人間工学に基づいたレカロの効果を実体験でレポート 働く男のシート学「RECAROと2000kmを共にして」《後編》
- 2018/09/26
- GENROQ編集部

前回は、モデル選びから装着、そして初試乗の印象をお伝えした、連載「働く男のシート学」。老舗シートメーカーRECAROがラインナップする、腰痛予防と疲労軽減を重視したエルゴノミクスシート「ERGOMED-MV」をサクシードに装着し、実際その効果を体感するという企画で開始した。今回は、その後2000kmを走行した中で感じたことをおさらいも含めてレポートしよう。
RECAROの哲学を実感!
それを回避するためにデザインされているのが、レカロシート。その中でもより効果を高めているのが「ERGOMED」 シリーズだが、このシートでいつものように楽な姿勢をとろうとドライビングポジションを調整しても大体決まらない。レカロの場合は、ほぼ強制的に背骨をS字形に描くよう促すデザインを採用しているためで、これによって椎間板への圧迫を抑えている。つまり自ずと背もたれは立つ方向となり、腰の位置も奥側へと自然にもっていかれてしまう。
まず、長時間ドライブしていても、ほとんど腰の位置に変化が見られないということ。しかもこのサクシード、マニュアル車でクラッチ操作を頻繁に行うにも関わらずに、だ。これが“レカロ マジック”とも言えるもので、実はシートクッションの深部にはラインが設けられていて、自然とヒップポイントが奥の方へと導かれ、しかも不思議なことに固定されてしまうのが理由。さらに背骨がS字を描くように促されるバックレストとの組み合わせにより、骨盤の滑りを制御していることももうひとつの要因だ。
しかもレカロの優秀なところは、旋回時も含めた動的状況に加え、静止状態でもテストした結果であるうえ、数時間後の状態も含めて総合的に検証している点。さらに8000回にも及ぶ乗降テストを行うというから審査基準は極めて厳しい。実際、レカロジャパンの営業車にも日常的なテストをする意味もあって装着しているというが、5年で20万キロ走行しても、なんら問題はないというから凄い。
「以前は、だらしない格好で運転していたことが今になって分かりました(笑)。レカロを装着した後、最初はほぼ直立したシートバックに少し違和感を覚えましたが、慣れてしまうともうやめられません。普段は、だいたい移動と撮影の連続ですが、このERGOMED-MVはサポート部がやや高めなのに乗降性が良いのも気に入っています」
「それに長距離を走って思ったのは、クッションの硬さです。これは後になって感じたことですが、適度なこの硬さは絶妙です。腰もそうですが、お尻も痛くなりませんでした。だから2000km連続で走っても、それほど苦に思いませんでしたね」
これもレカロの特異性を物語る部分だ。純正品のようなフレームとバネで支えるのではなく、レカロは「面で支える」ことを主としているため、シートバックはもちろん、座面にも特殊なウレタンパッドを開発し、採用している。さらにその座面の長さも好印象の理由だ。従来のシートと比べれば一目瞭然だが、太ももにあたる部分は長く、そして高く設定されているため、自然と常に太ももと接触しているのだが、これが楽で疲労感を少なくしているのは明らかだった。
そう聞いていると、シートとは実に奥が深いとあらためて思う。骨盤の位置も重要だが、その他の部分にも細部に渡り設計されていることに頭が下がる思いだとKカメラマンは痛感している模様。今やレカロ無しで仕事は出来ないとまで言い始めている昨今である……。
問い合わせ/レカロコール 0800-919-5881
【オフィシャルサイト】RECARO AUTOMOTIVE SEATING

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