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BMW ALPINA XD3 これぞアルピナ! XD3は職人技のラグジュアリーSUVだ

  • 2019/06/18
  • GENROQ編集部
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BMWをベースとしたハイパフォーマンス・マシンを生み出すALPINAからXD3が生まれ変わって登場した。3ℓの直6ツインターボ・ディーゼルを搭載し高性能スポーツカー並みの圧倒的パフォーマンスと高級サルーンの快適さ、そして本格SUVのタフネスさを高い次元で融合した魅力溢れる1台である。

REPORT◉大谷達也(OTANI Tatsuya)
PHOTO◉平野 陽(HIRANO Akio)

※本記事は『GENROQ』2019年6月号の記事を再編集・再構成したものです。

ボディサイドにはおなじみのアルピナ・ストライプが入る。左右4本出しのマフラーはアルピナオリジナルのステンレス製。

 Mとアルピナを比較する向きがあるようだが、両者を同じ土俵で語るのは難しい。BMWをベースにしたハイパフォーマンスカーであることは共通しているものの、純粋にスポーツ性を追求したMに対し、アルピナはときとしてスポーツ性よりもラグジュアリー性が優先される。その事実を、アルピナの最新モデルであるXD3に試乗して再認識した。

 XD3はX3に3.0ℓ直6のツインターボディーゼル・エンジンを搭載したハイパフォーマンスSUV。最高出力333㎰、最大トルクは700Nmで0→100㎞/h加速を4.9秒で駆け抜ける。

スポーツ・ステアリングホイールを装着し、メーターはアルピナ・ブルーに。スピードメーターにはALPINA、タコメーターXD3のロゴが入れられる。

 にもかかわらず、荒々しい印象は皆無。エンジン音もしっかり抑えられており、アイドリング時でもディーゼル特有のガラガラ音やキンキン音がキャビンに侵入することはない。この傾向は回転数を上げても変わらないばかりか、スロットルペダルを強く踏み込んで高回転域(レッドゾーンは5500rpmから!)まで引っ張れば「ウォー」と「ゴー」が入り交じったサウンドが耳に届き、ドライバーのスポーツ・マインドを激しく掻き立ててくれる。しかも、高回転域まで引っ張ったときのスムーズさはディーゼルとは思えないほど滑らかで、回転数が上昇する速さやパワー感は惚れ惚れとするほど。そのフィーリングは、ディーゼル・エンジンの概念を覆すというよりは、ガソリンでもディーゼルでもない、なにかこれまでになかった燃焼方式が誕生したかと思うほどユニークで印象的なものだった。

標準装備は20インチのアルピナ・クラシックホイールだが、試乗車はオプションの22インチを装着(49万円)。フロントブレーキは4ポットの対向キャリパーと395㎜のローターを装備。

 足まわりのセッティングもアルピナらしさに溢れていた。大径タイヤを履くのはアルピナの伝統ながら、今回の試乗車は標準の20インチに換えてF:255/35R22、R:295/30R22のピレリ・Pゼロが組み込まれていることにまず驚いた。しかも、これだけ“薄く”大きなタイヤにもかかわらずバタつきもしなければ鋭い突き上げ感も伝えないのだから、アルピナ・マジックは相変わらず冴え渡っているというべきだろう。

 いや、大径タイヤのネガがないばかりか、その恩恵もしっかりと享受することができた。足まわり全体におけるゴムの割り合いが極端に小さいため、あいまいさがなく、また弾性体特有の時間遅れを感じさせない、実にすっきりした味わいの乗り味に仕上がっていたのである。

センターコンソールにはシリアルナンバーを刻んだプレートが装着される。


 そしてここでも驚かされるのは、そのスポーツ性能よりも快適性やラグジュアリーさにあった。これだけ扁平率の小さなタイヤで当たりの柔らかな乗り心地を実現するのなら、足まわりにはソフトなゴムブッシュを組み合わせるのが常套手段。しかし、それでは前述したとおりダンピングの悪さがかえって浮き彫りになってしまう。おそらくアルピナは、ゴムブッシュの硬度は硬めにしたまま、ダンパーの精度を徹底的に磨き上げ、その設定に「秘伝のタレ」をたっぷりと注ぎ込むことで、この乗り心地を実現したのだろう。

ダイナミックな造形のフロントスポイラーは、センター部にALPINAのロゴが装着される。


 実は、ここまで書き連ねてきた印象はコンフォート・モードで確認した内容。その後、ワインディングロードでスポーツ・モードに切り替えたところ、さらなる驚きが待っていた。スポーツ・モードならではの高い減衰率がボディの無駄な動きを抑え、腰高感の一切ない安定した姿勢でコーナーを駆け抜けていけるのだ。しかも、適切なサスペンション・ジオメトリーによりワイドなタイヤの踏面がむらなく接地している様子が伝わってきて、ハードコーナリングでも実に安心感が強い。その安定感はSUVの常識を破るものといって差し支えない。

ヴァーネスカ・レザーのスポーツシートの背もたれには、アルピナのエンブレムを装着。電動サイドサポートも備わる。


 そうした優れたコーナリング性能を、荒れた印象の一切ない洗練された乗り心地と両立させてしまうところがいかにもアルピナらしく、かつてはこれが“M”との最大の違いだった。もっとも近年はMが快適性の点でも大きく進化し、アルピナの牙城に迫ってきたが、2ブランドの間には出自の点で相変わらず大きな違いがあるように思う。その一方で、純粋な“M”ではなく、そのエッセンスに日常的な快適性をブレンドしたMパフォーマンス・モデルが登場したこともアルピナにとっては脅威といえるかもしれない。本家側のX3にもXD3と極めてスペックの近いM40dが先ごろ追加されたばかり。筆者はまだM40dを試したことがないので、チャンスがあれば2台を比較してみるのも面白そうだ。

3.0ℓの直6ツインターボ・ディーゼルは333㎰と700NmというX3M40dを上回るパフォーマンスを発揮する。


 スポーティさを極力おさえ、ラグジュアリー感を強く押し出したインテリアの仕上がりもアルピナらしい世界観。特に試乗車はダッシュボードにピアノブラックのフェイシアがあしらわれていて、高級感を引き立てていた。XD3の価格はM40dを200万円ほど上回るが、なるほど得がたいキャラクターである。

BMWアルピナ XD3
■ボディサイズ:全長4720×全幅1895×全高1675㎜ ホイールベース:2865㎜
■車両重量:2090㎏
■エンジン:直列6気筒DOHCツインターボ・ディーゼル 総排気量:2992㏄ 最高出力:245kW(333㎰)/4000~4600rpm 最大トルク:700Nm(71.4㎏m)/1750~2500rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡ5リンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ(リム幅):Ⓕ255/45ZR20(8.5J) Ⓡ285/40ZR20(10J)
■パフォーマンス 最高速度:254㎞/h 0→100㎞/h加速:4.9秒 燃料消費率(EU複合):12.6㎞/ℓ CO2排出量:208g/㎞
■車両価格:1094万円

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