お便り EVバイクが気になる 実際どうなの?

投稿者:静岡県/パロパロ山内さん
チェンの回答

最近はガソリン価格もかなり高くなっていて、「原付でも維持費がキツいな……」と感じている人も多いんじゃないかな。そんな中で注目されているのが“電動バイク”の存在だ。ひと昔前までは「どうせまとも走らないでしょう?特に上り坂なんて」というイメージも強かったけれど、かなり現実的な選択肢になってきた印象がある。

電動バイク最大の特徴は、やっぱりモーターならではの滑らかな走り。エンジンみたいに回転数が上がるのを待たなくても、アクセルを開けた瞬間からスッと加速する。振動も少なく走行音も静か。深夜の住宅街でも気を使いにくいし、「スーッ」と走る感覚はガソリン車とはかなり違う。しかも、エンジンオイル交換やクラッチといった機構が不要なモデルも多く、構造自体がシンプル。だからメンテナンス項目も比較的少ない。毎日使う“移動の足”として考えると、この手軽さはかなり魅力だと思う。

一方で、当然デメリットもある。やっぱり気になるのは“航続距離”と“充電問題”だろう。最近のEVスクーターはかなり進化しているけれど、それでも長距離ツーリングではガソリン車が有利な場面はまだ多い。特に地方では充電設備が少ないケースもあり、「どこで充電する?」問題はまだ完全には解決していない。また、スマホと同じように、冬場はバッテリー性能が低下しやすい。夏場より航続距離が短くなるケースもあるので、「カタログ値ギリギリで使う」のは少し注意が必要だ。

チェンが試乗したスペイン製(TORROT)の電
動スポーツバイク。アクセルを開けてから
加速までのタイムラグがないリニアな特性。
ハンドリングも良かったよ!

国内メーカーも本腰を入れてラインナップを増加中だ

とはいえ“使いやすさ”はかなり進化してきた。特に街乗り用途では、「これなら普通にアリかも?」と思わせるモデルも登場しているし、“回生ブレーキ”を採用するモデルも増えてきた。これはアクセルを戻した時の減速エネルギーを利用して発電し、少しだけバッテリーを充電する機能。クルマのEVではおなじみだけど、バイクでも少しずつ広がってきているね。

「ガソリン車を完全に置き換える」というより、“用途を割り切って使う”のが現実的だとチェンは思うな。例えば近所の移動、通学、買い物、駅までの移動など、毎日の短距離移動なら電動バイクとの相性はかなり良い。静かだし、燃料代も安く、ストップ&ゴーの多い街中ではモーター特性も活きる。逆に、長距離ツーリングや山道、地方移動などでは、まだガソリン車のほうが気楽に使える場面も多い。特に充電設備が少ない地域では、“航続距離を気にしながら走る”場面も出てくるだろう。結局のところ、「どっちが良いか」ではなく、自分の使い方に合っているかが大事。チェン的には、“セカンドバイク”や“街乗り専用機”として考えると、電動バイクはかなりアリだと思っているよ。

Honda ICON e:

ホンダが2026年に投入した原付一種クラスの電動スクーター。価格は22万円(税込)で、着脱式リチウムイオンバッテリーを採用し、家庭用100V電源で充電可能。一充電走行距離は81km(30km/h定地走行テスト値)を実現している。モーターならではの静かな走りと滑らかな発進特性も魅力で、シート下には26Lのラゲッジスペースも備え、実用性もしっかり確保。

Yamaha JOG E

東京・大阪エリア限定で先行展開されている原付一種クラスの電動スクーター。価格は15万9500円で、最大の特徴は“バッテリーを所有しない”という新しい仕組み。Gachaco(ガチャコ)というサービスを利用し、月額制でバッテリーを借りる“電動バイク版サブスク”的なスタイルを採用している。街中の専用ステーションで充電済みバッテリーへ交換できるため、自宅で長時間充電を待たなくても使えるのが特徴。一充電走行距離は53km(30km/h定地走行テスト値)で、都市部の日常移動に特化した“新時代のJOG”と言える存在だ。

まとめ

●エコロジー&エコノミー
●セカンドとしてEVはあり!

著者紹介 

チェン

元レースメカニックで、カスタムビルダーや二輪誌編集部員のキャリアを持つ。現在はスーパーモトのレースに参戦し、ハイエースで全国を飛び回っている。

※この記事は月刊モトチャンプ2023年9月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】