なぜQX80は北米で売れるのか
米国市場で、人気のラージSUV、レクサス「LX」だが、意外にもライバルのインフィニティ「QX80」に大きな差をつけられていることがわかった。

レクサスは2025年に、米国市場で2番目に売れた高級車ブランドとなり、370,260台を販売した。ライバルのインフィニティは、52,846台。10万台以上の販売台数を記録したのは2019年が最後であり、下降線を辿っている。しかし、なぜか、最大級SUVでは、レクサスを圧倒しているのだ。

SUVは現在米国市場において、市場で最も人気のある車種であり、特に車高の高いモデルは多くの購入者にとって大きな魅力となっている。予算や用途に応じて様々なバリエーションが用意されているが、なかでもインフィニティQX80とレクサスLXはフルサイズ高級SUV市場を代表する存在。
世界的急騰しているSUV新車価格において、ライバル車よりも多くの受注を獲得する最良の方法のひとつは、価格を抑えることとなっている。QX80はこの点において非常に優れており、エントリーレベルのPure RWDモデルは83,750ドル(約1329万円)から、一方、最も安価なLXモデルでも106,500ドル(約1691万円)となっている。レクサスは標準で四輪駆動だが、同等のQX80 Pure AWDは86,850ドル(約1379万円)とレクサスLXと比べてかなり安価だ。
厳密に言えば、レクサスLXはQX80よりも標準装備が充実している。しかし、QX80も十分な装備が標準で用意されている。衛星ナビゲーション、電動テールゲート、マルチゾーンエアコン、サンルーフはどちらも標準装備だ。加えて、シートヒーターとヒーター付きレザーステアリングホイールも標準装備となっている。
LXには本革シートとシートクーラーが標準装備されているが、QX80にも同様の装備がある。Luxe AWDグレードを選択すれば、これらの装備に加え、より大型の22インチホイールと、上級のパワーシートが装備される。
この仕様でも価格は93,950ドル(約1491万円)で、LXよりも約13,000ドル(約200万円)安くなっている。高騰するSUV新車価格において、QX80の大幅な低価格は大きな魅力といえそうだ。
それは、過去10年間アメリカ市場でQX80の販売台数が、LXを圧倒的に上回っていることが証明している。
LXがライバルを上回ったのは2015年以降、わずか一度だけで、第4世代モデルが2021年に発売された時だ。その年、レクサスは2万1000台強を販売したのに対し、インフィニティのQX80は1万2573台にとどまった。
しかし、2024年は、LXが6,830台なのに対し、QX80は10,337台、2025年は、LXが7,464台なのに対しQX80が13,590台、そして最新の2026年第一四半期では、LXの1,848台に対し、QX80は2,885台と圧倒しているのだ。
米国でブランド全体を比較すると、レクサスは370,260台を販売したのに対し、インフィニティは52,000台と歯が立たない状態なのに、この結果は驚きといえる。
また、ほかにもQX80には多くの優位性が窺える。両車とも7人乗りだが、QX80はLXに比べて各列の乗員のヘッドルームとレッグルームが広くなっている。
さらにスペックを見ると、LXは最高出力409ps、最大トルク650Nmを発揮する3.4L・V6ターボエンジンを搭載する、QX80 は3.5L・V6ツインターボと搭載し最高出力450ps、最大トルク700Nmと圧倒している。また、牽引能力を見ても、LXの8,000ポンドに対し、QX80は8,500ポンドと優位に立っているのだ。
日本市場でも大きな信頼と人気を誇るレクサスだが、インフィニティがもし日本市場に投入されれば、意外なライバルとなって立ちはだかるかもしれない。








