“RR”の称号はダテじゃない! 6.8psへ進化【ホンダ・DJ・1RR】

HONDA DJ・1RR|1988年発売
1988年(昭和63年)に登場したDJ・1RRは、1985年のDJ・1、1986年のDJ・1Rと続いたシリーズの最終進化形。若者から支持を集めたスポーツ路線をさらに磨き、エンジン、足周り、スタイルのすべてで“RR=ダブルアール”らしい仕立てとなっている。
新設計シリンダーによって掃気効率を高め、49cc空冷2ストローク単気筒エンジンは最高出力6.8ps/7000rpmを発揮。ロングストローク化(39.0×41.4mm)や細部の改良によってトルク特性も見直され、ワイドレシオのVマチックとの組み合わせで、力強く俊敏な加速を実現した。
足周りには、油圧式ダンパーを内蔵したテレスコピック式フロントサスペンションを新採用。フロントブレーキにはフィン付き大径95mmドラムを組み合わせ、80/90-10のタイヤを装着する。
そしてDJ・1RRといえば、やっぱりこのスタイル。レンズ一体式のデュアルヘッドライト、サイドカバー後部のエアダクト、新デザインのメーターなど、80年代後半のレーサーレプリカブームを思わせるディテールが随所に盛り込まれている。
筆者はDJ・1RとDJ・1RR共に所有していたけれど、RRで印象に残っているのは、とにかく鋭い出足。アクセルを開けたときの反応が元気で、ウイリーも余裕だった。ただ燃料タンクは3.0Lと小さく、若かったこともあって走り回っていると、とにかく給油の回数が多かったのも懐かしい思い出である。
そして何よりカッコよかったのが、エアダクト風の造形とレーシーなカラーリング。戦闘機や当時のロボットアニメを思わせるようなメカっぽさがあり、フロントフォーク周りのカバーも個人的にはホンダNS250Rを連想させる雰囲気。速さだけではなく、“眺めてもその気にさせてくれる”スクーターだ。

総排気量:49cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:6.8ps/7000rpm
最大トルク:0.73kgm/6500rpm
全長×全幅×全高:1630×625×1015mm
重量:60kg
タイヤ:前80/90-10/後80/90-10
発売当時価格:13万6000円
28Lのメットイン+89cc! “小さいだけじゃない”原付二種【ホンダ・リード90】

HONDA リード90|1988年発売
同じ1988年(昭和63年)に登場しながら、DJ・1RRとはまったく違う方向へ進んだのがリード90。原付や原付二種といえばコンパクトさが魅力のひとつだけれど、このモデルはあえてゆとりのある車格を与え、快適性や走行安定性まで含めて上級スクーターとして仕立てられている。
ボディは50cc版のリードと共通で、全長1755mm、全幅715mm。89ccクラスとしては存在感のあるサイズで、大柄な車体は落ち着いた乗車姿勢をつくり、街中から2人乗りまで余裕を感じさせる構成となっていた。通勤など毎日距離を走る使い方とも相性が良く、実用派にも親しまれた印象が強い。
大きな魅力が、シート下に新設された28Lのセンタートランク。フルフェイスヘルメットを収納でき、フロントカバー内側にはインナーボックスも装備する。さらに7.2Lの燃料タンクをフロア下へ配置することで、収納スペースをしっかり確保している。
エンジンは従来のリード80をベースに開発した89cc空冷2ストローク単気筒で、最高出力8.4ps/6500rpm、最大トルク1.0kgm/4000rpmを発揮。ワイドレシオのVマチックとの組み合わせによって、伸びやかで余裕ある走りを実現した。
足周りにはアンチダイブ機構付き油圧ダンパーを備えたフロントサスペンションと油圧式ディスクブレーキを採用。リヤにもエア封入式油圧ダンパーを組み合わせ、乗り心地にも配慮している。
「原付二種=小さくて気軽」だけではない。大きめの車格、充実した収納、余裕のある89ccエンジン。この組み合わせが、リード90ならではの魅力となっていた。

総排気量:89cc
エンジン:空冷2ストローク単気筒
最高出力:8.4ps/6500rpm
最大トルク:1.0kgm/4000rpm
全長×全幅×全高:1755×715×1060mm
重量:85kg
燃料タンク容量:7.2L
タイヤ:前100/90-10/後100/90-10
発売当時価格:22万5000円
※この記事は月刊モトチャンプ2025年12月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】