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マツダ MAZDA3のSKYACTIV-Xは、なぜハイオク仕様? なぜ圧縮比16.3ではなく15.0なのか? エンジニアに訊いた

  • 2019/12/01
  • MotorFan編集部
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SKYACTIV-X エンジン形式:2.0ℓ直列4気筒DOHCスーパーチャージャー+Mild Hybrid エンジン型式:HF-VPH型 排気量:1997cc ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm 圧縮比:15.0 最高出力:180ps(132kW)/6000rpm 最大トルク:224Nm/3000rpm 燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:プレミアム

マツダ3が搭載するSKYACTIV-Xエンジンは、最高出力180ps、最大トルク224Nmで欧州仕様と同じスペックだ。だが、欧州仕様は圧縮比16.3、日本仕様は15.0。仕様燃料は欧州がRON95、日本がハイオク推奨だ。SKYACTIV-Xエンジンの謎をジャーナリスト世良耕太がマツダのエンジニアに訊いた。

TEXT●世良耕太(SERA Kota)

普段乗りならXにレギュラーを入れた状態でも、SKYACTIV-G 2.0(レギュラー仕様)よりキビキビ走って燃費はいい

 走りと環境性能を両立させた新世代のガソリンエンジン、SKYACTIV-Xを搭載したMAZDA3が12月5日に発売される。マツダは点火プラグによる膨張火炎球を利用して圧縮着火を制御するSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を確立することによって、ガソリン圧縮着火を世界で初めて実用化することに成功した。

 筆者は2018年6月に開発中のSKYACTIV-Xを積んだ試験車両に試乗している。その時点から発売に至るまでにどのような開発を行なってきたのかを質問すると、高松松宏志氏(マツダ株式会社 パワートレイン開発本部 エンジン性能開発部 部長)は次のように答えた。

SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)の概念
「熟成です。うまく着火をコントロールしないと音が出るし、着火が遅れると失速してしまう。いろんな環境や、いろんな燃料に対応するために、筒内圧センサーでフィードバック制御したり、学習して逐次制御したりするみたいなことをずっとやっていました。実は、国内は本気でレギュラーガソリンでやるつもりでした」

 これには補足が必要だ。5月24日にMAZDA3を発表した段階では、新世代ガソリンエンジンのSKYACTIV-Xは10月に販売開始予定とされていた。当日公開された資料には明記されていなかったが、会場にいた髙松氏は「レギュラー仕様です」と断言した。冒頭に記したように、SKYACTIV-Xの発売は12月5日だ。当初の予定より2ヵ月遅れた。しかも、対応ガソリンはレギュラーではなく「ハイオク推奨」となる。なぜ?

「いや、本当にレギュラーでいく心意気だったのです」と髙松氏は頭を掻く。「夏にヨーロッパで現地のジャーナリストに乗っていただいたときに、『ハイオク仕様のほうがいい』というフィードバックをもらいました。当時、レギュラーで充分にできていないこともあって、葛藤があったのです。高回転や高負荷を使わない普通の乗り方であればレギュラーで充分です。でも、『走りたい』となったときに、レギュラーではなかなか応えることができない部分がありまして、ハイオク推奨という形で追加開発することに決めました」

実際の運転では、本当の全開走行を除きほとんどSPCCI燃焼していた。SPCCI領域は非常に広い

 追加開発が必要になったことが、発売が2ヵ月遅れた理由である。もちろん、エンジン開発側の独断で決めるわけにはいかず、営業部門などとの協議を必要とした。

「マツダは『サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言』をしています。そのなかで、走る歓びを介してCO2削減を進めていくと訴えています。MAZDA3にあてはめて考えると、SKYACTIV-Xはハイエンドに位置します。2.0ℓ(SKYACTIV-G 2.0)と比べた際の高回転の伸びやかさがSKYACTIV-Xの特徴ですが、本当にアピールに値するかというと……。ハイオクにすればトルクカーブの面で本当にいいカーブになるんです」

 普段乗りの場合、SKYACTIV-Xにレギュラーガソリンを入れた状態でも、SKYACTIV-G 2.0(レギュラー仕様だ)よりキビキビ走って燃費はいいという。カタログに記載するモード燃費で仮に比較した場合も、ハイオクガソリンを使用した際(つまり、カタログに載っている数字)とほぼ変わらないレベルだという。

2017年8月の開発段階の資料を見ると、確かに91RONより95RONの方が出力特性が良いことがわかる。

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