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内燃機関超基礎講座 | トヨタの革新触媒技術FLAD:貴金属使用量2割/容積2割削減

  • 2021/05/17
  • Motor Fan illustrated編集部
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トヨタとデンソーが共同開発した新触媒は排出ガス浄化触媒の基材に触媒の中心部と周辺部で断面積が異なるセルを一体成形した新型触媒基材「FLAD(Flow Adjustable Designed Cell)」が使われている。最初にFLADを採用したのが、レクサスのフラッグシップクーペ、LC500hだ。

トヨタは2017年2月、排出ガス浄化触媒の基材に触媒の中心部と周辺部で断面積が異なるセルを一体成形した新型触媒基材「FLAD(Flow Adjustable Designed Cell)」をデンソーと共同開発、商品化すると発表した。

一般的なガソリンエンジン用の排出ガス浄化触媒では、四角形や六角形のハニカム構造になった基材内部のセル壁面に、白金(Pt)やロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)など、触媒機能を付与するための貴金属を含む触媒材料を塗布。通過する排出ガスと化学反応をすることで成分を浄化する。強化される自動車排出ガス規制に向けて、浄化性能を上げるには単純に貴金属の量を増やせば可能だが資源枯渇問題やコスト面で課題が多い。トヨタは触媒貴金属の浄化性能の効率を検証した結果、セル断面積が均一な従来型触媒は触媒内部の排出ガスの流れが中心部に集中していることを確認。現在の触媒材料の塗装技術では、一律に塗布する工程にならざるを得ないため、排出ガスの通過量が多い中心部の浄化性能確保に合わせると、周辺部での無駄が発生してしまっていた。

排出ガスの流れが中心部に集中していた従来型に対して、シミュレーションや試作基材を使った検討を繰り返して検証し、触媒内部の排出ガスの流れの均一度を向上させた。
従来型というか、一般的な触媒は個々のセルの断面積が均一なのに対して、FLADの中心部はセルの断面積が小さく(排出ガスの流路が狭い)、周辺部はセルの断面積が大きい(排出ガスの流路が広い)。異なるセルの一体成形は世界初の設計・製造技術となる。

そこでFLAD基材は、排出ガスが多く通る中心部には高密度なセルを、少ない周辺部はセルを低密度に成形することで、排出ガスの流れを均一化。セル壁面に塗布する触媒貴金属使用量を従来比で約20%低減し、触媒容量の約20%小型化を実現したという。もちろん、従来型と同等の排出ガス浄化性能は維持している。デンソーが量産を担当し、レクサスLC500hを皮切りに、FLADが適した車両に順次採用している。

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