惚れ惚れと憧れる
天才派のドライビング

私自身、プロのレーシングドライバーを目指して、たくさんのレースに参戦しました。その中で、若くて経験が浅いのに、どんなクルマに乗っても、どんな状況であっても、パッと速く走れるドライバーと出会いました。
そういった能力を持つ天才派はドライビングを体で理解しているのか!? 路面や車両のコンディションを素早く的確に把握し、一発で適切な操作を行い、カウンターなどの修正舵も瞬時に当てられます。
天才派は競り合いにも強い印象があります。でも、クルマを降りると、まるで違う雰囲気を醸し出すなど(失礼!)……、まったくもって羨ましい人間です。ちなみに私はまったくもって、そちら側ではありません。
努力派が天才派に
勝つためには
クルマの挙動を感じられずにカウンターを適切に当てられなかった経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか。天才派とは逆で、最初からは上手く走ることができないのが努力派だと思います。多くの人はこちら側に入ると思いますので、ここからは「どうしたら努力派は速くなれるか」についてお話ししていきます。
経験は大切なのだが
意識しないと経験できない

ひとつひとつのシチュエーションを経験して、モノにしていくことが大切です。
哲学のような話になってしまいますが、「意識して感じようとしないと経験したことにならない」。つまり経験したことを認識できません。
たとえば、スピンをしたときのこと。スピンする前にはタイヤが限界を超え、スライドし、コントロール不能になったという一連の出来事があります。
初心者はこの一連の流れを認識できずに、ただ「スピンした」という事実にのみ意識が向きます。これでは次に同じシチュエーションになっても結果は同じく、スピンすることになります。
スピンの前段階で、つまり「スライドを感じる」「タイヤの限界を感じる」を意識することが経験の始まりです。最初は経験するだけで、実際に対処できなくても構いません。
それを感じられないから上手くいかないという声を聞きますが、すべては意識が先です。感じようと努力しないとできるようにはなりません。
騙されたと思って
まずはやってみる

大抵の場合、指摘やアドバイスされた内容は自身の感覚とは異なり、気持ちが悪いものです。しかし「できないことをできるようにする」のが練習です。
「それは本当なの!?」と違和感を抱くのは自然ですが、それを自身なりに解釈し、実践しない、もしくは自身なりのやり方を続けていては、上達は見込めません。とくに年齢層が高い人ほど、この傾向が強いと感じます。「騙されたと思ってやってみる」こと。これが成功への第一歩です。
「頭で考え 体に落とす」
反復練習と復習が大切
天才派は1回の経験でマスターしますが、努力派はそうではありません。日々の鍛錬が大切です。理屈を理解したら、ひたすら反復練習を繰り返す。この順番が重要と考えています。
理論がわからず練習を繰り返しても、上達のスピードが遅いかと思います。天才派は理論などわからずとも(体で理解している!?)上達しますが、努力派は頭で考えてから体に落とし込むほうがよいと思います。
イメージトレーニングを
毎日欠かさずやってみる

毎日5分と小時間でよいので、いま課題としているドライビングについてイメージトレーニングを行うことをオススメします。ひとつのコーナーに絞って、どういう操作を行うかをイメージをするのです。スローモーションのように、ひとつひとつの操作をじっくり意識するとよいかと思います。
ライバルに差をつけるには
YouTubeも活用する
速く走るヒントとして、YouTubeなどに車載動画がたくさん存在します。自身のホームコースの車載動画や同じ車種のものもあるでしょう。できれば、同じような条件でプロが走った走行動画を観るとよいです。
ホームコースだとプロより速く走れるアマチュアドライバーもいますが、。観るべき動画はそういった最速動画よりもプロの動画です。初めて乗るクルマでも速いそれなりのタイムで走らせる… …。それこそプロの技です。それを真似るほうが、「最速の走り」よりも応用性が高いです。
講師
梅田 剛

R会受講者から送られてきた車載映像に、ドラテクの改善点を添削している梅田講師。本業は医師。今回は「努力派が天才に勝つには」をテーマに伝える。
■REVSPEED
https://motor-fan.jp/publisher/revspeed/