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〈マツダCX-5:試乗記〉オフロードが似合わないなんて誰が言った? 壁のような急坂を涼しい顔して駆け上がる!|SUVインプレッション

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CX-5はマツダで最も売れているクルマだ。だからブランドイメージの牽引役も担う。見た目にはマツダのデザインアイデンティティが色濃く投影されており、SUVとはいえ泥臭さはゼロ。一方でオンロードにおける走りもとことんマツダらしく、人馬一体を体現している。それだけに、果たしてオフロード性能はどうなのか? そんな疑問も浮かび上がってくるわけで……。

REPORT●小泉建治(KOIZUMI Kenji)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

意外と知らないCX-5の悪路走破性

 マツダのCXシリーズのブランド戦略は一貫している。徹頭徹尾、流麗なデザインに徹しており、都会的で泥臭さを感じさせない。

 数日前に記事公開したCX-30やCX-8のレポートでも触れたが、例えばカタログを見てもそれは徹底している。CX-30、CX-5、CX-8と、どのカタログを見ても未舗装路の写真が一切出てこないのだ。

 そんなマツダの商品戦略は、今のところ成功している。ほとんどのオーナーは劣悪なダート路など走らないのだし、SUVにもクーペライクな上質さを求めるカスタマーが多いのは、昨今の世界的なクロスオーバー人気やプレミアムSUV人気を見ればわかるだろう。

 ただそれだけに、あるひとつの疑問が思い浮かぶ。

「CXシリーズは、果たして険しい悪路を走れるのか?」

 CXシリーズが過酷なオフロードを激走しているシーンは、なかなか想像出来ない。乱暴に言ってしまえば、ダートが似合わないのだ。

 そんなCXシリーズの大黒柱であるCX-5で、本格的オフロードコースを走ってみたのである。

 今回の試乗に供されたのは、ディーゼルの4WD仕様だ。

 CX-5の4WD仕様には19年モデルから「オフロード・トラクション・アシスト」という悪路走破デバイスが新たに搭載されている。

 これは接地を失うなどして空転しているタイヤに高いブレーキ圧を掛け、逆にグリップしているタイヤには高いトルクをかけるもので、トラクションコントロールに似たシステムを応用して擬似的なデフロック状態を作り出すものだ。

 ジープ・ラングラーやスズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザーなどが採用している本格的なデフロック機構と比べると悪路走破性という点では及ばないが、重量、コスト、燃費などにおいては、マツダが採用する電子制御タイプの方が有利である。オンロードにおける運動性能や快適性能を犠牲にすることもない。

 ロードスターやマツダ3にも通じるオンロードでの快活な走りが魅力のひとつであるマツダのCXシリーズには、この電子制御タイプが最適なチョイスと言えるだろう。

 試乗コースは、狭くて見通しが悪く、高低差1〜2mほどのアップダウンが続く林道セクションと、手足で這いつくばっても登れなそうな35度のヒルクライムセクションで構成される。

まず、初っぱなからヒルクライムに挑む。正面から35度の急坂に対峙すると、ほとんど壁にしか見えない。ATセレクターはDレンジのまま、前述のオフロード・トラクション・アシストもオフのまま、壁……もとい、坂を登り始める。

 普段では間違いなく登ることはないであろうほどの急坂で、しかもμの低い未舗装路ではあるが、CX-5はトラクションを失うことなくぐいぐいと登っていく。

 驚かされたのは大きくえぐられた穴を避けるために一瞬アクセルをオフにしたときだ。失速を避けるために再びアクセルを踏み込むと、ディーゼルならではの図太いトルクを利してゴリゴリと加速を始めたのだ。

 これだけの急坂を延々と登り続ければ途中で失速してもしかがたないわけで、失速しないだけでも大したものだと思える。それが「ゴリゴリと力強く」加速するのだから驚くほかない。

 これはCX-5のディーゼルが持つ豊かなトルクと優れたフレキシビリティはもちろん、メカニカルグリップが高いことも寄与しているはずだ。ちなみにタイヤは標準装着のサマー用だった。

 何度か登坂を繰り返した後、下りも試してみた。

 とくにヒルディセントコントロールの類を備えないため、Dレンジのままフットブレーキのみで速度を調整したが、何ごともなく下りきってしまった。

 このことからも、やはりCX-5が元来持ちあわせているメカニカルグリップが高いことがわかる。

オフロード・トラクション・アシストのスイッチはステアリングコラム右側のスイッチ群の右上にある。クルマがデコボコ道を上っているようなイラストのボタンだ。
CXシリーズのオフロード開発にあたっては、ヤマハ発動機のクアッド(四輪バギー)の開発チームとの共同作業が行われ、車両評価やテストコースの設定などの協力を得たという。写真は競技専用車両のヤマハYZ450FとYZ250F。

 林道セクションでは、車両感覚の掴みやすさが光った。

 流麗なクーペ風デザインのCX-5は、直線基調のデザインが多い本格クロカン四駆と比べると車量感覚が掴みにくそうな印象が強い。

 もちろん、とことん「四角い」ジムニーやGクラスと比べれば、視覚的な車両感覚の掴みやすさは一歩譲る。ただ、それにしてはタイヤの位置が掴みやすい。だから安心して前に進むことができる。

 おそらくオンロード走行における人馬一体感の追求が、こうした狭隘な未舗装林道における「タイヤの位置の把握しやすさ」という副産物を生み出したようだ。

 流麗なエクステリアとシックなインテリアが魅力で、上質かつ快活な走りまでも愉しめるCX-5だが、こうした本格的オフロードコースをものともしない悪路走破性も持ちあわせていることは覚えておいて損はないだろう。

CX-5 XD エクスクルーシブモード 4WD
全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm
ホイールベース:2655mm
最低地上高:210mm
車両重量:1670kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量:2188cc
ボア×ストローク:86.0×94.2mm
圧縮比:14.4
最高出力:140kw〈190ps〉/4500rpm
最大トルク:450Nm/2000rpm
燃料タンク容量:58L
トランスミッション:6速AT
駆動方式(エンジン・駆動輪):F・4WD
サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク
ブレーキ:Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡドラム
乗車定員:5名
タイヤサイズ:225/55R19
WLTCモード燃費:16.6km/L
市街地モード燃費:13.6km/L
郊外モード燃費:16.5km/L
高速道路モード燃費:18.6km/L
車両価格:397万6500円

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