自力でガレージまで建て、いつの間にか原付が大増殖

四輪好きで二輪も集めるというパターンは意外にも多い。けれど四輪はアメ車が好きとなると、二輪はたいていハーレーなどのツアラー。ところが排気量が10分の1以下である原付にハマッちゃったのが今回紹介する萩原さんだ。
そもそもはテント車庫に2台のアメ車を保管して楽しんでいた。ローライダーではコンテスト受賞歴が多数あるほど入れ込んできたが、ある年の冬に大雪が降り、都内西部の自宅は積雪が20cm近くにまで達した。
「コレはイカン!」と車庫へ駆けつけ、辺りが暗くなるまでひたすら雪下ろしに徹した。
この時にガレージの必要性を痛感した萩原さん。そこで今まで借りていた月極駐車場の大家さんに許可をもらい、物置タイプのガレージを建てることにした。土間コンクリート打ちから始めて骨組み、壁打ち、内装仕立てと、仲間に手伝ってもらいながら自分たちで建ててしまった。
根がマニア気質なので置き場所ができると台数が増える。当初はカワサキZⅡを楽しんでいる程度だったのに、アレヨアレヨとバイクが増えた。しかも原付ばかりが増殖するという異常事態。数が多くなると、カスタムもしたくなるのが人情だ。
そうこうするうち、四輪趣味にも変化が訪れる。排気量が7ℓもあるアメ車から、排気量360ccしかない古い軽自動車へ宗旨替えしてしまうのだ。これも原付の楽しさに目覚めたからかもしれない。



カスタムするだけじゃなく、親子でツーリングしちゃう

排気量が小さなものに変わると楽しみ方も変わる。自分でカスタムできる手軽なサイズだから、どんどん元の形がなくなっていく。アメ車をローライダーにして楽しんでいたくらいなので、小さな原付や軽自動車なんてお手のもの。すでに完成している4台の二輪はいずれも純正オプションパーツをふんだんに使って「当時風」に仕上げた。
ダックスとシャリィはいわゆる定番カスタムが施されているものの、一般的なスタイルと少々趣が違うのは70年代に販売された子供用シートを追加していること。しかもデッドストックを探し出しているあたり、マニアらしさ全開なのだ。またハブを残して装着するキャスト風ホイールや前カゴを取り付けることも2台同時に楽しんでいる。
そんな2台が大人しく感じるのがモンキー。早矢仕の外装で統一したルックスにJRPパーツで仕上げたエンジンとフロントフォークなど、第一次モンキーブームを知る世代には涙モノのパーツが各所にてんこ盛りだ。早矢仕のフルカウルを見たことがある人は少ないはず。激レア確定のお宝パーツだ。
さらに圧巻なのがパッソーラ。ここまで揃えた個体は他にないのではと思えるほど、当時の純正オプションパーツだらけ。このモンキーを萩原さん、パッソーラを娘さんが運転して軽くツーリングしたら注目度がハンパなかった。実際に乗っちゃうのが、筋金入りのミニバイクマニアたる所以だ。



【マシン01】YAMAHA パッソーラ「純正オプションてんこ盛り!」

旭風防のスクリーンとステーは純正OEM品。そこへ激レアな純正オプションのタレを装着して正体不明のスタイルに仕上げている。ローダウンしているため、イノウエのサイドスタンドを装着。
カギ部分に音叉マークが入る純正オプションのリヤボックスをはじめ、フロントカゴやステップマットまで純正オプションで統一。シールド裏にはロンサムカーボーイのスピーカーも装着される。
さらにイノウエ製「マフラー笛レーシングファイター」や、純正オプションのテニスラケットキャリア、タクト用サイドウイングバイザー、西本工業の子供用シート、コンドルホーン、ミニパトライトなど、時代感全開の装備を満載。キャストホイール化によって、フェンダーとタイヤのクリアランスも極限まで詰められている。







【マシン02】HONDA モンキー 「ついに発掘した早矢仕のフルカウル!」

4ℓモンキーをベースに早矢仕製のタンクシートとアルフィンカバーで外装をまとめたが、ようやく最近、念願の早矢仕フルカウルを発掘。なんと新品だったもので、もったいないから塗装できないのだ。


アルフィンカバーはメーカー不明だが、前後ホイールはジャパンプロダクト製。プレート付きのスイングアームはSP武川の初期モノで、コニのリヤショックと組み合わせている。
シリンダーヘッドはC70の「コブヘッド」を組み合わせ、その上へJRP製オイルクーラーを設置。キャブレターはインテークマニホールドごと早矢仕のφ22mmクリップタイプにしてあり、ファンネル仕様なので吸気音も楽しめる。
MRDのトップブリッジにイノウエ製セパレートハンドルを組み合わせ、ステーを介してJRPのタコメーターをマウント。さらにJRP製フロントフォークやブレーキパネル、SP武川初期鋳物の三又、初期スペシャルクラッチなど、当時モノパーツを徹底投入している。
カバー類はJRPでまとめつつ、「かもめ」カブのフィン付きエンジンカバーを加工装着。エンジン本体は106cc仕様に拡大され、マキシム製マフラーやSS50フローティングドラムパネルなども組み合わされる。








【マシン03】HONDA ダックス 「ガードだらけでもロード仕様!」

キジマのヘッドライトガードやハリケーンのエンジンヒートガード、オプションのエンジンガードなどダート仕様にも見えるダックスはST70初期型。リード工業のホイールも貴重だが、左出しになる同社製テスコマフラーと、そこに合わせた田口の強力サイドスタンドは激レア。オプションの前カゴが使いにくくなるナポレオンのロッキーミラーもポイント高し。

【マシン04】HONDA シャリィ 「両手ブレーキのセル付き!」

フロントはバネ抜きゴムブッシュ仕様、リヤはYB-1ショート加工ショックでローダウンしたシャリィは貴重なCF70初期型。前後にGクラフト製4Jホイールを履かせたワイドなホワイトリボンタイヤとしつつ、ダックス純正フェンダーなど定番スタイル。両手ブレーキやメッキ仕上げエンジンなど隙なしに仕上げたが、圧巻なのがオプションのマッドフラップだ。

※こちらの記事はモトチャンプ2024年12月号に掲載されたものを加筆修正しています。