超ビッグシングルタービンを高回転で炸裂させる!
1000馬力を受け止める全方位チューンド
今やR34GT-Rというだけでも高い価値を持つ存在だが、ミレニアムジェイドをまとったこのマシンは、その中でも希少なVスペックIIニュル。第二世代GT-Rの生産終了を記念して、Mスペックと合わせてわずか1000台のみが生産された限定モデルである。

ベースとなったのは、オーナーが約9年前に走行1万km台で手に入れた極上車。それを“ピットロードM”が高速ツアラーとして磨き上げ、今回のアップデートではパワートレインを中心にさらなる進化を遂げている。

名機RB26DETTは、HKSステップIIキットによって排気量を2.8L化し、ナプレック製ドラッグヘッドを組み合わせる。カムシャフトは東名パワード製290度をIN/EXともに採用。「低回転域はいらない」というオーナーの意向から、定番のVカムはあえて装着せず、高回転性能を最優先した仕様だ。エンジン制御はHKS・F-CON Vプロが担う。

そして最大の見どころは、ボンネットを開けた瞬間に圧倒的な存在感を放つギャレット製G42-1450シングルタービン。1450ps級の風量を誇るGシリーズ最大クラスでありながら、最新設計によって従来のHKS T62Rを上回るパワーとレスポンスを両立している。
最大ブースト圧は1.9キロ。最高出力1000ps、最大トルク100kgmという圧巻のスペックを叩き出す。

排気系はIRレーシング製45φワンオフエキゾーストマニフォールドに、90φフロントパイプ、ピットロードM製100φチタンマフラーを組み合わせる。
ドライブトレインはOS技研製シーケンシャルドグミッションを軸に、ATS製カーボントリプルクラッチとカーボンLSDを組み合わせ、1000psを確実に路面へ伝達する。

フロントバンパー内にはトラスト製オイルクーラーをレイアウト。ニスモバンパーの開口部に合わせて配置することで、十分な冷却性能を確保しながらノーマルライクなルックスも維持している。

足まわりもエンジンに負けない内容だ。車高調は緑整備センター製ナイトロントリプルチューブダンパーを採用し、アーム類はイケヤフォーミュラ製ピロボールタイプへ変更。スタビライザーも前後ともarc製強化品を組み込む。

ブレーキはフロントにAPレーシング製モノブロック6ポットキャリパー+382mmローター、リヤは4ポットキャリパー+356mmローターを組み合わせる。

ホイールはボルクレーシングTE37SL(18×10.5J+15)。タイヤは外径バランスを考慮し、前後とも265/40R18のアドバンA052を装着する。

1000ps仕様ながら快適性への配慮も万全だ。オーディオやエアコンをはじめ内装はほぼ純正のまま残され、メーター周辺にはシフトインジケーター、トラスト・シリウスメーター(ブースト)、A/F計を追加。センターコンソールにはブーストコントローラー「EVC7」が収まる。

ドライバーズシートはレカロRMSカーボンシェルを装着。オプションパッドを組み合わせることで、さらなるホールド性を確保している。

このスーパーチューンドを高速周回路へ持ち込み最高速アタックを実施したところ、あっさりと200mphの壁を突破。320.34km/hという驚異的な最高速を記録した。
「1000psとは思えないほど普通に乗れるし、安定感は完璧。特に足まわりにはまだ余裕があって、さらにパワーがあっても踏んでいけると思う。ストリートカーとしてここまで仕上がっているなら文句のつけようがない。良いクルマだったね」と、アタックを担当した稲田大二郎氏も絶賛する。

これまでにも数多くの第二世代GT-Rが320km/h級の最高速を記録してきた。しかし、快適装備を残したユーザー所有のストリート仕様でこの数字を叩き出した価値は計り知れない。RB26DETTという名機の底力と、日本のGT-Rチューニングが積み重ねてきた技術の成熟を、改めて実感させてくれる一台である。
●取材協力:ピットロードM 兵庫県姫路市安富町安志912 TEL:0790-66-3359
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ピットロードM
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