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コギャルの時代を代表する日本車は「これぞギャラン」を体現した八代目(EA0/EC0系) 【プレイバック・ザ・イヤーカー】 【プレイバック・ザ・イヤーカー】 『ギャランたるべし』を具現化した八代目ギャラン/初代レグナム(EA0/EC0系)【1996-1997年】

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1996-1997年次の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車、三菱・八代目ギャラン(手前)とワゴン版の初代レグナム(奥)(EA0/EC0系)

三菱を代表するセダンとして八代目を数えたEA0/EC0系ギャランとそのステーション・ワゴン版の初代レグナムは1996年を代表するイヤーカーである。
『プレイバック・ザ・イヤーカー』では、国内のカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた、その年を代表するクルマを振り返る。

◇不安と混沌の時代にゆるぎなき存在感

1996-1997年次 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した三菱ギャラン(EA0/EC0系) (写真はVR-4 type-V)

今から25年前、1996年の日本は明らかに悄然としていた。
年頭から前年の阪神・淡路大震災および地下鉄サリン事件に代表される一連のオウム真理教事件が暗い雰囲気を醸成し、この年のO-157など病原性大腸菌による集団食中毒の多発は学校給食などにも広く影響を与え、食の安全や衛生管理が問われる一方、手洗いや衛生商品が脚光を浴びた。アメリカのアトランタで開催される夏季オリンピック・パラリンピックが、唯一の光明とも言えるニュースだったかもしれない。

こう見ていくと、異常気象などの天変地異に苛まれ、謎のウイルス感染症に打ちひしがれ、唯一の光明として東京オリンピックにすがらざるを得ない、昨年から今年の状況に何となく似たものがあるように思える。

そんな年次を代表する1台として、日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのが、三菱の八代目(EA0/EC0系)ギャランと、そのステーション・ワゴン版の初代レグナムである。

◇キーワードは『ギャランたるべし』

後に追加されたViento。こちらもGDIエンジン搭載グレード。

ギャランは1969年に誕生した三菱を代表する中型乗用車(当初は小型乗用車)であり、歴代、様々なスタイルのボディが用意されたが、基本的にはセダンとバン、あるいはワゴンとして認知される。その特徴は何と言ってもスタイリッシュなデザインであり、その当時の最先端メカニズムの投入だ。

とは言え、この「スタイリッシュ」がクセモノ。そもそも「スタイリッシュ」の定義など定量化されたものではなく、年代どころか時代の雰囲気でコロコロ変わるため、登場時点で少しでも時代の雰囲気や感性とのズレが生じれば、アッという間に…いや、登場時点から不人気車決定となる。かと言って、いつまでもキープコンセプトではユーザーに飽きられて、これまた不人気車決定である。この加減や塩梅が商品としてのカーデザインの難しいところであり、「デザインやスタイリングに過度に依存するのは危険」と言われる所以だが、ギャランもまた歴代の毀誉褒貶が激しいクルマだった。

初代(A10/50系)は当時の流行の先端である「ダイナウェッジライン」(乱暴に言えば「クサビ型」)を採用した斬新なスタイルで世界的ヒットとなったが、キープコンセプトの二代目(A110系)の売り上げは芳しくなく、ユーロ・テイストで再構築した三代目(A120/130系)は再びヒット…という具合だ(かと言って偶数代目が不人気というわけではない)。

さて本車は、マッシブなスタイリングでヒットし、ユーザー層を若返らせることにも成功した六代目E30系の正統進化とも言うべきデザインをまとっていた。先代、七代目E50/60/70/80系は、空力を追求すると同時に女性層へのアピールも狙い、曲線を多用したジェントルなスタイリングとしたが、これが裏目に出ると同時にボディが3ナンバー・サイズに拡大したこともあり、売り上げが芳しくなかったからだ。さらに言えば、ほぼ同じ土俵にディアマンテという「身内の敵」がいたため、本車にはギャランそのものの存亡が賭けられていた。

そこでクルマ造りのキーワードとなったのが『ギャランたるべし』。要は原点回帰である。具体的には「スポーティなセダンとすることが“ギャランらしさ”であり、その実現には“走り”が重要なテーマある」という言葉に落とし込まれる。ゆえにボクシーでマッシブな、“走り”のイメージを持つ六代目の正統進化的デザインとなったわけだ。

◇量産車初の筒内噴射ガソリンエンジンGDIを搭載

世界で初めて量産車に搭載されたGDIエンジン、1.8ℓ 直4の4G93-GDI型。
“走り”のVR-4は280ps(ATは260ps)を発揮する2.5ℓ V6ツインターボ の6A13型を搭載。

無論、デザインだけではない。技術的にも“走り”をアピールするべく、量産車初の筒内噴射ガソリンエンジンGDI(Gasoline Direct Injection)をVR-G(後にVientoが追加)グレードに搭載したり、“走り”のトップグレードであるVR-4もASC(4輪制動力制御システム)やAYC(左右駆動力移動システム)などハイテク技術を装備して存続させている。なお、GDIエンジンは同年次のRJCカー・オブ・ザ・イヤーの「テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」も受賞している。

ただし、初期のGDIエンジンは残念ながら初期不良が頻発したり、クランクシャフトのボルトに欠陥がありエンジンが停止するといった、2000年に発覚するまでリコールを隠蔽するなど、いささか不名誉な事実があった事も付け加えておかねば、25年を経過した現在では公正を欠くだろう。

↓4G93エンジンの詳細はこちらをお読みください。

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◇久々のワゴン版は「レグナム」の名称で登場

ワゴン版はレグナムの名称が与えられた。画像はVR-4 type-Sスタイル。ワゴン型になった以外、内容はセダンと遜色なく、“走り”のトップグレードであるVR-4も用意されていた。

また、五代目E10系以後、ギャランにはワゴン車型が用意されていなかったため、スバル・レガシィが口火を切ったワゴン・ブームに乗れなかった恨みがあった。このため当代からワゴン車型が復活、新たに「レグナム」の車名が与えられたが、内容はセダンと変化はなく、セダン同様にVR-4まで用意されていたのは天晴れと言えるだろう。

さて、この年はオリンピック以外は沈滞ムードに捕らわれたように思われるが、実はそうではない。歌手の安室奈美恵氏や篠原ともえ氏を模倣したファッションをする「アムラー」や「シノラー」と呼ばれる女性たちの台頭や、「コギャル」ブームが巻き起こった。

何よりも若者の娯楽・風俗がティーンエイジャーの女性、特に女子高生・女子中学生が牽引するようになり、彼女たちのバイタリティやエネルギーは、良くも悪くも既成概念の壁をことごとく打ち壊し始めた。「援助交際」なるネガティブな面も存在したが、これとてモラル破壊として捉えれば合点は行く。ともあれこの年次あたりで、「女性はこういうのが好きだろう」という男性社会的な身勝手な思い込みは1989年のベルリンの壁のごとく瓦解し、それに伴ってマーケティングも複雑化していった。

そんな中で物造りを成功させようとすれば、もはや流行や環境に左右されずに「かくあるべし」を貫き通すことこそが最善最良の方策であるように思える。この年、「かくあるべし」に立ち返り、それを貫いた本車がイヤーカーに選ばれたのは、当然の帰結という気がする。

ただ、現在のところ三菱としては、その後は特別賞の受賞はあるものの、本車が最後のイヤーカーのままなのは残念なところだ。

◇「かくあるべし」のイヤーカーたち

特別賞はマツダの初代デミオ(DW型)(画像は1300LX)

この年次の特別賞にはマツダの初代デミオ(DW型)が選ばれている。構造・スタイルとも機能的な「道具」に徹してキッパリと割り切った質実剛健なファミリーカーであり、大ヒットを記録。マツダはこれにより経営危機を辛くも脱し、デミオは「マツダの救世主」と呼ばれた。なお、こちらは姉妹車のフォード・フェスティバ・ミニワゴンとともにRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

インポートカー・オブ・ザ・イヤーに選出されたのはメルセデスベンツの初代SLK(R170型)
フォルクスワーゲンの三代目ポロ(6N型)はRJCのインポートカー部門を獲得。

輸入車に目を向けるとメルセデス・ベンツの初代 SLK(R170型)がインポートカー・オブイ・ザ・イヤーに選ばれているが、RJCインポートカー・オブ・ザ・イヤーではフォルクスワーゲンの三代目ポロ(6N型)が選ばれていた。

「かくあるべし」的な車種が選出されたこの年次の中で、唯一、SLKは「憧憬の対象としての自動車」のプレゼンスを誇示したと言えるかもしれない。それもまた日本におけるベンツというクルマの「かくあるべし」か。

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