼一郎のクルマ論評3

『福野礼一郎のクルマ論評2014』『福野礼一郎のクルマ論評2』に続く単行本第三弾。今回は、14台のクルマ論評に加えて、モーターファン・ロードテストの5台(トヨタ2000GT、マツダ・コスモスポーツ、日産スカイラインGT-R(KPGC10)、日産フェアレディZ432、いすゞベレットGTR)を現代の視点で掘り下げる座談会も収録。スペシャルコンテンツとして、「福野礼一郎選定 項目別ベストワースト2018」も掲載しています。

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