内燃機関超基礎講座 | ガソリンエンジンにもSCR? ドイツIAV社のビジョン
- 2020/10/03
- Motor Fan illustrated編集部

ディーゼル排ガス規制が厳しくなって以降、尿素SCRを使用してNOx(窒素酸化物)を低減する例が増えた。しかし、ガソリンエンジンに同システムが搭載された例はないだろう。ドイツのエンジニアリング会社・IAVはガソリン自然吸気エンジンの方向性のひとつにリーンバーン(希薄燃焼)を掲げている。
TEXT:牧野茂雄(MAKINO Shigeo)
*本記事は2013年5月に執筆したものです
RDE(リアル・ドライビング・エミッション)は、あらゆる運転領域での排ガスに網をかけようという考え方である。NEDCよりもはるかに厳しく、安全性のためにエンジン保護が必要な領域を除いてはディフィート・ストラテジーが使えなくなる。全域での排ガス浄化が必要であり、その対応手段として近年、ガソリンNAでのリーンバーン運転が注目されるようになった。この場合、IAVは「NOxが増えてしまう分は尿素SCRで担保する」という。

また、EUではガソリン直噴エンジンから排出されるPM(微粒子状物質)について、走行1km当たりの排出個数を制限する規制の導入が決まった。直噴はポート噴射より排ガスのクオリティがいいが、PMだけは増える。直噴過給エンジンにとっては大きな課題だ。ダイムラーやBMWがリーンバーンとNOxトラップで研究を進めている背景もこうしたところにある。
IAVはNOxトラップよりも尿素SCRを推奨する。コストを度外視し、排ガスと燃費を求める場合には「リーンバーン、高流量EGR、新しい点火系、可変圧縮比などの組み合わせが有力」と言う。


|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費が劇...
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復...

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に洗練...
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこそ光...
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4とリフ...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?
