新型Aクラス・開発者インタビュー「大きく進化したところとは?」 「先代モデルのスポーティな走りを守り、視認性を大幅に改善」 メルセデス・ベンツの新型Aクラス開発責任者に直撃!! 【前編】
- 2018/11/03
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MotorFan編集部

メルセデス・ベンツの新型Aクラスは欧州で先行発売され、地元ドイツの自動車専門誌から高い評価を受けている。シャシー、エンジン、トランスミッション……、そのすべてを一新し、走行性能や静粛性はひとつ上のクラスへと押し上げることに成功した。その開発秘話を責任者に聞く。前編はダイムラー社・研究開発部門でコンパクトモデル開発プロジェクトリーダーのオリバー・ゾリケ氏である。
「エントリーモデルとして最良のクルマを作ること」
「“デルタ型”という名称が示すとおり、シリンダーヘッドの形状が三角形になっています。通常の四角型シリンダーヘッドと比較すると、軽量化とともにエンジン本体の幅をコンパクトにできるメリットがあります。スペースが節約できるのは良い点ですが、スペースがよりタイトになったことで、温度の制御が難しくなり、熱の問題を克服する必要がありました」
──コンパクトカーというジャンルであっても、ボディサイズは世代を追うごとに大きくなっています。このクラスにおいて、ボディサイズを決定づける一番の要因はどこにあるのでしょうか?
「様々な理由があります。要となる部分は、機能性、マーケットからのフィードバック、競合がなにをやっているか、そしてスタイリングなどを組み合わせて多面的に検討して判断しています。ベースとなるのは一世代前のディメンションで、まずは先代モデルのサイズから設計を始めています」

「とても難しい質問です。というのも、それは各国の市場ごとに変わってくるからです。例えば、ドイツと日本ではライバルが変わってきますし、アメリカも異なります。つまり、一元的に言えないことです。最終的には新しいモデルを開発するときには、特定のライバルを見るのではなく、全体を基にして判断しています。重要なのは、メルセデス・ベンツのエントリーモデルとして最良のクルマを作ることです」
──欧州で新型Aクラスを試乗しましたが、乗り心地が良くなっています。これは、市場からのリクエストで改善したのでしょうか? また、本国ではセダンが発表されていますが、ハッチバックとセダンではハンドリングの設定は変更していますか?
「新世代モデルの開発にあたり、快適性という面ではハッチバックとセダンで同等のものを目指しました。とくにセダンは“スポーティではありますが、快適な乗り心地”を掲げ、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)だけでなく、普通の道を軽快で快適に走れるような乗り味を目指しました」
──NVHを改善して快適性が向上しましたが、同時にクォリティが上がった要因はなんですか?
「新型Aクラスは、“快適でスポーティ”という要素に加え、NVHを全体的に引き上げる開発を大きなテーマにしました。シャシーはとくにフロント部分を大幅に改善し、リヤサスペンションも見直しています。それがクオリティアップにつながっていると思います」
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