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アウトドアブームが火をつけた4WD人気

現在、年間約1億1400万人ものアメリカ人が、キャンプやトレイルなどアウトドアアクティビティに参加。野外活動を好む多くのカスタマーが、ライバルメーカーよりもフォードの4輪駆動モデルを魅力的だと感じている。
調査会社「S&Pグローバル・モビリティ(S&P Global Mobility)」によると、フォードは2021年に米国で120万台の4輪駆動車を販売。これは2位のトヨタより約18%も多く、3位のジープを42%も上回っているという。
例えば2021年にブロンコを購入したレイチェル・サンプソンは、フォードを選んだ理由を「私はフロリダ北部に住んでいるので、毎日ビーチへのドライブを楽しんでいます。ジョージア州へのロングドライブもたくさんしていて、気候の違いをエンジョイしているんです。どんな場面でもブロンコは活躍してくれます」と、説明する。
多くのミレニアル世代が選ぶ4WDモデル

フォードの4輪駆動モデルの販売台数増加は、2021年にデビューした新型ブロンコ・シリーズが人気を集めたことに加え、エクスプローラーなど人気車種においても4輪駆動を選ぶユーザーが増えたことが理由に挙げられるという。さらにミレニアル世代(1981年以降に生まれた世代)が購買層に成長したこと、女性ユーザーのアウトドア志向により、4輪駆動モデルの購入比率は過去10年間で倍増した。
フォードUSAのSUV担当マーケティング・マネージャーを務めるデイブ・リバースは、2021年に販売されたSUVの3/4が4輪駆動モデルだったことを明かしている。
「お客様のSUV志向は、広い荷室による利便性を重視していることが挙げられます。そして4輪駆動車ならではの機能性や信頼感も求められています。雪道でのドライブなど日々の安心感だけでなく、アウトドアやオフロード、新しい冒険を求めているお客様も少なくありません」
軍用車両から民間用のSUVの始祖に

2000年以降、フォードは4輪駆動車の販売台数でアメリカ市場をリード。その最新作であるブロンコは、極めて高い走破性能など、これまでフォードが築き上げてきたオフロードモデルの伝統を受け継いでいる。
第二次世界大戦中、フォードはアメリカ陸軍や連合国軍のために27万台以上の小型4輪駆動車「フォード GPW」を生産。そして1951年には政府との契約により、ジープ ウィリス M38とM38 A1に代わる1/4トン積の軍用車両として「M151」を開発する。M151は1960年に実用化し、様々なタイプがアメリカ陸軍と海兵隊において使用された。優れた多用途性と小型で輸送機に多数の車両を搭載可能なため、現在でもアメリカ海兵隊において現役で活躍している。
これら軍用車両から派生した4輪駆動車両は民間用としても人気を集めたが、1960年代に行われた市場調査により、多くのユーザーが狭いキャビンと快適性の低さに不満を覚えていることが明らかになった。これを受けて1966年に発表されたのが、抜群の走破性と多彩なボディバリエーションを持つ初代ブロンコだった。24年ぶりに復活を果たした新型ブロンコにも、この初代からの伝統がしっかりと受け継がれている。