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自衛隊新戦力図鑑

無人戦闘機2機種の量産契約

アメリカ空軍は、有人戦闘機と連携して戦う自律型無人戦闘機「CCA(Collaborative Combat Aircraft:協調戦闘機)」の開発を進めている。ゼネラル・アトミクス社製「YFQ-42A」とアンドゥリル社製「YFQ-44A」だ。6月17日、空軍は両社と2機種の量産契約を結び、試作機をあらわす記号「Y」が消え、正式に無人戦闘機「FQ-42A」および「FQ-44A」となった。

ただし、「量産」と言っても、すぐに実戦配備されるわけではなく、今後も試験が続けられ、実際の部隊配備は2030年頃が見込まれている。それでも、自律型無人戦闘機という“SF兵器”の実現に向けた大きな一歩であることは間違いない。

テスト飛行するゼネラル・アトミクス製FQ-42A(YFQ-42A)。今回、試作を示す「Y」が取れて「FQ-42A」となった。また、「F」は戦闘機を、「Q」は無人機をあらわす。(写真/アメリカ空軍)

ステルス性が低い? アンドゥリル製無人機

量産契約が結ばれたのは無人戦闘機計画の「インクリメント1(第1段階)」であり、空対空型となっている。両機とも長射程空対空ミサイルAIM-120 AMRAAMを搭載するが、搭載方式に両者の設計思想の違いがあらわれている。

翼下にAIM-120空対空ミサイルを搭載したアンドゥリル製FQ-44A(YFQ-44)。兵装の外部搭載はステルス性を損なう(写真/アメリカ空軍)

ゼネラル・アトミクスのFQ-42Aがミサイルを機内弾薬庫(ウェポンベイ)に搭載するのに対して、アンドゥリルFQ-44Aは機内弾薬庫を設けず、機外搭載としているようだ。ミサイルのような“でっぱり”は、ステルス性を損なう可能性がある。それでも機外搭載としたのは、FQ-44Aが量産性を重視しているためと思われる。複雑な構造を持たないことで、迅速・安価な量産を可能とする。

また、同機は高価なチタンではなくアルミニウムを使用し、プレジャーボート由来の複合材技術を組み合わることで機体を設計。さらに部品の94%に既製の民生品が活用されており、希少部品に頼るリスク低減や機体価格抑制が図られているという。

今年2月のシンガポール・エアショーで展示されたFQ-44Aの模型。アンドゥリルの担当者から、本機の生産性について話を伺った(写真/筆者)

「損耗許容性」というキーワード

これを「安かろう、悪かろう」と考えてはいけない。無人機にとって重要な要素のひとつが「損耗許容性(attritability)」だからだ。無人機は人間に代わって危険な役割に投入される。そのためには「戻ってこなくても、まあいいか」くらいの感覚で使えることが重要になる。高性能でも生産性が悪く高価な機体には、それができない。

ウクライナ戦争以降、兵器の生産性の重要性が再認識されている。これまで欧米の兵器は高性能なハイエンド品を重視してきた。しかし、ウクライナの戦場では「性能はそこそこでも、大量かつ継続的に作り続けられる兵器」こそ、戦いを支える存在となっているのだ。あえて、こうした性能面の割り切りに踏み込んだ点は、新興メーカーたるアンドゥリルらしいと言えるかもしない。

アンドゥリル製FQ-44A。なお、今回のCCA協調戦闘機計画では、機体設計とソフトウェア開発を分けている点も興味深いが、字数の都合上、また別の機会にお話ししたい(写真/アンドゥリル)

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