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定番形式のキャブオーバーにホンダがFFレイアウトで挑む理由 ホンダN-VANをスズキ・エブリイ、ダイハツ・ハイゼットカーゴと同時試乗!【ライバル比較インプレッション】

  • 2019/04/07
  • ニューモデル速報
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すでに全長と全幅のサイズは規格の上限まで達している軽商用車において、荷室長を確保するためにはエンジンを前席下に搭載するキャブオーバーレイアウトが必須と思われていた。そこにホンダは、ダブルビッグ大開口+超低床という新たなアプローチを提案。商用車の分野でも“Nの躍進”は続くのだろうか?

レポート●青山尚暉(AOYAMA Naoki)
フォト●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/平野 陽(HIRANO Akio)

軽商用車の常識を破るFFレイアウトのN-VAN

 軽バンは我々の生活を支えてくれる、宅配、建築、修理、サービス、クリーニング、そしてホビーユースなどさまざまなシーンで活躍する働くミニマムなクルマだ。特徴は軽自動車という限られた寸法の中でハイトな全高を与え、荷室長を最大限にとれるキャブオーバーのFR(後輪駆動)レイアウトが基本。ほぼ1〜2名の乗車、仕事用のクルマとして、荷室拡大最優先の簡易的な後席を備え、伝票などを運転席まわりの手の届きやすい場所に置けるダッシュボード周辺の収納にもこだわっているところも軽バンらしさである。

 ところで、キャブオーバーとは、前席下にエンジンを置くレイアウトのこと。キャビンをギリギリ前方に配置でき、荷室長を最大限に確保できるメリットがある。だからボンネット部分は極端に短く、もちろんその中にエンジンはない。

 そんなキャブオーバー軽バンの世界に風穴を開けるように登場したのが、2017年に最も売れた新車、軽自動車販売台数3年連続No.1のN-BOXがベースのN-VANだ。アクティバンの後継かつ、今年7月に累計販売台数200万台を突破したホンダNシリーズ最新作でもある。

 風穴を開ける……という意味は多岐にわたる。まずはハイゼットカーゴ、エブリイといったキャブオーバーのライバルと違い、N-BOXのプラットフォームを活かし、燃料タンクを前席の下に収めるセンタータンクレイアウトを採用したFF(前輪駆動)で勝負に出たところ。つまり、エンジンはN-BOX同様にボンネットの中にある。

 あれっ? 軽バンは前席下にエンジンを置くことで荷室長を稼いでナンボのクルマのはず。その疑問の答え、ホンダの秘策については後ほど説明するとして、さらにN-VANのボディは軽バン初の助手席側センターピラーレス構造としている点も大きな特徴だ。通常、荷物を出し入れする助手席側(歩道側)の開口幅を広げ(1580㎜)、テールゲート側とともに荷物の積み降ろし作業を効率化(ふたりで横から、後ろから作業できる)するねらいである。

 センターピラーレスであっても、助手席側ドア後端とスライドドア前端にセンターピラー機能を内蔵したドアインピラー構造の採用で、ドアクローズ時にはピラー構造と同等の衝突安全性を確保しているという。

 N-VANのルーフはライバル同様に2種類あり、軽バンとしての機能性を追求したNAエンジンのみの「G」「L」グレード、及び一般ユーザーのホビーユースにも応える、NAとターボが揃う+STYLE系の「FUN」がハイルーフで全高は1945㎜。スタイリッシュさを強調した「COOL」のみがロールーフで全高1850㎜だ。ちなみにアクティバンの全高は1880㎜だった。

 さて、そんな軽バンの世界に挑戦状を突きつけたN-VANのライバルは、もちろんお馴染みの働くクルマ、ダイハツ・ハイゼットカーゴ、スズキ・エブリイだ。ここではその各車を集め、軽バンとしての実用性、積載性、走行性能を比較すると同時に、一般ユーザーがバイクを積んだり、釣り、車中泊、キャンプを楽しむホビーカーとして使う上での資質も合わせて検証してみたい。

 まずは軽バンとして最重要項目となる荷室の使い勝手、広さについて。これは働くクルマとしてはもちろん、ホビーユースとして自転車やバイクを積み、車中泊するための積載力、使い勝手の決め手になるわけだ。

 そこで、全車が緊急席的な座り心地!の後席を畳んだ状態での荷室スペース比較から。まず報告したいのは後席のシートアレンジ性。後席の分割可倒機構はライバルの上級グレードにもあるが、N-VANは全車5対5分割式。センタータンクレイアウトにより、ごく低くダイブダウン格納可能な空間アレンジができる。そして荷室の広さとともに重要なのが荷室のフロア高。重い荷物の持ち上げ量に関わるからだ(ライバルを含め全車が後席格納時のフロアは完全フラット。最大積載量350㎏)。

 N-VANのテールゲート開口部は幅1230㎜、高さはルーフの高さとフロアの低さから1300㎜(+STYLE COOLは1200㎜)と、最も高い。荷室フロア地上高は低床パッケージが光り、525㎜と圧倒的な低さだ。フロア幅はメーカー値では1390㎜だが、フロアが低いゆえ左右にホイールハウスの出っ張りがあり、実測での最小幅は910㎜。後席格納時の荷室奥行きは1585㎜と、この項目だけはFFレイアウトだけに不利。しかしルーフの高さとフロアの低さから荷室の天井高は1390㎜と抜群に高い。1名乗車であれば125㏄バイクとモンキーを同時に積めるほどの最大荷室容量だ。

 ハイゼットカーゴは荷室開口幅1335㎜、高さ1155㎜。フロア地上高はFRだけに635㎜と高めだ。フロア幅はタイヤの上にフロアがあり室内幅いっぱいに取れるため1360㎜。奥行きは1950㎜とキャブオーバーのメリットが生きてくる。天井高はフロアが高いぶん、ハイルーフでも1235㎜となる。

 エブリイは荷室開口幅1340㎜、高さ1165㎜。フロア地上高は650㎜と3台中、最も高い。フロア幅はハイゼットカーゴ同様、タイヤハウスの出っ張りがなく、荷室幅いっぱいに使える1325㎜。奥行き、天井高は1955㎜、1240㎜とハイゼットカーゴ同等だ。

 ただし、荷室の使い勝手は広さだけでは語れない。重い荷物の出し入れ、高さのある荷物の積載はフロア高が低く高さ方向に余裕あるN-VANが楽だし、幅広の物をフロアに直に置くとすればハイゼットカーゴとエブリイが有利。また、リヤカメラを付けない場合、荷物を積んだ時の後方視界の広さを左右するフロアからリヤウインドウ下端までの高さも重要。ここもフロアの低いN-VANが有利で675㎜。ハイゼットカーゴ550㎜、エブリイ560㎜となる(すべて実測)。

 加えて100%仕事に使うならともかく、ホビーユースの場合はフロアの素材、見た目も気になるはず。ハイゼットカーゴとエブリイはビニール敷き。N-VANのみフリード+のようなしっかりした樹脂素材だ。

 積載量の目安になる、みかん箱(380×310×280㎜の立方体)の最大積載数はN-VAN71個、ハイゼットカーゴ65個、エブリイ69個となる(メーカー発表値)。

HONDA N-VAN

+STYLE COOL・TURBO Honda SENSING(FF)

商用車登録でありながら、個人ユーザーのホビーユースも重視した+STYLE系に属するロールーフ仕様のグレード。ハイルーフとなる「FUN」とは価格も同一でターボが用意される点も同じだが、撮影車のボディカラーであるプレミアムベルベットパープル・パールは「COOL」専用色となる。

HONDA N-VAN +STYLE COOL・TURBO Honda SENSING(FF)
直列3気筒DOHCターボ/658㏄
最高出力:64㎰/6000rpm
最大トルク:10.6㎏m/2600rpm
JC08モード燃費:23.6㎞/ℓ 
車両本体価格:166万8600円

HONDA N-VAN

L Honda SENSING(FF・CVT)

法人需要の中心になると予想される標準系。その上位グレードがこの「L 」だ。標準系のパワートレーンは自然吸気のみの設定だが、予防安全装備のホンダセンシングや運転席&助手席エアバッグ、フルオートエアコンは標準装備となる。ボディカラーはホワイトとシルバーのみの設定。

HONDA N-VAN L Honda SENSING(FF・CVT)
直列3気筒DOHC/658㏄
最高出力:53㎰/6800rpm
最大トルク:6.5㎏m/4800rpm
JC08モード燃費:23.8㎞/ℓ 
車両本体価格:134万1360円

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