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人気爆発中! 小型クロカン「スズキ・ジムニーシエラ」の街での使い勝手はどうなのか?

  • 2020/05/03
  • 大音安弘
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日本が誇る小型クロカン「スズキ・ジムニーシエラ」。現実的な予算で買える本格モデルとして大人気だ

20年ぶりとなる全面刷新を図った第4世代のジムニーの登場したのは、2018年7月のこと。もう登場から2年近いの歳月が経過しているにも関わらず、未だ長納期化は解消されていないという人気車だ。歴代ともに、熱心なファンを抱え、オフロード走行を楽しむ人も多い。しかし、新型を購入する多くのユーザーは、やはり街乗りが中心なのではないだろうか。そこで、街乗りでのジムニーの実力を検証してみた。

REPORT&PHOTO 大音安弘(Yasuhiro Ohto)

受け継がれるクロカンの伝統

 全面刷新が図られた新型ジムニーの発表直後に、私は、3世代目(現行型のひとつ前)のジムニーを借りたことがある。先代といえ、20年前のクルマだ。内外装は、まさに質実剛健(2代目と比べると大進化であったが……)。

 街中に連れ出せば、高速巡行は煩いし、乗り味も固め。クロカンとは無縁の生活を送っていたこともあり、正直、ジムニーを日々の愛車にするのは覚悟が必要というのが、私の本音であった。ただ未舗装路に持ち込むと、ジムニーの印象は一変。道にある凹凸も水たまりも、ものともせず、グングンと突き進んでいく。なんとも頼もしい相棒を手にしたような興奮に包まれ、ジムニーの素顔に感動を覚えたのだった。

 その後、新型ジムニーの試乗会にも参加することができ、本格的なオフロードコース走行も体験。小ささと軽さを活かし、身軽に悪路を突き進んでいく姿は、私の冒険心を刺激し、このままジムニーと旅に出たいと思わせてくれた。

 その一方で、ジムニーと暮らす生活についても、気になった。もちろん、軽自動車ベースのクルマなので、扱いに困ることはないだろう。ただ多くのユーザーは、ジムニー1台を所有し、ほとんどの時間を街中で過ごすだろう。その視点で検証してみたかったのである。

オフロードを走るジムニー。本格クロカンの実力が発揮される瞬間だ(スズキ提供)

街中でも映えるスタイル

 ジムニーの人気の秘密は、そのクロカンらしいスタイルだろう。原点回帰ともいえる直線を強調したスクエアなデザインは、オフロードカーらしい柏陵に満ちている。それでいながらも、愛嬌ある丸目ライトのマスクやポップなカラバリなど、懐かしさと共に、新しさもしっかりと表現されている。それが、SUVが溢れる街中でも、埋もれない個性となっているのだ。

 登録車となる「ジムニーシエラ」は、シャシーやボディ共にジムニーと共有するが、ワイドフェンダー化とタイヤのサイズアップにより、迫力を増強。よりクロカンらしさがある。大径タイヤや1.5ℓの自然吸気エンジンなどのメリットもあるが、このスタイルに惚れ込んでという人も多いはずだ。

 もちろん、このデザインは雰囲気だけのものではない。見切りの良さや走破性の確保、降雪時の雪がたまりにくい、外板の剛性アップなどの明確な理由に裏付けられている。そうした配慮が、クロカンらしさへと結び付く。 

懐かしさを覚えるシンプルなスタイルが本物感を強調する。クロカンらしさを増すオーバーフェンダーはシエラの特権だ

割り切りも必要なキャビン

 実用面から見ていくと、キャビンの広さは、軽のジムニーも登録車のシエラも共にまったく同じで、搭載される車内の装備や機能にも差はない。

 ダッシュボードもエクステリア同様に直線基調となるが、これは傾斜路を走る際に、傾きを直感的に掴む狙いもある。助手席でもしっかり身体が保持できるよう、大型グリップハンドルが備わる。かっちりとしたメーターベゼル、シンプルな操作系統などタフさを強調したデザインでもあり、軽自動車っぽさは薄い。

 機能を見ていくと、ナビ位置も最上部となったことで、視線移動も少なて済むようになり、メーターパネルもスピードメーターとタコメーターを独立させ、大型化したことで、操作系の視認性も向上されている。一方で、パワーウィンドウの操作ボタンは、ドアからシフト前へと移設。この点は、好みが分かれそうだ。

 意外だったのは、トランスファーレバーが復活したこと。先代は電気式でボタン操作による切り替えが可能だったが、新型は、アナログなシフト式に。これはトランスミッションにかかわらずだ。ただ本物であること示すアイテムとして、ユーザーには受けそうだ。

直線的なスタイルは、タフなイメージだけでなく、直感的に車両の傾きをドライバーが掴みやすくするためのものだ

 前席は、直線的なスタイルの恩恵により、シート周りのスペースもしっかり確保。ガラスエリアも広いので、開放感もある。座面も、しっかりしており、幅も確保されている。これならば、長距離ドライブでも疲れは少ないだろう。

 一方で、後席は、シートがシンプルな点は良いとしても、足元スペースが狭いことは気になる。やはり姿勢正しく座っていても、移動時間が長ければ、少しは足を崩したりしたくなるもの。ただ、サイズに制約のあるジムニーに、そこまで望むのは酷かもいしれない。また後方は窓も開かないので、開放感もやや薄れ、大柄な人は、後席のアクセスもやや面倒となる。

 日常使用での最大の課題は、ラゲッジスペースだ。4名乗車モードでは、ちょっとした物しか詰めない。スーパーの買い物でも、まとめ買いとなれば、後席を荷物置き場として使うことになる。ただゲートが横開きなので、狭いスペースでも、ラゲッジにアクセスできるのは便利だ。

 ジムニーで快適性や積載性を重視するならば、2名乗車、最低でも3名までに留めておくべきだ。使い勝手の良さだけは、今の考え抜かれた他の軽自動車には、まったく及ばない。また小物入れなども、必要最小限となる。

後席を折り畳むと、352ℓまで拡大。奥行きも980mmあるので、わりと色々な物が詰めるようになる
通常時のラゲッジ。奥行きは、240mm程度と詰めるものには制限がある

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