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見たこともないウェーブピストンと新燃料噴射システム UDトラックス 11ℓ直6ディーゼル

  • 2017/12/14
  • Motor Fan illustrated編集部 鈴木慎一
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UDトラックスの新型クオンが搭載する11ℓ直6ディーゼル

大型商用車のディーゼルエンジンにもダウンサイジングの波が押し寄せている。現在は直列6気筒が主流。9ℓや10ℓの排気量を使うメーカーもあるが、UDトラックスの新型GH11は、11.0ℓである。GH11TDについて、UDトラックスの原田友康氏に訊いた。

このエンジンのキーポイントは、燃料噴射システムと燃焼室だ。前型まではユニットインジェクターを使っていたが、GH11は「ユニットインジェクターとコモンレールのいいところどり」の新燃料噴射システムを採用した。ユニットインジェクターのメリットは、燃料をジワジワ噴くことができるので緩慢な燃焼が実現できることだ。一方、コモンレールは、噴射圧・制御性の向上でより緻密な制御ができるようになった。しかし、コモンレールでは大きくて重い高圧ポンプが必要だ。新燃料噴射システムでは6本のインジェクターのうち3本にプランジャーを組み込みカムの力で高圧を作り、それを6本のインジェクターに配するという仕組みだ。最大噴射圧は240MPa。一回の燃焼で5回以上噴けるという。20kgにもなるというサプライポンプは不要だ。

燃焼室は、ボルボ・トラックが特許を持つ「ウェーブピストン」を使う。

左が普通のディーゼル用ピストン。右がウェーブピストンだ。特許はボルボ・トラックが持つ。

原田友康さん(UDトラックス株式会社 パワートレイン エンジニアリング プロダクト&プロジェクト マネージメント プロジェクトマネジャー)
「何が特徴かというと、普通のピストンは上からみると円状です。6噴孔のインジェクターを使うウェーブピストンの場合、インジェクターホールから噴かれた燃焼がキャビティ(くぼみ)壁に当たり、回り込むような格好になる。そうなると隣り合った噴孔から噴射された燃料がぶつかり合うところが出てくる。するとその周辺の燃料がリッチになってスート(煤)が発生しやすくなる。うまく燃えないところを埋めちゃえという発想です」原田氏。ウェーブピストンにすることで燃焼も改善できるという。鋳鉄ブロック、SOHCの大型ディーゼルには、最新技術が詰まっているのである。

新燃料噴射システムは「ユニットインジェクターとコモンレールのいいところどり」なシステム。左側のインジェクターは丈夫にプランジャーが入っていて、カムの力でこの部分で高圧を作る。これが3本、残りの3本は通常のピエゾ式インジェクターで、3本で作った高圧を6本で使うイメージだ。通常のコモンレール式で必要な大きなサプライポンプが不要だ。
ターボチャージャーはHolsetのVGターボを使う。現在はカミンズ社傘下となっているHolsetのVGターボは、ベーンの角度が変わるのではなく、ハウジングにスリットが切ってあり、センターハウジングに上下可動のヨークが入っていて、その高さを変えることで排気をコントロールする。

GH11TD
エンジン形式:直列6気筒OHCディーゼルターボ
総排気量:10836cc
ボア×ストローク:123mm×152mm
圧縮比:17.5
最高出力:339kW/1600rpm
最大トルク:2200Nm/1200rpm

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