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いよいよ10月22日! 祝賀御列で使用されるオープンカーのベースカーとなった、トヨタ・新型センチュリーをフィーチャー。コックピットドリル ② 一体どんなスイッチがついているんだ!トヨタ・新型センチュリー編

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機能性が充実してくれば、それを操作するスイッチ類の数が増えるのは当たり前。だが、そのスイッチがなにかを理解していなければ、せっかくの機能もただの飾り。ということで、スイッチについて理解を深める【コックピットドリル】これを読めば、アナタもスイッチ博士。
今回は、いよいよ10月22日に行なわれる、新天皇即位記念祝賀御列のパレードカーのベース車両となったことでも注目を集める、トップ・オブ・お迎えカー、センチュリー!

Text:生江凪子(Naco NAMAE)
Special thanks:瀨在仁志(Hitoshi SEZAI)

その姿は、まさに威風堂々という表現がぴったりの重厚感

21年ぶりにフルモデルチェンジされ、注目を集めたトヨタ・新型センチュリー。今年1月には、新天皇即位記念の祝賀御列で使用されるベースカーとして選出されたことが発表され、さらに注目された。
今回はその新型センチュリーについてのコックピットドリルだが、本題に移る前にパレードカーについても少々触れてみよう。

オープンカー仕様は、儀式に相応しい重厚感のある外観を有し、平成度に用いた車両(ロールス・ロイス コーニッシュⅢ。全長5,270mm×全幅1860mm)を上回るサイズを確保した、とされる。
サイズは5,340×1930mm。ベース車両となる新型センチュリーは5,335×1930mmなため、全長がほんの少し伸びているということになる。

このオープンカー仕様については、新天皇皇后両陛下のお姿を沿道からでも見えやすくするため、御料車を参考にし後部座席について座面の位置、背もたれ角度の調整が実施された。衝突回避・自動ブレーキシステムや後部座席にサイドエアバッグを装備するなど安全性能はもとより、環境性能も適合した車両となっている。

さて、祝賀御列の儀における天皇皇后両陛下のお車に取りつけられるナンバーはどうなるのだろうか気になるところだが、御料車と同様、道路運送車両法11条1項および第19条が適用されるため、ナンバープレートは取りつけなければならない。
だが、御料車のナンバープレートに関しては一般のナンバープレート様式に関する規定は適用されず、同条第2項で別途定められた、直径約10cmの円形・銀色の梨地に漢字で「皇」の一字とアラビア数字が金色で描かれたものとなる。
宮内庁によれば、国会開会式など公的なお出ましには「皇」ナンバー、その他のお出ましには品川ナンバーを使うのが通例だという。

そして御料車といえども道路運送車両法4条は適用されるため車検対象である。今回のパレード用のお車も同様であろう。

ベース車両では後部座席につくモニターは廃されアナログ時計のみの設えとなったり、後部座席がお姿を見えやすくするために高さが変えられていたり、とその意匠に差はあるものの、ベース車両はこちらの新型センチュリー。それでは、コックピットドリル、スタートです。

気分は社長?!

必須アイテムは日経新聞か。はたまた世界を見据えてのピンク・ペーパー=フィナンシャル・タイムズか? 一体この空間ではどんな会話が繰り広げられるのか……。

クルマが滑らかに目的地へ到着し、運転手さんがうやうやしくドアを開ける。「ありがとう」を込めて微笑み、車外へ出る……。そういった日常に憧れをもったことがあるかたは多いだろう。社会に出たら、目指すはお迎えつき!!! と頑張っているかたも多いだろう。し~かし、そこは憧れで終わるのが世の常。でもね、気になるじゃないですか。運転手さんはどんなコックピットに座っているのか? 後席に身を沈めたとき、どんなめくるめく世界がそこに広がるのか!

というわけで、スイッチ類に理解を深めよう、と始まった【コックピットドリル】連載、(随分と間が開いてしまいましたが)第2回となる今回は趣向を変えて、ショーファーカーをフィーチャーします! 運転することは滅多にないからこそ、必見。全国の運転手の皆さまは、ご一緒に、レッツ・スタディ!

第一印象は、かなりシンプル。後部座席に座ったとき、見える景色を邪魔しない、という配慮をされたデザインだ

極限まで無駄を削ぎ落とし、ドライビングに集中できるコックピット。職業運転手を生業としたら、この席こそが頂点、という感じだ。
一般のドライバーズカーと用途は異なり、「要人を目的地まで安全に、そして快適にお送りする」ことが第一義。よってコックピットも、その用途に沿って作られている。

では、例によってスイッチの説明に移る前に……。

シートポジションを合わせましょう

黄枠部分がシートアジャストスイッチ
アジャストは電動式の10ウェイだ

センチュリーでの主役は要人であると同時に運転手。よって、長時間の運転でも疲れないこと、は重要なポイントだ。シートアジャストはランバーサポートつきで、より身体にフィットした着座姿勢をとることができる。

① ランバーサポート(着座姿勢の安定化・着座疲労の軽減をはかるための腰部保持機能。シートの背面腰脇部を身体に合わせることができる。右を押すと前に出る、左で戻る)
② リクライニング(背もたれ角度調整。後ろに押すと倒れ、前に引くと起きる)
③ 座面スライド・チルトリフター(座面の前後・上下の調整ができる)

なかなか珍しいスイッチがありますよ! わかりますか?

運転席と助手席のドアには、マイコンプリセットドライビングポジションシステム(長っ!)のスイッチ、その右側にシートベルトアジャスター(しかも電動!)がつく。シートベルトポジションにも気を配っているあたりは、さすがショーファーカーと唸るところ。

① SET(パワースイッチONモード、シフトレバーがP位置で操作可能。運転席・ハンドル・ドアミラー角度を好みの位置に調整し、①を押しながら②の登録したい番号をブザーが鳴るまで押す。①を押した後3秒以内に登録したいボタンをブザーが鳴るまで押すことでもSET可能)
② メモリー(3名分。メモリー後は、パワースイッチON→シフトレバーP位置確認→登録番号をブザーが鳴るまで押す、で自分のポジションを呼び出すことができる)
③ シートベルト高さ調整(シートベルトの高さ調整。調整される場所はBピラー位置)

アームレストのスイッチもシンプルな誂えだ

運転席ドアのアームレストには、パワーウインドウスイッチと、ドアの開閉スイッチが備わる。必要な機能のみを装備することで、シンプルかつ高級感のある誂えに。

① ウインドウロック(運転席以外のドアガラスが作動不可となる。作動中はインジケーターが点灯する。インジケーターは赤枠部分)
② ドアロック(全ドアの施錠・解錠)
③ パワーウインドウ(軽く引き上げ・押し込むことでその操作している間、完全に引き上げ・押し込むとオートで全開・閉となる)

ちなみに、一番右は

④ ドアハンドル(上に引き上げることで解錠され、ドアが開く。運転席以外のドアハンドルは、一回引き上げると解錠となり、もう一回引き上げるとドアが開く2段式)

触感にまでこだわった本杢のドアハンドルは、引き上げ式。ドアを開けるときの仕草にまで気を配ったつくりだ。

ステアリングのチルト&テレスコスイッチは、左側にある
このスイッチを上下前後に動かし、ポジションを決める

シートと同時にステアリングポジションも重要。ショーファーカーとなれば、その重要性はかなり高い。ということで、もちろんこちらも電動です。

シートポジションが決まったら、ミラーを合わせましょう。

ミラー調節スイッチはなんと、ここ!

ドアミラー調整スイッチの位置をみても “ポジションを合わせる” 操作のプライオリティーの高さを窺わせる。

① ドアミラー格納・復帰(ミラーを格納するには左側、元の位置に戻すときは右側を押す。スイッチを中立の位置・AUTOに合わせると自動モードとなり、ドアの施錠・解錠と連動となる)
② 鏡面調整(上下・左右の角度を矢印で合わせる)
③ 左右ミラー選択(調整するミラーを選ぶスイッチ。L=左、R=右)

ミラー調節スイッチの横のふたつのスイッチはヘッドランプ関係だ。

④ ヘッドランプクリーナー(ヘッドランプにウォッシャー液を噴射し、ヘッドランプを洗浄することができる。パワースイッチがONでヘッドランプが点灯している場合のみ)
⑤ アダプティブハイビームシステム(ハイビーム使用時でも、先行車や対向車に光が当たらないよう、一部分だけ光を遮ることができるシステム。このスイッチをONにし、ランプスイッチをAUTOまたは、AUTOのふたつ上のアイコンにセット、レバーを前方に押すことで作動する。作動中は前方メーターディスプレイにAHS表示灯が点灯する)

気になる、⑤の「アダプティブハイビームシステム」だが、フロントガラス上部に設置されたカメラセンサーで前方車両のランプや街路灯などの明るさを判定、ヘッドランプの配光を制御。車速によってハイビームの明るさと照らす範囲の調整をし、カーブ走行時には進行方向側をより明るく照らすというように、前方車両への眩しさを緩和しつつ、前方視界の確保を補助してくれるシステムだ。
こちらは試乗中には体感できず……残念。

ミラースイッチ下には、フューエルリッドとリヤゲートスイッチ、もうひとつは?

ミラースイッチの下は、こんな感じ。一番左のスイッチはというと……。

① コインホルダー(こちらには、オプションでETCをビルトインすることができます。写真はETC付きバージョン)
② フューエルリッド(ガソリンスタンドに行ったら、給油口を開きます。ちなみに、給油口は左側にございます)
③ リヤゲート(トランクを車室内から開ける場合はこのスイッチで)

ETCもスッキリ収納。いまや必須のETC、こちらに設置するのがオススメ
なにかあったときのために、覚えておきたいのがボンネットオープンスイッチ

それでは、お待たせしました。システム起動スイッチ(サイドミラースイッチ左にあります。ちなみに、ハイブリッド車なのでスターターではなく、起動スイッチ)をプッシュして参りましょう。
スイッチのカラーは、ハイブリッド車を示す青色だ。

これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。

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