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〈試乗記:メルセデス・ベンツGLC300 4MATICクーペ〉素直、そしてジェントル|SUVインプレッション

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2019年10月にマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツGLCは、王国といえるほど豊富なラインナップを擁する同ブランドの中核を担うSUV。全高を40mmほど抑えたGLCクーペも用意している。最新の内外装、インフォテインメントシステム、安全運転支援技術が用意されたほか、エンジンの高効率化など、走りにも手が入れられた。

REPORT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

インフォテインメントと先進安全技術はトップレベル

 2019年10月にマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツGLCは、エッジやライン(線)ではなく、面の力強さによってシルエットを表現する最新のエクステリアが与えられている。インテリアのデザインは大きく変わっていないが、操作系やディスプレイが刷新された。10.25インチワイドディスプレイを中央に配置し、12.3インチのメーターパネルもフラットタイプの2眼式になり、洗練度が高まったのが印象的だ。

 戸惑うほど充実しているユーザーインターフェイスは、お馴染みの「COMMAND」システム(年々洗練されてきてはいるが、依然として慣れは必要だろう)に加えて、ステアリングスイッチでカーナビや車両設定が可能で、10.25インチディスプレイはタッチ操作にも対応する。

 さらに、自然対話式音声認識機能の「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」も標準装備されたため、運転中の通話やスマートフォンやナビゲーションの操作など、いわゆる「ながら運転」の厳罰化がされた今ではより心強い。

 ステアリングスイッチや「MBUX」に多少慣れが必要なのは間違いないが、オーナーなら「MBUX」を使って愛車と対話を重ねることで、利便性が高まるはず。たとえば、目的地設定やスポット検索などはもちろん、「目的地までの距離は?」、「一般道で行きたいなぁ」、「寒いなぁ(熱いなぁ)」、「ガラスが曇ったよ」などと発すると、車両が自動的に設定、あるいは提案をしてくれる。

 ワイパーを動かす、ライトを付けるなどの安全に関わることはやってくれないものの、カーナビ、カーオーディオ、エアコン関連の操作に応えてくれるのだ(音声が認識できない場合も当然あるが)。

 先進安全装備もアップデートされていて、Sクラスと同等レベルの運転支援システムである「インテリジェントドライブ」が標準化されたのも朗報だろう。反対車線を横切って右折する際などには、対向車にも作動する衝突被害軽減ブレーキ(作動条件は10km/h以内)も用意されている。

 筆者が試乗した「GLC 300 4MATIC」のボディサイズは、全長4665×全幅1900×全高1645mm。兄貴分の「GLE」や「GLS」と比べればコンパクトだが、全幅は日本の道路や駐車場事情からするとワイドなのは間違いない。

 持て余すほどではないかもしれないが、GLCを含めたミドルサイズの欧州プレミアムSUVは、全長が短くても全幅には寛容で幅広いので、チェックしたいポイントだ。フロアや着座位置は、セダンやステーションワゴンよりも当然高めだが、よじ登るような感覚まではなく、それでもSUVらしくアイポイントの高さは享受できる。

 試乗車の「GLC 300 4MATIC」は、「M264」型の2.0L直列4気筒ガソリンターボを搭載し、従来設定されていた「GLC 200」、「GLC 250」は姿を消し、ガソリン車は258ps/5800〜6100rpm、370Nm/1800〜4000rpmのハイパワー仕様のみとなっている。

 なお、AMGは3.0L V6ツインターボの「GLC 43 4MATIC」、「GLC 63 4MATIC」系が搭載する4.0L V8ツインターボが控えている。また、ディーゼルエンジンは、2.2Lからダウンサイジングされた2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボになり、従来よりも24psの高出力化が図られている。

さて、ノーマル仕様では唯一のガソリンエンジンモデルになった「GLC 300 4MATIC」は、ハイパワー仕様ということで、山道から比較的流れの速いバイパスまで、申し分のないパワーを容易に引き出せる。

 コンソールのCOMMANDシステム左上にある「ダイナミックセレクト」スイッチを使い「ECO」モードでも街中ならストップ&ゴーも難なくこなし、流れを容易にリードできる。

 ライバルのBMW X3は、省燃費モードの「ECO PRO」にすると、出足はとくに(かなり)出力を絞った制御になるが(X3に限らず、BMWはECO PRO全般がそうしたセッティング)、メルセデスではそこまで極端な制御はされていない印象だ。デフォルトのモードである「COMFORT」もしくは、「ECO」でも実用上何ら不足はない動力性能を確保している。

 少し飛ばしたい時は「SPORT」、「SPORT+」にすればOKだ。右足の動きにより直結したかのような鋭い出だしに加えて、ターボが助勢すると、一気に速度を乗せていく。それでも基本的には鋭すぎて手を焼くほどではなく、ジェントルな振る舞いに終始している。

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