ダイハツ・タフトG | タント&ロッキーとは長所も短所も瓜二つ。設計の根幹に関わる部分の改良が短期間では進みにくい一括企画開発の弱点が露呈 ダイハツ・タフトG 500km試乗インプレ:スズキ・ハスラーとは見た目も走りも似て非なる直接のライバル。だが…?【最新の軽&コンパクトはファーストカーとして使えるか?】
- 2021/03/19
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遠藤正賢
コロナ禍が猛威を振るう昨今、プライベートな空間を保ちながら自由に移動できるマイカーの良さが見直されつつある。
そこで、クルマの運転のブランクが大きいペーパードライバーや高齢者、あるいはこの機会に運転免許を取得した初心者にオススメなのが、安価かつ狭い道でも扱いやすい軽自動車やコンパクトカーだ。しかし、肝心の帰省や旅行でも、家族みんなが快適に過ごせるのだろうか?
「最新の軽&コンパクトはファーストカーとして使えるか?」と題したこの企画、4台目はダイハツの軽クロスオーバーSUV「タフト」。NA(自然吸気)エンジンを搭載する上級グレード「G」のFF車で、高速道路約300km、一般道約200kmのルートを走行した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢、ダイハツ工業、スズキ

2020年6月にダイハツ・タフトが発売された時、こう思ったクルマ好きや業界関係者がどれほどいるか定かではない。ともあれ、ハスラーの初代モデルは2013年12年にデビューしたが、その後6年半の長きにわたり、軽クロスオーバーSUVのカテゴリーはハスラーの寡占状態にあった。

こうしてキャストアクティバの実質的な後継車として生を受けたタフトだが、実車を見て触れて乗るほどに、ハスラーともキャストアクティバとも大きく異なるモデルとして作られたことが見えてくる。

インテリアも同様に、タフトはスクエア基調のゴツゴツしたデザインと触感で、加飾パネルもオレンジのアルマイト調と、若い男性が好むであろうテイストでまとめられている。しかし、その質感はお世辞にも高いとは言えず、デザインそのものも子供臭いというのが率直な印象だ。
一方、ダイハツ車として初めて全車標準装備されたEPB(電動パーキングブレーキ)およびオートブレーキホールド機能を含め、各スイッチ類は直感的に操作しやすい。だがセンターコンソールの形状が非常によろしくないのは、同じDNGAプラットフォームを用いるロッキーと同じで、パネルの凸部が旋回時に膝の急所に当たりやすく、その時の不快感は言語に絶する。ダイハツは両車とも早急に設計を見直してほしい。
なおタフトは前席のシート・トリムを黒基調、後席以降をライトグレー基調に色を分け、居住空間とラゲッジスペースの境界を視覚的に表現している。後席は背もたれが見た目にも小さく、さらに倒せばフラットな荷室フロアが得られることからも、乗員の掛け心地は割り切られているだろうと推測した。
だが実際に座ってみると、座面が大きく厚みがあり、さらにヒップポイントの沈み込みが大きい形状で背もたれの小ささを補っているため、望外に快適。身長176cm・座高90cmの筆者が座ってもヘッドクリアランスは約10cm、ニークリアランスは25cmほどあり、広さも充分だ。逆に前席は、背もたれの分割位置の窪みが大きいため肩と腰の間がやや浮いてしまい、フィット感が悪く感じられた。
そして、現行モデルの軽自動車としては唯一となる大型ガラスルーフ「スカイフィールトップ」を設定し全車に装着したのも、タフトが持つ大きな特徴の一つ。この装備のおかげで確かに頭上の見晴らしは良く、同乗者には大いに喜ばれそうではあるが、ドライバーがその恩恵に与るのは信号待ちの時程度だ。
オープンカーを総計10年以上所有する筆者の主観を敢えて言えば、車重は重く、重心は高く、ヘッドクリアランスは狭く、価格は高くなるうえ、肝心の開放感もむしろ減るという五重苦を背負わされる、この手のガラスルーフとサンルーフはタダでも欲しくない装備の最右翼。特にタフトはインパネ上端とサイドウィンドウの下端が高く、室内の閉塞感が強い傾向にあるため、ぜひレスオプション設定をしてほしいと願わずにはいられない。
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