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ベントレー渾身の4ドアラグジュアリーサルーンをモナコで試乗した【BENTLEY Flying Spur試乗記】 ベントレー・フライングスパーが織りなす超絶ラグジュアリーでスポーティな世界

  • 2020/01/03
  • GENROQ編集部
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ベントレーの4ドアサルーン「フライングスパー」の新型がついに登場した。
新型はコンチネンタルGT同様「MSB」プラットフォームを採用しているのが特徴だ。
究極のラグジュアリーサルーンたる新型を存分に味わった。

REPORT◉大谷達也(OTANI Tatsuya)
PHOTO◉Bentley Motors

※本記事は『GENROQ』2019年12月号の記事を再編集・再構成したものです。

 前輪の位置が前方に移動してフロントミッドシップに近づき、ギヤボックスが8速DCTになり、フルタイム4WDの前後トルク配分機構が電子制御油圧多板クラッチ式になるなど、MSBプラットフォーム特有の特徴を備える点は兄弟モデルのコンチネンタルGTと共通だ。言い換えれば、三代目になってもフライングスパーとコンチネンタルGTの基本的な関係は変わらなかったわけだが、今年5月にベントレーのクルー本社で行われた新型のプレビューイベントに参加した私は、両車の位置づけが微妙に変化したことを感じ取っていた。

 それをひとことでいえば、ベントレーは従来の「コンチネンタルGT推し」から「フライングスパー推し」に方針を転換したということだ。

 いや、この言い方はフェアではない。これまでベントレーはコンチネンタルGTとフライングスパーを同等に扱ってきた。けれども、三代目になってフライングスパーにより力を入れるようになった。そう表現したほうが適切だ。

 その何よりの証明が、コンチネンタルGTよりもさらに凝ったデザインをフライングスパーに与えたことと、コンチネンタルGTにはない4WSをフライングスパーに用意したことの2点だ。走りに関する違いは4WS以外にもあるのだが、まずはデザイン上の特徴を説明しよう。

 フロントグリルはメッシュ状のコンチネンタルGTに対してフライングスパーは垂直な棧がずらりと並んだデザインとされた。しかもフロントグリル自体の背が高く、コンチネンタルGTでは後傾していたヘッドライトを垂直近くまで立てることで荘厳で威厳さえ漂う佇まいを得た。

 インテリアはコンチネンタルGTよりも華麗だ。キャビン中央のエアコン吹き出し口を左右対称のBマークを組み合わせた造形にしてここにクロームパーツをあしらったほか、シートには上下に長く伸びたカセドラル・ウインドウと呼ばれるステッチを、ドアの内張には幾何学模様を3次元的に表現した3Dレザーを用意。いかにもイギリス的なのに、これまでよりはるかにモダンなデザインに生まれ変わった。

贅沢なウッドを惜しげもなく使用した豪奢で上品なフライングスパーのインパネ。コンチネンタルGT同様センターパネルには回転式の12.3インチタッチパネル式モニターを採用している。
635㎰/900Nmを発生する6ℓW12型ツインターボエンジンを搭載する。0→100㎞/h加速3.8秒、最高速度333㎞/hの俊足の持ち主だ。

 試乗会はモナコ公国の中心地、オテル・ド・パリを舞台に実施された。ニース空港からホテルまでの移動にも新型フライングスパーが動員されたが、豪奢なサルーンのリヤシートで寛ぎながらモンテカルロ市街に向かうと、まるで自分がこの公国の主人公になったような錯覚を覚えるから不思議だ。かつてF1モナコGPの取材で何度か訪れたときはフォードかオペルの小さなレンタカーを足にしていたが、そのときとは景色がまったく違って見えることが、新型フライングスパーの持つ魔法の力を物語っているようだった。

 そのオテル・ド・パリから今度は自分でフライングスパーのステアリングを握ってモンテカルロ市内を走り始める。途中、かなり狭い道に迷い込んだが、4WSを備えたフライングスパーは一度も切り返すことなく市街を潜り抜けることに成功。しかもタウンスピードでの乗り心地が素晴らしい。路面の凹凸を完全にシャットアウトするそのしなやかさはコンチネンタルGTを完全に凌駕するもの。ソフトな手触りという面でいえば、新型ファントム以降はややダンピングを効かせる方向に方針転換した最新のロールス・ロイスと互角以上の勝負ができる快適性だ。

 やがて市街地を抜けてオートルートに入る。制限速度である130㎞/hでのクルージングは実に快適。もちろん静粛性も文句なしに高いが、これまでのベントレー同様、周囲から隔絶されている印象は不思議と持たない。実際にはそんなことはないのだが、耳を澄ませば街の喧騒が聞こえてきそうなくらい、周囲の状況は的確に把握できる。

上下に長く伸びたカセドラル・ウインドウと呼ばれるステッチを使用した贅沢なレザーシート。リヤシートにはエアコンの温度調節などの操作が可能な液晶パネルが採用された。

 やがて辿り着いたワインディングロードで、新型フライングスパーはそれまでの快適性が信じられないほど優れたハンドリングを示した。コンチネンタルGTよりも最低地上高を上げてサスペンションストロークを長く確保するとともに、やや柔らかいブッシュ類を用いたそうだが、にもかかわらず素早い切り返しでもフライングスパーはノーズの向きを軽快に変える。そのレスポンスの鋭さはコンチネンタルGTに優るとも劣らない。

 フライングスパーのハンドリングは機敏なだけではない。ステアリングを切り増していっても優れたリニアリティが確保されており、しかもリヤのスタビリティも十分以上に高いため安心感はバツグン。その安心感に任せて、自分としてはかなりペースを上げたつもりだったが、タイヤのグリップ限界に近づいた実感はなかなか得られなかった。それでも1度だけ、下りのライトハンダーにオーバースピード気味に進入したところ、フロントの接地性がかすかに薄れたような気がしたが、それさえもスロットルペダルを軽く緩めるだけでもとの安定した姿勢を取り戻してみせた。4WSの効果もあるはずだが、快適性とハンドリングのバランスでいえばコンチネンタルGTを凌いでいるのは間違いないだろう。

 なぜ、ベントレーはここまでフライングスパーに肩入れをすることにしたのか? 一般的にいって、2ドアクーペと4ドアサルーンを同じエネルギーで開発すれば、2ドアクーペがより輝いて見えるのは自然なこと。そこで、コンチネンタルGTとフライングスパーの魅力度を横並びで揃えるため、フライングスパーにより力を入れて開発したのではないかと私は踏んでいる。

SPECIFICATIONS ベントレー・フライングスパー
■ボディサイズ:全長5316×全幅1978×全高1484㎜ ホイールベース:3194㎜ トレッド:Ⓕ1670 Ⓡ1664㎜
■車両重量:2437㎏
■エンジン:W12型DOHCツインターボ ボア×ストローク:84×89.5㎜ 総排気量:5950㏄ 最高出力:467kW(635㎰)/6000rpm 最大トルク:900Nm(91.8㎏m)/1350~4500rpm
■トランスミッション:8速DCT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡマルチリンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ:Ⓕ265/40ZR21 Ⓡ305/35ZR21
■パフォーマンス 最高速度:333㎞/h 0→100㎞/h加速:3.8秒

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